非才無才の雄叫び

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読売新聞のTPP交渉に関する社説は、なぜ歯切れが悪いのか!

2014-02-03 13:26:49 | 日記
2月3日(月曜日)の読売新聞の社説にTPP交渉「日米は膠着
状態の打開に動け」のタイトルが目を引いたので読んでみた。
それは冒頭「アジア太平洋の新たな自由貿易圏作りを停滞させて
はならない。膠着状態を打開するために、日米両国が早期合意を
目指す必要がある。
」と、国民のほとんどが知っていて、国民が
一様に気を揉んでいることなので、このようなしごく当たり前の
書き出しでは、タイトルほどの訴求力はなく、それで・・・となっ
てしまう。
その後の記述はTPP交渉の難航している事象を挙げたり、オバマ
大統領が一般教書演説でTPPに触れた意図について述べ、「安倍
政権も成長戦略としてTPPを重視し、アジアの活力を取り込む方針
を掲げてきた
。」・・・それで・・・その後、ようやく論点らしい
記述が出てくる。「日米が同盟国として連携を強める意義は大きい。
何よりも今、求められるのは、米国が大局的な見地から、日本との
妥協点を探る姿勢を示すことである
。」なんとも歯切れの悪い
主張だ。どうしてだろうと疑念を抱く。ここは「米国は日本が
TPP交渉参加の打診をした時、聖域なき関税撤廃に拘らないと日
本政府に表明しておきながら、日本が交渉に参加した途端、手
のひらを返して関税撤廃を強行に主張して譲らないのは、同盟
国に対する裏切り行為に等しい。米国が真に日本を同盟国とし
て連携を強める意思があるなら、日本の参加打診時に表明した
時点に立ち戻り、日本との妥協点を探るべきだ
。」と
ここは強く主張すべきところだろう。さらにロジックに問題が
あるのか、記述にしっくりこないところがある。「しかし、関税
撤廃を巡る日米対立に加えて、米国とマレーシアなど途上国の
間でも、知的財産権保護や国有企業に関する競争政策を巡って
主張の隔たりは大きい。(段落を変えて)他の10か国は、日米
協議の進展を注視しており、日米が対立を解消できなければ、
他分野も停滞する恐れがある。交渉全体の勢いを失速させ、
早期妥結を危うくする事態は避けるべきだ
。」
段落を変えているとはいえ、前段の「米国と・・・途上国の間
でも・・・・主張の隔たりは大きい。」と後段の「他の10か国は
・・・・」ここの記述がしっくりこない。「・・・・隔たりは大きいも
のの日米の対立ほど深刻ではない。それは関税撤廃については
他の10か国が米国と歩調を合わせているからに他ならない。従
って他の10か国は、日米協議の・・・・・」と続けるべきではない
のか。そして、最後の二段。「一方、政府が農業分野の一層の
市場開放に備えて、農地集積や減反見直しといった農業改革を
打ち出している点は評価できる。(段落を変えて)TPPなどの通商
交渉への対応はもとより、日本経済を活性化させるため、『攻め
の農業』の具体化を急がねばならない
。」だから何なの
と言いたい。それは膠着状態を打開した後、環太平洋経済連携
協定・TPPが成立した後の話で、それ以前に間に合う話ではない。
間に合う話でもないことを書いて、なんになるかと言いたい。TPP
交渉は非公開で進められているため、メティアを始め、国民は想像
力を逞しくする他あるまい。「政府は農業分野の市場開放に向けた
農業改革の工程表を作成して、例えば最終目標を50年後の関税
撤廃に向けた工程表を米国に指し示して交渉に臨むべきだ
。」な
どともう少し迫力のある論説を展開できないものか。とりわけ、
最後の段は先ほど当方が修正した文言の「米国は日本がTPP
交渉参加の打診をした時、聖域なき関税撤廃に拘らないと日本
政府に表明しておきながら、日本が交渉に参加した途端、手の
ひらを返して関税撤廃を強行に主張して譲らないのは、同盟国
に対する裏切り行為に等しい。米国が真に日本を同盟国として
連携を強める意思があるのなら、日本の参加打診時に表明
した時点に立ち戻り、日本との妥協点を探るべきだ
。」をもって
社説を締めくくって欲しいものだ。
  文章のど素人が甚だ僭越ではあるが、今日の社説は、「どう
したの」という感じだ。非才無才の当方でさえ、このような
感想を抱かざるを得ないので、同様の感想を持っている読売
新聞の読者は、きっと多いはずだ。それでも当方は読売新聞
を手放せない。中でも第一面にある「編集手帳」は殺伐とし
た紙面の片隅に、さまざまな花を咲かせて、われわれ読者を
和ませてくれる。その「編集手帳」に見劣りしないバランス
のとれた鋭いロジックで論旨を展開する社説を期待する。