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夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

東直己著「フリージア」ハルキ文庫

2009-11-14 22:06:10 | 本と雑誌

東直己著「フリージア」ハルキ文庫
東直己著「フリージア」ハルキ文庫
昔 惚れた女
今も惚れているからこそ 一緒に暮らせない女

その女が自分との関わりの為に狙われる

男は女の居場所を知る人間を消して行く

女を守る為に

殺される人間達が 余りいい人間でないので
主人公をもっと殺(や)れ
と応援したくなります

解説の方は 主人公に高倉健さんのイメージを重ねたそうです


「ブレーキは要らない」

2009-11-14 20:03:13 | 自作の小説

よくぞーと思うくらい無神経な人間が世の中にはいる

そんな厚かましい人間からの頼みを断れない情けない人間も

ー「ねぇお願い 莎耶子(さやこ)にしか頼めないの お願いよ」ー
返事する間もなく一方的に切れた電話

かけてきた香代子の夫 船水裕之(ふねみず ひろゆき)は かつて莎耶子の恋人だった

裕之とのデート中 偶然出会った香代子は そのデートに割り込んできた

「莎耶子に話したいことがあったの ご一緒していいですか」

香代子の話したいことと言うのは 最近付き合ってた男と別れたというもの

「もう 自信なくしちゃう アタシ そんなに魅力無いですか」
潤んだ大きな目で香代子は裕之を見上げた

莎耶子がトイレに立った間に 香代子は裕之と携帯の電話番号とメールアドレスも交換していたのだった

莎耶子には内緒にして

「風邪なのか気分悪いんです 莎耶子が電話に出てくれなくて」

呼び出されるように香代子のマンションに行った裕之は 男女の関係の最後まで行きー

「いいの アタシが勝手に裕之さんを好きになってしまったの

でもお願い これきりにしないで

一人にされたら アタシ アタシ 死んでしまう」

関係は続き 香代子は言った

「妊娠したの 会社にはいられないから辞める
大丈夫 育てるから
迷惑かけないから

でも お願い 認知はしてね」

別れ話の時 どうしてこうなったか 香代子と結婚するしかないのか
最初から裕之は 莎耶子に話して聞かせた

莎耶子が気分悪く悍ましく感じたのは

香代子と付き合いながら 変わらず莎耶子の事も平気で抱いてた裕之の神経だった

香代子と比べながら自分の事を抱いていたのかと思うと吐き気がした

別れ話のその場所へ 遅れて姿を見せた香代子は言った

「ごめん ごめんね そんなつもりじゃなかったの
でもアタシ 裕之さんから離れられないの

アタシ達 愛し合ってるの」

そう言うと香代子は勝ちほこった艶やかな笑みを見せた

それから二年

香代子は どうしても家に来て欲しい
待ってるからー

一方的に言うと電話を切ってしまった

香代子の話 どうせろくなものでもあるまいが

お人よしな自分を呪いつつ 教えられた住所に莎耶子は辿り着いた

ベルに応えて出てきたのは裕之
顔色が悪かった

「莎耶子・・・」

「香代子から電話を貰ったの」

「そうか 入ってくれ」

背後で玄関の扉がしまった

「久しぶりね 香代子は」

「じき帰ってくるだろ
あれから どうしてた
莎耶子は また綺麗になったな」

「元気よ
香代子いないのなら 出直してくるわ」

「いや 行かせない」

裕之は莎耶子を押し倒した

「何するのよ 離しなさい」

「いやだ ずっと逢いたかった 久しぶりなんだ」

「何 馬鹿言ってんのよ
香代子がじき帰ってくるんでしょ」

「帰らないさ 香代子は母親が入院して実家だ

君は俺に逢いたかったんだ

だから香代子が実家だと知り 逢いに来たんだろう

下手な芝居はやらなくていい」

莎耶子は腹が立ってきた

自分は何を思い込んで こんな男と付き合っていたんだろう

「ふざけんじゃないわよ」

まだ持ってた仕事の書類も入ってる重い鞄で 裕之を殴る

「いてぇ」
念の為 オマケに五回ばかし叩き うずくまるのに 今度は言葉を叩きつける

「ざけんじゃないわよ
カケラの未練だってあるもんですか

あんた達二人のぐだぐだに巻き込まれるのは 未来永劫御免被るわ」

それからさすがに懲りて 幾ら香代子が電話をかけてきても 相手にせず 携帯電話の機種を変える時 会社も変え 番号を新しくした

それでもしつこく会社にかけたりしてきたが 席を外してるーそう応えてもらうことにした

すっぱり縁を切ったつもりでも香代子は学生時代からの友人

多少なりと噂が耳に入ることもある

意外にも結婚の原因となった子供は生まれなかったらしい

次に裕之と香代子の名前を莎耶子が目にしたのは テレビのニュースでだった

夫婦は殺し合ったのだそうだ

裕之にも愛人がありながら 新しい男ができた香代子が 「もう要らない出て行って」
その言葉に「捨てられてたまるか」裕之が切れ 香代子も応戦した

まだ息の合った裕之は 苦しい息の下から そう話し 意識不明となり死んだのだそうだ

「あんな尻軽女 相手にするんじゃなかった」とも言ったそうだ

香代子が尻軽女なら 裕之は尻軽男
お似合いじゃないよーほろ苦く莎耶子は笑う

あの時 裕之に身を任せていたら
自分もそのどろどろに巻き込まれていたのだ

ぞっとする

不倫が文化だ 流行りだってなら 流行遅れでかまわない

これからだって 知り合いに会うと隠れなきゃいけないような恥ずかしい恋はしない

そんな恋や関係を強いるような男なら どれだけ好きな相手でも
心の中で葬式あげてやる

情けない男にしか惚れられない 相手にされないのは
自分が情けないだらしない女だからだ

そんなつまらない男からなら もてなくて結構

迷惑な困った女にはならない

背筋伸ばして生きていく

「おお同期 でかい契約 モノにしたって」

「まだまだ これから条件つめるんです」
莎耶子は軽く頭を下げる
同期 同い年の東 優一
出世頭でもある

「頼みきいてくれないかな 」

「ややっこしいのは御免ですよ」

「ま 昼休み 話聞いてよ」

そうして昼休み 連れていかれたのは ホテルの最上階のレストラン

「相変わらず美人してるんだ」

「からかってないで 何なんです」

同期の気安さがある
「しつこい女の子がいてね ストーカー並みで手を焼いてるんだ」

「モテる男は 辛いんですね」
つい軽口をきいてしまう

「とにかく男見つけて早いとこ結婚したいだけさ
そこそこの男なら誰でもいいんだよ」

「就職したら寿退社ってのは たいていの女性の夢ですもの」

「君みたいにきちんと仕事して 将来の重役候補だっている」

「ううん 私は男を見る目が無くて 売れ残ってしまっただけですわ」

東は片方の眉を上げる

「トシなりに色々そこそこにはあるんです」

「無かったら 逆にどっか悪いのかと心配になる」
東は片目をつぶってみせた

「ねぇ 誰かと結婚して 相手の夢を手助けしながら ずっと一緒に生きていけたら

そんな時代遅れの夢を持っているんです
仕事は好きだけど 仕事だけで生きていける女じゃありません」
莎耶子は本音を吐いていた

「幸せ 生き方は 一人ひとり違って当たり前じゃないかな

みんな同じだったら 逆に気持ち悪いさ」

心地好い沈黙の時が流れる

と 腕時計に目を落とした東は やや焦りつつ話し出した

「付き合ってる事にしてもらえないか

噂になってしまったら 俺の長年の絶望的な片恋で

そうして やはり俺では ダメで ふられたんだー

そうきちんと言うから」

「しつこい女のコが 貴方を諦めるまで・・・で いいのね」

「有り難い 恩に着る」

東の笑顔に 莎耶子は明日から服装も化粧も少し気張ってみようと思った

数回 東と莎耶子は寄り添って歩く姿を 同じ会社の人間に見られー噂は広がった

東に付き纏っている娘の友人が 廊下で尋ねてきた

「付き合っているって本当ですか?」

「同期だから 気を使わないでいいの
話も合うし楽しいわ 戦友みたいなものかな」

余り嘘にならない程度に答えておく

そう・・・嘘だった

さすがは女性に人気のある男
一緒に居て心地好い

錯覚し お芝居であることを忘れ 本当に恋をしてしまいそうだった

好きになるのは簡単だ

容易すぎる

どんなに楽しくても 莎耶子は気持ちを引き締める

引き締める

心も体も寄り添わせてはいけない
いけない

つん!軽く額を弾かれた

「な・・・何?」
場所は一人じゃ絶対に行かないゲームセンター

東はぬいぐるみ取るのに夢中になってるーと思ってた

「眉間にたてじわ
ほらほらデート中は難しいこと考えないの

多少トシ食ったお兄さんが 頑張ってるんだから」
東は戦国時代の武将に可愛いぬいぐるみキャラのシリーズがなってるのを捕まえようとしていた

兜被った伊達政宗を狙っている

そしてとうとうキャッチしてみせた

「はい お姫様に」

「なんで 伊達政宗にこだわったのでしょう」

「うん NHKの大河ドラマでさ 愛姫と夫婦仲が良かったから
恋人同士としては あやかりたい」
東は笑顔になる

「でも デートじゃないから」

「この時間は デートなのだと思いたいな
本当にしちゃいけないのだろうか」

手には ふわふわぬいぐるみ

腕を掴まれ店の外

幾らか歩いて余り客の入ってない喫茶店を見つけ 東は進んでいく

席に着いて注文した飲み物が届くと 東は繰り返した

「本当の事にしては いけないだろうか」

莎耶子は自分の年齢を思う
素直には なれない

「君といると楽しい
今までできなかったあれこれをしたくなる

ずっと君に恋してた
そうなんだ

芝居じゃなかった
最初から

変な男のプライドで 君に恋してほしかったんだ」

ふわふわのぬいぐるみ
ミルクティーの香り

嫌な噂を聞いた事がない同期

いつか終わる恋でもー

いつの間にか 芝居じゃなくなってた

何て言おう 何て

ふわふわ可愛いぬいぐるみ

「お芝居なのが 淋しかったんです

忘れないように 心にブレーキかけてました」

「アクセルを壊れるほど踏み切ってくれるかな」
東が言う

「ブレーキは もう要らないから」

莎耶子の恋はーじきに結婚という次のステップへと進んだ

ブレーキもUターンも無し

前進あるのみー


2009-11-14 18:14:15

2009-11-14 18:14:15 | 子供のこと身辺雑記






夕飯までのつなぎに赤肉メロン

大根と平天の煮たの

ビーフシチュー

豚肉は衣をつけて揚げればトンカツ状態で保存です

私の手が空くと パソコンは子供達のどちらかが使用中(笑)

仕方ない
ブログへの記事送りなど 携帯で出来ることだけ していましょう


出掛ける前に ひと休み

2009-11-14 09:08:58 | 子供のこと身辺雑記

出掛ける前に ひと休み
出掛ける前に ひと休み
出掛ける前に ひと休み
出掛ける前に ひと休み
出掛ける前に ひと休み
コンビニでのお気に入り
「ブラックタピオカ入りミルクティー」
長野県の安曇野市で作られている商品だそうです

家族の朝ご飯作ったあと 少ししんどいなと思う時など 自分の体への景気づけ(笑)に飲んでいます

朝ご飯は
豆腐と半熟卵を甘辛く煮たの
キャベツ・もやし・牛肉の味噌炒め

味噌汁

食後の果物は種無し柿です

お弁当おかずは
ベーコンエッグ
下にほうれん草のソテーなど敷き詰めています
ウインナー炒め
冷凍食品のカツ

簡単です


東直己著「悲鳴」ハルキ文庫

2009-11-14 08:20:16 | 本と雑誌

東直己著「悲鳴」ハルキ文庫
東直己著「悲鳴」ハルキ文庫
東直己著「悲鳴」ハルキ文庫
夫が浮気しているのは間違いないーと 究極ブスの女は言った 調査対象の夫は かなりの好男子

すっきりしないながら言われるままに仕事を始めた探偵・畝原は 不倫などではなく 夫婦の再会を目にする

では あのひどく醜い女はー

やがて女の身許を突き止め 家を訪ねた畝原は 女の夫による無理心中の目撃人となる

おかしな切断した足が捨てられ その一つが畝原の親友の庭にも

そして畝原の家にしつこく送信される陰湿窮まりないファクス

それらは一つの線となるのか

いじましくねちっこいバカ達と
なんとかしたくて奔走した人間

善意の人のいたましい死

権力の不気味さ

思春期にかかる娘を抱える畝原の やや不器用な父親ぶり

横関係の友人達

シリーズ物は 人間関係も楽しみです