▲岩野市兵衛氏が漉く 藍の漉きかえし 《薄藍》
▲飛び出す絵本 蓮と菖蒲
▲サンフランシスコの飛び出す絵本。クリスマスにお爺ちゃんが娘にプレゼントしてくれました。
外国の人からみると、日本の風景や文化ってエキセントリックにみえるんだろうな。
でも、色使いがどこか明るくて、サンフランシスコの「青」を感じます。
きっと侘びの世界って、気候風土がつくりだす自然によって生まれてきたんだろうな~と思います。
BS NHKの連載番組「アートビート」をご覧になったことありますか?。
私はこの番組が大好きで、ずいぶん前に放映された、ニューヨークのタップダンサー セビアングローバーが出演していました。
身震いがするほど凄かったです。
昨日は、3代続いている絵の具屋「セヌリエ」 の絵の具職人さんのお話。
フランスってこういう絵の道具が指示されているから、凄いですよね。
この絵具屋さんは、あのパブロピカソも常連さんだったそうです。
そこの絵の具やさんに尋ねた、北野武さんが自身の好きな色「灰色かかった色のブルー」をオーダーすると
その場で絵の具を配合し、絵の具をつくっていました。
職人さんは「自然界の微妙な色を、肌で感じ取り、調合していくかがとっても大切です」と話されていました。
絵の具づくりは、化学的知識がないとつくれないそうです。
そういえば、小川耕太郎∞百合子社のweb紙芝居「山とミツバチと農家」は
イタリアの土と日本の土を中心に配合し、絵の具からつくって描いた紙芝居です。
日本の土だけだと、どうしても明るさがなくなってしまうので、イタリアの土を使っています。
この紙芝居は、子どもを対象にしているので、色の明るさに重点を置いています。
先日、この紙芝居を描いてくれた麻理ちゃんと話しで
「素材のもつ力って、すごく大きいよね。あの紙芝居はあの絵の具がなかったら描けなかった」と話していました。
「岩野さんの奉書をみていると、
なんでホッとするんだろう?と考えてみたんだけどね・・・・・、
電子的な色に慣れつつある現代人でも、本能的に自然に近い色に
ほっとするというよりか、深層的な部分まで入ってくる色なんだろうな~。
と思ったよ。」
▲人間国宝 岩野市兵衛さんが漉く「藍の漉きかえし」
ちなみにパブロピカソは、岩野市兵衛氏の先代の漉く奉書を使い木版画を制作していたようです。
・・・・色って本当に奥が深い。
ふっと、自分の本棚を 日本の色や造形についての本が 結構多かった。
意識してなかったけど・・・・やっぱりどこかで自分のルーツの色や造形を求めているのかな?
▲自分の本棚にあった「日本」について書かれていた本
話が次々飛びますが、
一年以上の歳月がかかってしまいましたが
奉書を藍に染めていただく工房から「薄藍」の試作品が送られてきました。
試作品は全部で6種。
その中の一枚
(写真と実物の色は多少異なります。)
驚くほど手間がかかるけど「心の深層まで入っていく色」だと思います。
小川社のスタッフで話し合い、送られてきたサンプルの中から「どの薄藍」にするか決定します。
少しでも職人さん達の仕事が、おきゃ様にご理解いただき
なによりもお買い求めいただいたお客様が、心の底から和んでいただければと思います。
岩野さんの奉書が、現代の住空間や暮らしの中で、どんな風に使われていくのか楽しみです。
H.Pにしていきたいと思ってます。
主人がよく話すのですが「技術は、自然や命と同じように 一度なくしてしまったら取り返しがつかない」
という言葉の深さを実感する毎日です。
私も頑張らないと。