シスタスというアオイやポピーに似たきれいな花がある。
日本ではまったく人気がなく、苗もほとんど流通していない。
人気がない理由は、花の寿命が短くて半日ぐらいで散ってしまうからと、多湿に弱く日本の梅雨が苦手だからだ。
アオイ目ハンニチバナ科ゴジアオイ属の低木。
ハンニチバナは半日花、ゴジアオイは午時葵と書く。午時とは正午前後のこと。
だいたい朝咲いて午後3時頃に、はらはらと散ってしまう。
英語ではロックローズ、岩の薔薇という。砂漠の無い日本では礫漠(れきばく)だろうが土漠(どばく)だろうが岩盤漠だろうが砂漠だろうが全部『砂漠』と表現され、往々にしてシスタスも『砂漠の薔薇』と訳されている。
園芸で『砂漠の薔薇(デザートローズ)』と呼ばれているのはキョウチクトウ科のアデニウムの事であってシスタスのことではない。
シスタスの育て方
用土は水はけが良くアルカリ質の用土。園芸用の土にパーライトか川砂を混ぜ、苦土石灰を混ぜ込んでおく、地植えはロックガーデンなら出来そう。
真夏の直射日光には弱い、ロックローズといっても原産地では岩陰で咲いているのだろう、朝だけ日が当たって昼は日陰になる風通しの良い場所が良い。梅雨時は軒下に入れておく。
性質・育て方はイングリッシュラベンダーの育て方に準ずる、イングリッシュラベンダーをうまく育てられた人ならさほど難しくは無いでしょう。
シスタスには花と葉にムスクに似た強い芳香がある。砂漠でこんな良い香りが漂ってきたら魔物か幻覚だと思うでしょうな。
海外にはシスタスの精油があるそうで媚薬の原料にもなっているという。
シスタスの葉は柳のようで、厚みがありフェルトのような感じで乾燥から身を守っている。
日本だと切り戻しちゃうけど、原産地だと2mくらいになるそうだ。
花は初夏から初秋までずっと咲く、うちのは毎日1花ずつ咲く。