北京の青空もf16

2006年 帰国。いつの日かまた中国へ

らぁめん陣

2005-08-04 00:13:06 | その他
今朝、いつもより30分早く会社に着くように出勤した。駅から会社に向かう途中「おはよう」と声をかけられた。反射的に「おはようございます」と返したが、誰なのか思い出せない。しばらく無言で一緒に歩くと、ふいに誰なのか思い出した。会社の近くのラーメン屋のおやじさんだ。ラーメン屋の格好しか見たことないから、分からなかった。おやじさんは、僕が通らない道を選んでいく。「こんなとこ通ってるんですか?」おやじさんについて、古ぼけたアパートが立て込んだ路地を通っていく。10年近く通勤してきたが、いままで見たことのない風景が通り過ぎていく。「いつも同じ道じゃつまんないっしょ。」店で見るのとは違う笑顔だ。「ここは、この鉢植えがきれいなんだ。こっちは、この朝顔。」ひとつひとう指差しながら、小柄な背筋を伸ばしスタスタ歩いていく。「ここは雰囲気あるんだ。」外壁が黒く煤けたアパートのガラスに朝日が反射する。視界が開け、いつもの交差点にでた。ほんの2分ほどだが、見知らぬ街を通り抜けた気分になった。「それじゃ、ここで。」軽く会釈をすると、「あと、こいつがきれいなんだ。」彼が指さす方を見ると、いくつもの小さなピンク色の花が揺れていた。