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個人情報保護法とは~過剰反応から適切な運用へ

2008-08-24 16:17:55 | 安全・安心用語(セキュリティ用語)
今回は、いろんな場面で話題になる個人情報保護法の基本的な疑問点について、様々な情報をもとにまとめてみました。個人情報保護法に過剰反応するのではなく、個人情報保護の意味を考え、適切に運用することが大事だと思います。

(注)専門家ではないので、勘違い、説明不足等あるかと思いますが、ご了承下さい。

IT社会を生きるために大事な法律は、「著作権」と「個人情報保護法」であると思います。多少面倒でも、それが意味するところ、そして、法律を現実に適用した場合、どんな点に注意したら良いか考えることは、大事ですね。

なお、個人情報保護法が施行され、個人情報保護が進む中、過剰反応も出てきています。

過剰反応の例としては、以前発生したJR宝塚線(福知山線)の脱線事故時において医療機関が家族に対して安否情報の提供を拒んだ問題、学校の緊急連絡網が無くなり担任が一人一人連絡するになったり、クラス発表の写真撮影が禁止になったりと、さまざまな場面で、これまでと違った状況が生じているようです。

国民生活センターによると、個人情報保護法は「全ての場合において、本人の同意なく個人情報を第三者へ提供することを禁じているわけではない」と指摘しています。

例えば「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難なとき」(法第23条第1項第2号)には、本人の同意なく第三者へ個人情報を提供できると説明しています。

 参考情報:最近の個人情報相談事例にみる動向と問題点
 (国民生活センター)
 http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20051107_2.html

上記のホームページに掲載されている、「最近の個人情報相談事例にみる動向と問題点 -法へのいわゆる「過剰反応」を含めて-」は、よくまとまっています。

  参考情報:「最近の個人情報相談事例にみる動向と問題点」(PDF資料)
  http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20051107_2.pdf


企業活動での顧客情報等の個人情報の扱いには、利用目的の明確化・公表、情報流出防止等、慎重な扱いが必要ですが、学校・地域で扱う個人情報に関しては、法律の内容を理解した柔軟な対応が必要だと思います。

なお、学校関係の個人情報の扱いについて、文部科学省は、ホームページで説明しています。

   参考情報: 文部科学省
   http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/16/11/04111602.htm

正しく対応すれば、学校での緊急連絡網等の連絡名簿も、従来通り作成できます。なお、緊急連絡網の代わりにメールを利用しているところもあるようですが、やはり一番早く連絡が出来るのは電話だと思います。

最近は子供の悲惨な事件も多く、万が一事件が発生した場合のことを考えると、緊急連絡網の整備は必要不可欠ではないでしょうか。


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■ 個人情報保護法のポイント
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個人情報保護法の目的(第一条)は、"個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護すること"です。

個人情報保護法では、以下のように「個人情報」を定義(第二条)しています。

1. 「生存する個人に関する情報」
2. 「特定の個人を識別することができるもの」
3. 「他の情報と容易に照合することで特定の個人を識別できるもの」  

個人情報保護法を理解する上で、上記の目的、個人情報の定義を理解しておくと、法律のポイントが掴めます。

なお、個人情報を理解するのに最適な資料が下記にあります。個人情報保護法に興味ある人、いや全ての人が一度は読んで欲しい資料です。本当に良くできています。

  安心して個人情報を取り扱うためには(PDF版)
  http://www.iajapan.org/rule/jinken2004.pdf
  制作:財団法人インターネット協会 監修:弁護士 岡村 久道    

この資料には、個人情報保護法自体も掲載されており、この資料だけで個人情報保護法がよく分ります。市販の本は不要なぐらい、内容が充実しています。


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■ 個人情報保護法の基本的な疑問点Q&A
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身近な疑問についての回答が下記の参考情報にあります。これらの内容の代表例に加筆して紹介します。

 参考情報1:「最近の個人情報相談事例にみる動向と問題点」(国民生活センター)
 http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20051107_2.html

 参考情報2:@IT:やさしく読む「個人情報保護法」 最終回
 http://www.atmarkit.co.jp/fsecurity/rensai/privacy06/privacy01.html


■事例1:学校でクラス名簿や緊急連絡網などを作成・配付する場合

入学時や新学期の開始時に、「学校が取得した個人情報については、クラス名簿や緊急連絡網として関係者へ配付する」ことを明示し、同意の上で所定の用紙に個人情報を記入・提出してもらう。全員の同意が無くても、同意を得ることができた人のみを掲載した名簿の配付はできます。


■事例2:学校での写真販売、卒園アルバム製作について

園児らの保護者が第三者提供に同意した場合には第三者提供違反とはならないため、保護者の全員の同意があれば、写真の販売や提供も可能です。


■事例3:同窓会名簿の配布

同窓会が個人情報取扱事業者であれば、個々の会員の事前の同意かオプトアウト(本人からの申し出により個人データの第三者提供を停止すること)の仕組みが必要であり、そうでなければ氏名を含め個人情報の掲載を強いることはできません。


■事例4:防災マップ、町内会名簿の作成

個人情報保護法は、名簿の作成や配付を禁止する法律ではないが、施行前に比べ、施行後は各種名簿の作成や配布が困難になっている。各団体でどのように個人情報を取り扱っていくのか、会員間での合意と工夫が必要です。


■事例5:メールアドレスとメールの取り扱い

メールに関して気を付けたいのは、無関係な複数の人に送信する場合です。TO、CCで一斉に送るのは避けて、個別に送るか、BCCで送ることが必要です。TO、CCで一斉に送ると、メールの送信履歴により他人のメールアドレスを知らせることになり、「第三者提供」に当たる可能性があります。



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