昨年10月に始めたこのブログ。美術史特殊講義は、それ以前の平成28年8月5~7日に受講したスクーリングです。
初日は、美術史とは?美術品とは?で始まる、メインが法隆寺と中宮寺の美術についての講義。2日目の見学の予習的内容です。
2日目は見学。午前中は「大和文華館」。鉄斎コレクションを、学芸員さんの説明を聴き、観ます。最終日に感想文を提出するため、どの作品について書くか考えながら展示室を回ります。鉄斎の作品のいくつかは、友人からの贈り物への礼状に添えたスケッチで、篤実な人柄が感じられました。一方で、晩年の作品には、息子の死によるものか、孤高な作風が胸を突きます。孤高で、孤独ではあるが、孤立はしていない、と主張しているようでした(個人の感想)。
午後からは、法隆寺(西院伽藍、大宝蔵院、東院伽藍)と中宮寺を回ります。前日配布、当日用の資料は手間のかかった素晴らしい資料でした。しかし、ここでトラブルが起こります。夏。たった数時間の外回りで軽い脱水症状らしきものが起こってしまいました。ペットボトルの水を持っていましたが、熱されていて、とても飲めるようなものではなく。足もつってしまうし。夏の学外学習には、水筒、扇子、昼ご飯を持ち歩くならば保冷パックに保冷剤が必携です。両寺は初めてではなく、なんとか超高速で見て回り、自動販売機のある休憩所でしばらく休んでいました。梅雨時期の考古学特殊講義で2日半外歩きしても平気だったので、油断していたのでしょうか。
3日目は、「信貴山縁起絵巻」、「春日権現験記絵」の講義。S先生の読み下しは、極めてわかりやすく頭に入ってくるものでした。縁起による社会風刺などの面白さと信仰の在り方。人物画もその立場にある人の人間性がそのまま写されているようでした。