佐藤慶さん死去のニュースに思い出した映画がある↓
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD22690/index.html
「鬼の棲む館」(1969年 大映映画 監督・三隅研次)
という配役だ
「南北朝時代。戦火を免れた山寺に、無明の太郎と異名をとる盗賊が、白拍子あがりの情人愛染と爛れた生活を送っていた。自堕落な愛染、太郎が従者のように献身しているのは、彼女が素晴らしい肉体を、持っていたからだった。晩秋のある夕暮、京から太郎の妻楓が尋ねて来た。太郎は、自分を探し求めて訪れた楓を邪慳に扱ったが、彼女はいつしか庫裡に住みつき、ただひたすら獣が獲物を待つ忍従さで太郎に仕えた。それから半年ほども過ぎたある晩、道に迷った高野の上人が、一夜の宿を乞うて訪れた。楓は早速自分の苦衷を訴えたが、上人は、愛染を憎む己の心の中にこそ鬼が住んでいると説教し、上人が所持している黄金仏を盗ろうとした太郎には呪文を唱えて立往生させた。だが、上人はそこに現われた愛染を見て動揺した。その昔、上人を恋仇きと争わせ、仏門に入る結縁をつくった女、それが愛染だった。上人に敵意を感じた愛染は、彼を本堂に誘い篭絡した。ふとわれに還った上人は、慚愧に身をふるわせ、舌を噛みきった。もがき苦しむ上人に、この身体が勝ったと嘲けり笑う愛染。愛染が太郎の一刀を受けたのはそんな時だった。」
と あらすじに紹介されている
「細腕繁盛記」では もっぱら耐える女性
映画「沓掛時次郎」では やはり渡世の義理の為とはいえ夫を殺した時次郎(市川雷蔵)に複雑な思いを抱きつつ 子供と自分を助け守り戦う彼にほのかな情愛を持つしっとりした役柄
そういうイメージであった新珠三千代さんが 極めつけの悪女を演じているのと
女性を犯したり悪役や嫌な男を得意としていた佐藤慶さんが 昔 事情のあった女性と再会し動揺し執拗な誘惑に負ける・・・役柄
その頃 演じられることが多い役柄とは 異なるイメージの若い頃の映画を観て かなり意外な印象を持ったのでした
こういう役を演じられたこともあったのだと
佐藤慶さんは81歳でこの世を去り 新珠三千代さんも2001年に死亡
悪役を演じればまことに憎らしい存在でした 佐藤慶さんという俳優は
後年 人の良い役もまたこなしてみせましたが 熟年期 もう本当に嫌な男を演じるのがお上手でした
名優であったのでしょう
凄みのある時代劇でも現代劇でも 実に悪役が似合う俳優さんとしての印象が強い方でした
出演された作品を 観て偲びたくなりました