夢見るババアの雑談室

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樋田毅〈ひだ つよし〉著「彼は早稲田で死んだ」〈文春文庫〉

2024-06-02 20:42:16 | 本と雑誌

 

 

1972年早稲田大学の中で革マル派のリンチに遭い死んだ学生がいる

著者は当時 この亡くなった学生と同じ早稲田大学の学生だった

 

やがて社会人となり記者となり

それから心にかかっていた事を本にされてきた

「記者襲撃赤報隊事件30年目の真実」

「最後の社主朝日新聞が秘封した御影の令嬢へのレクイエム」

学生運動のあれこれが新聞を賑わせた時代があった

当時子供だった私は どうして勉強する為に入ったはずの大学で勉強もせずに

何を革命ごっことか闘争に明け暮れている

果ては陰湿で愚かなリンチ殺人もあり

一体何をやっているんだー

そのように思っていた

 

これはその荒れた時代に大学生であった著者が自分の体験と 当時の事件に関わった人々にも話を聞いて書き上げた本

何故殺したのか

自分たちと違う考えの人間を敵と見做し 攻撃対象とし襲い掛かる

暴力的な人間

理想の社会を作るんだ

そういう考えは しかし偏った思想から未熟で悲惨な事件も起こす

革命に犠牲はつきものだ

邪魔する人間は敵だ

そういう時代があり 無駄に まったく無駄に奪われた命がある

己たちの危険思想に気づけず 偏った思想のまま生きている人間もいる

正義は人により異なるかもしれないが

歪んだ思想にとらわれたまま生き続けている人間もいる

 

リンチにより殺された青年には・・・殺されるべき理由など何ひとつなかった

 

 

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ごめんなさい



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