舞風のごとく
あさの あつこ
文藝春秋
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火群のごとく (文春文庫)
あさの あつこ
文藝春秋
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飛雲のごとく 小舞藩シリーズ (文春文庫)
あさの あつこ
文藝春秋
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小舞藩(おまいはん)に生きる新里林弥を主人公とし その成長を描くシリーズ第三作
元服し烏帽子親の名をもらい正近とあらためた林弥も二十歳を幾つか越えた
彼は同じ志を持つ家老の息子 樫井透馬の用人兼護衛として傍にいる
正近の幼馴染で親友の和次郎改め山坂半四郎も一緒だ
弱き者が泣く そして罪咎なき者が死ぬことなき世にしたいと彼らは願っている
それは彼らの幼馴染が あたら若い命を喪ったから
正近の兄が殺されたから
理不尽な死への怒り 憤慨 悲しみ 嘆き
少年だった自分たちにできること できないこと
火事があって多くの人が家を失い 命を喪い ひどい怪我もして苦しんでいる
千代は叔母の恵心尼の暮らす清照寺で火事により焼け出された人々の看病や食事の世話をしている
恵心尼は尼僧となる前の名を七緒と言った
正近の亡き兄の妻で 正近が想いを寄せていた女性
七緒の兄こそ 正近の兄で七緒の夫でもあった結之丞を背後から切り殺した暗殺者
透馬の命も狙い 正近が斬り捨てた
因果は深いのだ
千代の身の上を聞き 正近は気付く その素性に
自分が殺した男の娘
千代の方は正近に思慕にも似た気持ちを抱く
千代は看病する人間から あの火事は付け火だ 自分は見たーと聞く
そのことから命を狙われるが 景心尼が嫌な予感を覚え 正近に助けを求めたことで
それが間に合い 救われた
調べていくうちに透馬はこの付け火の背後にいる人間に気付いた
ーどうして俺は こんなに病弱なのだ
何もできぬというのか
あんな卑しい生まれの人間が健康だからという理由でこの家を継ぐか
俺には何もできぬ ただ死んでいくだけのー
そうではない 寝ていてもできることはある
見せてやる!ー
正近と関わりのあった女も死んだ
透馬の異母兄も死んだ
江戸に帰り母方の祖父と同じ仕事につきたい夢を持っていた透馬
いつか彼は家老になるだろう
正近や半四郎と一緒に青雲の志 夢をかなえることができるだろうか
「火群のごとく」を読了時に書いたものです↓
https://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/e/3401742efbcfda36a58a724d573368e4
「飛雲のごとく」を読了時に書いたものです↓
https://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/e/2ab46bba120afb8b8b88b762555a0b6f