破産申立代理人の法的責任

2022-12-19 17:29:52 | 倒産法・債権管理
【例題】B弁護士は、債務者Sから自己破産申立ての依頼を受けた。 (1)B弁護士が申立てに時間を要している間、Sの財産が散逸した。 (2)B弁護士がSから受領した弁護士費用が過大である。   [対内的な委任契約上の義務] ・債務者と弁護士との間で委任契約が締結されることにより、代理人となった当該弁護士が、債務者との関係で「合理的期間内に破産手続開始の申立てをする義務」「債務者が破 . . . 本文を読む
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破産手続の効力発生時期

2022-11-07 18:45:39 | 倒産法・債権管理
【例題】現在、甲地方裁判所では、GがSを相手取った金銭請求訴訟が係属している。 (1)Sについて破産手続が開始した。 (2)(1)の破産手続が終了した。   [破産手続の開始:決定時に効力発生] ・破産手続開始の申立てに対する裁判には裁判書の作成が要求される(破産規則19条1項)。破産手続開始の決定をする場合、決定書には「決定の年月日時」が記載される(破産規則19条2項)。□条 . . . 本文を読む
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破産債権の確定と配当

2022-07-10 11:23:24 | 倒産法・債権管理
[裁判所による債権調査期日等の定め] ・裁判所は、破産手続開始決定の同時処分として、債権届出期間(破産法31条1項1号)と債権調査期日(法文上は「破産債権の調査をするための期日」(破産法31条1項3号)、その実質は一般調査期日(破産法116条2項、31条1項3号))を定める。裁判所から破産債権者には、破産手続開始決定通知書(破産法32条3項1号)とともに、破産債権届出書の雛形が送付される。□講義 . . . 本文を読む
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主債務者の倒産と保証債務の消滅時効

2022-02-12 11:52:00 | 倒産法・債権管理
【例題】債権者Gは、個人事業者Sに対する500万円の貸金債権αを有しており、Sの親族Hが連帯保証をしている。その後、Hは遠方に転居してSとの交流はなくなった。 (1)Sが「夜逃げ」をして音信不通となり、αの返済が滞ってから相当期間が経過した。 (2)Sが自己破産をした。この時点でαの返済が滞ってから相当期間が経過している。   [結論] ・債 . . . 本文を読む
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古い金銭債権の請求を受けたら

2020-12-12 12:18:36 | 倒産法・債権管理
【例題】Sは、G金融会社から50万円の貸金返還を求められた。Sの記憶では、返済が滞ってから相当な期間が経っている。   [貸金債権やクレジット取引の消滅時効期間] ・ポイント(1):2020年3月31日以前に生じた金銭債権の消滅時効期間については、債権法改正前民法などの規律を受けるので(改正法附則10条4項等)、債権者や債務者の属性を細かく見る必要がある。なお、これら債権も、202 . . . 本文を読む
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差押禁止動産の範囲

2020-08-05 16:50:29 | 倒産法・債権管理
【例題】執行官Xは、債権者Gの申し立てた動産執行事件につき、債務者Sの自宅に臨場した。S方には、種々の動産がある。□平野229-32   [法定の差押禁止財産] ・民事執行法131条は、動産執行の対象とならない動産を列挙する。□提要160-8 ・当該動産が差押禁止動産に該当するか否かは、執行官が差押えの時点を基準として判断する。□提要168   [類型1:66万円ま . . . 本文を読む
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法人破産申立てにおける雇用関係の処理

2020-05-07 17:46:33 | 倒産法・債権管理
【例題】P社は、事業廃止と自己破産申立てを決定した。現在、P社には雇用中の従業員がいる。   [従業員の大まかな区分] ・いわゆる正社員は、雇用保険、健康保険・厚生年金保険のいずれにも加入していることが多いだろう(たぶん)。 ・これに対し、いわゆるパート社員は、雇用保険未加入者や3号被保険者の可能性があるので、要確認(たぶん)。   [雇用契約の処理] ・後日の疑 . . . 本文を読む
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請負人の破産

2018-11-07 23:49:41 | 倒産法・債権管理
【例題】Gは、工務店Sに対し、1000万円の建物建築を発注した。この工事の途中でSが破産し、破産管財人Kが選任された。現時点でGが払い込んだ前渡金は400万円である。 (1)Sによる工事の既履行部分(出来高)が700万円である場合。 (2)Sによる工事の既履行部分(出来高)が300万円である場合。   [破産法53条と請負契約] ・請負契約と破産法53条の適否は、請負人の仕事完 . . . 本文を読む
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居住用賃借物件と賃借人の破産

2018-09-12 11:44:17 | 倒産法・債権管理
【例題】Sは、Aから賃貸アパートの一室を賃借して居住している。Sは消費者金融G1・G2・G3からの借入れを繰り返してついに支払不能に陥り、弁護士Bに自己破産申立てを依頼した。BはG1・G2・G3に受任通知を発送した上で破産申立書を作成し、裁判所にSの自己破産を申し立てた。裁判所はこの申立てを認め、破産手続を開始するとともにその管財人にKを選任した。 (1)Sは、支払不能に陥った後に賃料を滞納した . . . 本文を読む
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破産手続における租税債権の処遇

2018-03-11 11:37:59 | 倒産法・債権管理
2022-06-03:自動車税の処理について追記。ただし、他の文献も見たい。 【例題】Sにつき平成28年10月15日に破産手続が開始した。Sは従前から不動産甲を所有する(賦課期日につき地方税法359条)。Sの住むM市の条例では4月、7月、12月、2月の各末日が固定資産税の具体的納期限とされている(地方税法362条1項本文)。現時点で、次の固定資産税が納付されていない。 (1)平成27年1月1日 . . . 本文を読む
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個人のライフライン契約と破産手続

2018-03-10 22:03:57 | 倒産法・債権管理
【例題】S(個人)は9月1日に自己破産を申し立て、10月1日に破産手続が開始した。Sと電気契約を締結する電力会社Eは、次の債権を有している。 (1)7月16日から8月15日までを請求期間とする未払電気代50,000円。 (2)8月16日から9月15日までを請求期間とする電気代30,000円。 (3)9月16日から10月15日までを請求期間とする電気代40,000円。   [前提 . . . 本文を読む
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破産手続が債権執行に与える影響

2018-02-21 20:38:48 | 倒産法・債権管理
2020-11-16追記(文献も差し替えた)。 【例題】Gは、Sに対する債務名義に基づき、SがTに対して有する給与債権を差し押さえた。その後、Sについて破産手続が開始した。 (1)管財事件の場合。 (2)同廃事件の場合。 (3)債権執行ではなく滞納処分の場合。   [管財事件の場合:開始決定による職権取消] ・破産手続開始決定により、破産財団に属する財産(本件では給与債権) . . . 本文を読む
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危機時期の遺産分割協議

2016-10-04 21:27:17 | 倒産法・債権管理
東京高判平成27・11・9金判1482号22頁。ちなみに左陪席は岡口さん。   [事案の概要] 昭和62年母B死亡。 平成21年7月8日父A死亡。 平成22年1月9日、長男Y、二男Z、その他の共同相続人が「本件遺産分割協議書」作成。約2億3700万円の遺産のうち、大半の約2億1,100万円はYが取得(土地の多くは被相続人Aが江戸時代からつづく庄屋の家柄「●●家」当主として承継し . . . 本文を読む
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