コンピュータ用語学び塾

外国語の基本は英単語、パソコンやインターネットも“コンピュータ用語”が大事ですね。初心者向けに分かりやすく紹介します。

【図で覚えるパソコン用語】 第7回 IPアドレスとネットワーク

2010-08-01 14:55:55 | 【図で覚えるパソコン用語】
「IPアドレス」という言葉は、時々聞くと思いますが、インターネットを理解する上で、大事な用語の一つです。この「IPアドレス」のお陰で、世界中のコンピュータがつながることができます。

この「IPアドレス」は、電話番号とよく似ています。電話番号は「個々の電話に付けられた番号」、「IPアドレス」は「個々のコンピュータに付けられた番号」です。

IPアドレスは、パソコンも含め、インターネットにつながっている一つ一つのコンピュータに付けられる番号(アドレス)です。相手と電話するときには「電話番号」が必要なように、コンピュータ通しでデータをやり取りするときには、「IPアドレス」が必要です。


(1) ネットワーク・・・コンピュータ機器がつながったもの
(2) LAN(ラン)・・・建物内や家庭などの狭い範囲のネットワーク
(3) IPアドレス・・・・個々のコンピュータ機器に付けられる番号
(4) IPアドレスの構成・・・ネットワーク番号+(ネットワーク内の)コンピュータ機器番号
    IPアドレス=aaa.bbb.ccc.ddd  :aaa、bbb、ccc、dddは0~255の数値です。
(5) サブネットマスク・・・IPアドレスのどこまでがネットワーク・アドレスを示すもの
(6) グローバルIPアドレス・・・世界中で一意の(重複のない)IPアドレス
(7) プライベートIPアドレス・・家庭内や企業内で自由に使えるIPアドレス
(8) ブロードバンドルータ・・・家庭の複数のパソコンをインターネットに接続するための機器


なお、現在、使われているIPアドレスの仕組み(番号体系)は「IPv4(IPバージョン4)」と言われ、アドレスを32ビット(2進数の32桁)で管理しているため、”付けることができる番号は約43億”と限られています。

IPv4で、IPアドレスの残りの番号が少なくなっているので、新しく考えられているのが「IPv6(IPバージョン6)」です。これだと、ほぼ無限のコンピュータ機器に番号が付けられます。



■ ネットワークとは


ネットワーク(Network)の本来の意味は、「網の目のように張り巡らされた組織や系列、繋がりのこと」です。

簡単に言うと、「ネットワーク」は”コンピュータ機器がつながったもの”です。企業内のコンピュータがつながったネットワーク、家庭内のパソコンがつながったネットワークなど様々なネットワークがあります。

なお、ネットワークには、建物内や家庭などの狭い範囲で、パソコンやプリンターなどのコンピュータ機器をつないだ狭いネットワークのLAN(ラン)、広い範囲のネットワークの”WAN” (ワン)があります。

「インターネット」は、世界中の「ネットワーク」をつなげた、「ネットワークの中のネットワーク」です。



■ IPアドレスの構成


IPアドレスは「個々のコンピュータ機器に付けられる番号」ですが、次のような構成です。

  IPアドレス=ネットワーク・アドレス +ホスト・アドレス

   ネットワーク・アドレス = ”ネットワークの番号”
   ホスト・アドレス    = ネットワーク内の”コンピュータ機器番号”

電話番号に例えると、次のようになります。

  IPアドレス=ネットワーク・アドレス +ホスト・アドレス
       =(市外局番)      +(市内局番+加入者番号)

同じネットワーク内のコンピュータのIPアドレスの”ネットワーク・アドレス”は同じになっています。そのことにより、ネットワーク・アドレスをみるだけで、通信する相手のコンピュータが、同じネットワーク内なのか、ネットワーク外なのかがすぐに分かります。



■ IPアドレスの表現、サブネットマスク、クラス


電話番号=”03-1234-5678”であれば、”-”があってもなくても、市外局番(03)市内局番(1234)加入者番号(5678)と分かります。

  電話番号=市外局番+市内局番+加入者番号

IPアドレスは”192.168.142.102”のように、0から255までの数字が.(ピリオド)で区切って4つ並べて表記します。

  IPアドレス=aaa.bbb.ccc.ddd  :aaa、bbb、ccc、dddは0~255の数値です。

なお、IPアドレス=”192.168.142.102”の内容では、どこまでが「ネットワーク・アドレス」であるかが分かりません。

その為、どこまでが「ネットワーク・アドレス」であるかを示すためにサブネット・マスクという設定があります。

  IPアドレス=aaa.bbb.ccc.dddの場合

  サブネット・マスクが「255.0.0.0」  の場合 → ネットワーク・アドレスは「aaa」
  サブネット・マスクが「255.255.0.0」 の場合 → ネットワーク・アドレスは「aaa.bbb」
  サブネット・マスクが「255.255.255.0」の場合 → ネットワーク・アドレスは「aaa.bbb.ccc」


■IPアドレスからネットワーク・アドレスを求める方法

IPアドレス=”192.168.142.102”は実は、2進数の32ビットを8ビット毎に区切って、10進数で表現したものです。

IPアドレスとサブネット・マスクを2進数にし、IPアドレスとサブネット・マスクの2進数のAND演算(対応するビットが両方共に1場合)の結果がネットワーク・アドレスになります。


下記は、サブネット・マスク=”255.255.255.0”の場合です。

  (1) IPアドレス    =192.168.142.102
             =11000000 10101000 10001110 01100110
 
  (2) サブネット・マスク=255.255.255.0
             =11111111 11111111 11111111 00000000

  (3) ネットワーク・アドレス
             =11000000 10101000 10001110
             =192.168.142

上記の場合、(1)、(2)のAND演算の結果の(3)がネットワーク・アドレスになります。



■ IP アドレスのクラス


IPアドレスは、ネットワークの大きさ、つまり、コンピュータの集まりの大きさで、クラスA、クラスB、クラスCに分けられます。

  クラスA:大規模ネットワーク・・・サブネット・マスクが「255.0.0.0」
  クラスB:中規模ネットワーク・・・サブネット・マスクが「255.255.0.0」
  クラスC:小規模ネットワーク・・・サブネット・マスクが「255.255.255.0」

クラス A は IP アドレスが 0 で始まります。クラス B は IP アドレスが 10 で始まり、クラス C は IP アドレスが 110 で始まります。

また、アドレスの範囲はクラス A が 0.0.0.0 から 127.255.255.255。クラス B は 128.0.0.0 から 191.255.255.255。クラス C は 192.0.0.0 から 223.255.255.255 です。

クラス A, B, C の (既定の) サブネットマスクはそれぞれ、255.0.0.0、255.255.0.0、255.255.255.0 になりますが、これは既定のサブネットマスクであって、クラス A でもサブネットマスクを 10 ビットにしたり、クラス B の範囲でも、サブネットマスクを 24 ビットにすることは構いません。


(注)現在はクラスに縛られずにサブネット・マスクを利用するようになりました。つまり、ネットワーク部とホスト部の切れ目は今ではクラスではなく、サブネット・マスクが決めているといえます。



■ グローバル IP アドレスと プライベート IP アドレス


IPアドレスには次の2種類があります。

 グローバルIPアドレス・・・世界中で管理され一意の(重複のない)IPアドレス
              電話で言うと外線番号に該当する
     
 プライベートIPアドレス・・家庭内や企業内で自由に使うことができるIPアドレス
              電話で言うと内線番号に該当する

もし、世界中の人が IP アドレスを勝手に割り振ったら、同じIP アドレス必ず出てきてしまい、特定のコンピュータを探し出すことが不可能になります。

そこで、一意のIPアドレスを割り振れるよう、 IPアドレスは特定の機関によって管理されています。日本では日本ネットワークインフォメーションセンター (JPNIC) によって管理されています。

インターネットを利用する場合、インターネットサービスプロバイダと契約しますが、サービスプロバイダは、こうした機関から IPアドレスを割り当ててもらい、それをさらに私たち利用者に割り当てています。

このように、世界中で管理されている IPアドレスを特に ”グローバルIPアドレス”と言います。インターネットにコンピュータを接続する場合は、グローバルIPアドレスを使わなければなりません。


なお、家庭内や企業内のような閉じられたネットワーク内では、”プライベートIPアドレス”を利用します。ただし、”プライベートIPアドレス”では、インターネットとは通信できません。



■ ブロードバンド・ルータとは


ブロードバンド・ルータの役目は、接続されている複数のパソコンをインターネットに接続することです。

ルータとは、異なるネットワーク同士を相互接続する機器のことですが、ブロードバンド・ルータは、FTTH・ADSLなどのブロードバンドでLANをインターネットに接続する機器です。

 家庭の複数のパソコンなど →ブロードバンド・ルータ →FTTH回線終端装置 →インターネット

 家庭の複数のパソコンなど →ブロードバンド・ルータ →ADSLモデム    →インターネット


家庭内の複数のパソコンは、「ブロードバンド・ルータ」につながれて、LANというネットワークを構築し、このブロードバンド・ルータを通じてインターネットに接続します。

なお、ブロードバンド・ルータには、インターネットと通信するための「グローバルIPアドレス」と、家庭のパソコンと通信するための「プライベートIPアドレス」の2つのIPアドレスを持っています。

家庭の各パソコンは家庭内LANだけで利用可能な「プライベートIPアドレス」だけを持ち、ブロードバンド・ルータと通信します。

ブロードバンド・ルータは、接続されている各パソコンの「プライベートIPアドレス」を、「グローバルIPアドレス」に変換してインターネットと接続します。


家庭内の複数のパソコンは、「ブロードバンド・ルータ」につながれて、LANというネットワークを構築し、このブロードバンド・ルータを通じてインターネットに接続します。


≪補足≫ブロードバンドルータを使用時のIPアドレスの仕組み

家庭や企業では一般的に、クラスCを使用します。例えば家庭で3台のパソコンと1台のブロードバンドルータにプライベートIPアドレスを割り振る場合、以下のようにします。

(1) ブロードバンドルータはISPから割り当てられたグローバルIPアドレスを持っています。例えば、グローバールIPアドレス「199.112.113.114」

(2) プライベートIPアドレスとして、ブロードバンドルータに「192.168.0.1」、パソコン1~3に「192.168.0.2~192.168.0.4」を割り当てます。


参考情報: ブロードバンドルータとIPアドレス
http://lan-pc.pc-beginner.net/bb_router/bb_router_ip.html



■ IPv4(IPバージョン4)、IPv6(IPバージョン6)


現在、使われているIPアドレスの仕組み(番号体系)は 「IPv4(Internet Protocol Version 4)」 です。

この「IPv4」は、アドレスを32ビット(2進数の32桁)で管理しているため、付けることができる番号、つまり管理できるコンピュータの最大数は0.0.0.0から255.255.255.255まで約43億種類になります。

これ以上のコンピュータは、現在の「IPv4」では管理できません。

しかし、近年のインターネットの急速な普及により、インターネットにつながるコンピュータが増え、IPv4の仕組みのIPアドレスでは管理できなくなることが予想され、128ビット(2進数の128桁)でアドレスを管理するIPv6が開発されました。


■将来のIPアドレス、IPv6(IPバージョン6)

「IPv6(Internet Protocol Version 6)」は、「IPv4」より多くのコンピュータのアドレスを管理するために開発されている仕組み(番号体系)です。

最大の特徴は、IPアドレスを32ビットから128ビット(2進数の128桁)に拡張したことです。

現状の、IPv4では最大で約43億個のIPアドレスしか用意できませんが、IPv6では2の128乗(340澗、340兆の1兆倍の1兆倍)という、ほぼ無限に近いアドレスが利用できます。

パソコンだけでなく情報家電をはじめとしたあらゆる機器にIPアドレスを割り当ててもまだ余裕があると言われています。

また、IPv6ではセキュリティ機能の向上やパケットのヘッダ情報の簡素化など、IPv4における難点の多くを解消することができるとされています。


■IPアドレスの「IPv4からIPv6への移行」と互換性

中国やロシア、インドなどでもインターネットが普及したこともあり、IPv4のIPアドレスの消費ペースは、当初の想定よりも早く、2011(平成23)年初頭には、IPv4のアドレスが枯渇すると見込まれています。

なお、IPv4とIPv6の変化は、「電話番号の桁数が32桁から128桁」に変わることをイメージしたらよいと思います。電話番号の桁数が変わったら本当に大変です。

IPv6は多くの番号を付けることができますが、IPv4との互換性がありません。その為、IPv4のみに対応したパソコンやネットワークシステムではIPv6を利用することができなくなります。

これから、IPアドレスの「IPv4からIPv6への移行」が進むと思います。それに合わせ、使っているパソコンのハードやソフト、ネットワーク機器、プロバイダなど、「IPv6」に対応可能なのか、これから関心を持つ必要がありそうです。



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