北京の青空もf16

2006年 帰国。いつの日かまた中国へ

中藤さんの講評

2007-07-06 20:13:53 | 写真
打ち合わせが終わったあと、ギャラリーに向かう。[旅]写真展は二日目なのだ。ギャラリー・シリウスに着いたのは閉館20分前。お客さんは数名。受付をしていた山田さんの話では今日の来場者は芳名帳に名前を書いてくれた人が45名ぐらい、そのほかに20人ぐらいだいう。平日だというのに足を運んで頂き、有り難いことだ。
ギャラリーの中をぶらぶらしていると、亀山さんと山田さんが1人のお客さんの話に真剣に耳を傾けている。誰だろうと近づいてみると、写真家の中藤毅彦さんであった。中藤さんは好きな写真家のひとりだ写真展にも何度か足を運んでいるし、写真集を北京へも持って行った。その中藤さんがひとりひとりの写真を丁寧に見ながら、講評をしてくれているのだ。自分の番になると、少々緊張する。中藤さんの言葉に自然に意識が集中して行く。中藤さんは「この2枚がいいね。軽やかな感じがする。」といって、モップと寺院の旗の写真を指差した。キャプションを読んで、ぼくが中国に留学していたことを知ると、「滞在時間の長さが写真にゆとりを与えている気がする」とも。最後に「ネコもいいね」と言ってもらえ、素直に嬉しかった。
中藤さんは、全体的な感想として「現像、プリントのレベルはみんな、一定のレベル以上で安心して見ていられる。しかし、モノクロ、6X6のスタンダードな表現の中に留まり過ぎていて、作者の個性が感じられない。もっと枠を崩して、自分なりのスタイルを探したほうがよいのではないか」「全体の中では、エジプトを撮影している常見さんの作品は群を抜いているし、杉山さんの作品はスタンダードであるが、腹をすえて人をとっていて良い作品に仕上がっている」とのことだった。
中藤さんの講評はとても勉強になった。「プリントの技術的に足を引っ張っている人はいない」という感想を聞いた時には、お世辞だったとしても、内心ほっとした。しかし「スタンダードな枠の中」というのは自分でも感じていたことだ。どう崩すか、どう創るか。これからの課題だ。