「幸福」なあり方

2023-01-04 15:13:09 | 哲学・論理学・心理学
森村進『幸福とは何か』(ちくまプリマー新書)[2018]は、「幸福(well-being)」をめぐる哲学学説を手際よく説明する。その前提として、pp17-21に「幸福」という用語法の説明がある。「what makes someone's life go best」との別称が示すように、「幸福=その人にとってそれ自体でよいものであり、その人生(生活)をよくするもの」と捉えるべきものである。 私見で . . . 本文を読む
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論証の作法

2021-02-28 23:13:18 | 哲学・論理学・心理学
[「論証」の意義] ・ある「主張」について、それが説得力を持つように「根拠」を提示する言語行為を「論証(argument)」と呼ぶ。論証とは、1つ以上の「根拠」から「主張(結論)」を導出する過程全体を指す。□戸田山教室38-42、野矢80-2 ・「論文(※)」は、3つの柱から構成される:□戸田山教室38-42、伊勢田25-6 (1)「問題提起」がある。 (2)提起された問題に対する明確な「 . . . 本文を読む
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公平を求める心

2020-01-01 23:22:07 | 哲学・論理学・心理学
【最後通牒ゲーム】X(あなた)に100円が与えられる。Xは、Yに対して任意のn円(0<n<100)を分け与えることを申し入れる。Yがこの申入れを承諾すれば、そのとおりに「Xが100-n円/Yがn円」を獲得する。反対にYがこの申入れを拒否すれば「Xが0円/Yが0円」となる。 【独裁者ゲーム】X(あなた)に100円が与えられる。Xは、Yに対して任意のn円(0<n<100)を分 . . . 本文を読む
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記憶の心理学(1)

2017-06-21 18:34:33 | 哲学・論理学・心理学
(1)/(2) 2023-01-28追記。   [記憶=「情報の記銘→保持→想起」] ・人が外部の刺激を受けると、その刺激がもつ情報を取り込み(記銘、符号化・エンコード)、取り込んだ情報を内部に貯蔵し(保持、ストレージ)、ある期間の後に外に表す(想起、検索・レトリーバル)。この一連の過程(またはその情報そのもの)を「記憶(memory)」という(※)。□三上2 . . . 本文を読む
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エラトステネスの篩

2016-11-27 20:11:47 | 哲学・論理学・心理学
【問題】1から100までの間にある素数をすべて求めよ。 【解答】「求める素数=全体から合成数を除いた残り」だから、順に合成数を除いていけばよい。具体的には次のステップとなる。 (1)1〜100の表から「1」を除く。 (2)もっとも小さい素数「2」を残し、「2自身より大きい2の倍数(=4,6,8,10,12...98,100)」をすべて除く。 (3)次に小さい素数「3」を残し、「3自身より大 . . . 本文を読む
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懐疑論にサヨナラ

2016-09-22 15:06:46 | 哲学・論理学・心理学
※2023-01-19追記(末尾)。 来週で35歳になる。2008年9月28日に書きかけていた記事をつづけてみる。 小学生の頃、仲のいい友達と一緒に下校していた。途中で「ばいばい」と別れ一人自宅へ向かう。その時、ふと疑問が湧いた。「どうして僕は僕の家に帰り、太郎君(仮名)は太郎君の家に帰るんだろう?」 目の前を通り過ぎる野良犬を見ているのが太郎ではなく克俊であることが不思議に思えた。自分が克 . . . 本文を読む
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排中律を認めるか

2016-07-16 02:16:59 | 哲学・論理学・心理学
2008年の記事を書いたものの実は理解していないことを弟弁に教えられて野矢本を読み直す。   【キーワード】実在論的(神の立場)/反実在論的(人間の立場)、真理/証明可能性   古典論理の意味論は「真理」を中心に作られており、「われわれの認識がどうであろうと、世界の在り方は(認識とは独立に)決まっている」との実在論的態度を取る。したがって、「Pの真偽が証明されていなくて . . . 本文を読む
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論理哲学論考を読むを読む(3)

2015-11-25 22:00:13 | 哲学・論理学・心理学
2015-11-25に追記。 <2•01231改※:対象を捉えるkennenために、偶々の外的性質や外的関係を捉える必要はない。しかし、その対象の本質ともいうべき「論理形式」を把握していなければ、その対象を探求することができない。> 現実から可能性へとジャンプする仕掛けは、眼前の事実を対象(個体、性質、関係)へと解体することにあった(復習)。今、「テーブルの上に赤いトマトがある」とわ . . . 本文を読む
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論理哲学論考を読むを読む(1〜2)

2015-11-14 01:28:46 | 哲学・論理学・心理学
野矢茂樹『ウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」を読む』[哲学書房2002、ちくま学芸文庫2006]。凡例;<1>はウィトそのまま、<1改>は野矢による改訂、<1※>は自分の通りがいいようにブログ主が直した。   <1※:現実世界は事実(=可能性ではなく実際に成立したことがら)の総体である。> 「現実性を受け持つ現実世界」に対して、現実世界までも含む「可能性を受け持つ論理空間」が対比 . . . 本文を読む
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外的世界の存在は証明できるか?

2015-08-29 03:16:44 | 哲学・論理学・心理学
自室で目の前にPCに向かってキーボードを叩いている。本心を見えば、視界に映るとおりの世界(PC、机、いす…)が『ほんとうに』実在することを確信している。自分が死んでも、その外的世界は変わらずありつづける、と信じている(色とか匂いとかの第二次性質の問題は置く。)。だけど、この確信が正しいことが証明できるのか? 外的世界など存在しないとの懐疑論者・独我論者を反駁できるのか? 書店に行く度 . . . 本文を読む
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愛着と親子関係

2015-06-17 23:26:05 | 哲学・論理学・心理学
1年ちょっと前、素人考えを書いた。はからずもそこで「愛着」と書いたが、乳幼児心理学の教科書を読んだのでメモ。   [桜井茂男編『はじめて学ぶ乳幼児の心理』37頁~[2006]より]   ・愛着attachment=人が特定の他者との間に築く緊密な情緒的結びつき。カモなどの雛が、最初に出会った対象にくっついていくという後追い行動。アカゲザルの子ザルが、ミルクをくれるが金網 . . . 本文を読む
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デカルトの呪い

2015-01-30 23:31:12 | 哲学・論理学・心理学
ラフスケッチ。    ウィトゲンシュタインではないけれど、「哲学」は病気のようだとつくづく思う。「哲学を勉強する」じゃなくて「哲学にかかる(罹患する)」と言いたくなる。いつからか覚えていないくらい前からずーっと、「目の前のモノは『ほんとうに』実在するのか??」という幼稚な悩みにとらわれている。デカルトが言う「コギトの実存」は納得した。でも、コギト以外のモノの実在は?  この . . . 本文を読む
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生まれか育ちか

2015-01-10 00:21:47 | 哲学・論理学・心理学
読書メモ、『心理学を変えた40の研究』。  研究:「別々の家庭で育てられた一卵性双生児(MZA)56組を、1週間かけて心理学・生理学テストにかける研究」(21頁~)。同じ家庭で育てられた一卵性双生児(MZT)と比較された。この記事も参照。  (1)MZAもMZTも、ある特性(脳波活動(0.80)、レーブン知能検査(0.78))ではかなり高い相関を示す。仮に環境要因が強いのな . . . 本文を読む
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懐疑論

2014-02-11 08:03:30 | 哲学・論理学・心理学
大昔のメモ書き。読み返してもよくわからないけど… 【論ずべき懐疑論とは】 1.極端な懐疑論は、自分の首を絞める。「みんな何も知らない」ならば、「私(∈みんな)は極端な懐疑論(∈何)が正しいかどうか知らない」となってしまう。 2.したがって、論じるべきは、「ほとんど何も知らない」という懐疑論である。 【議論1:培養層の中の脳】 P:わたしは座って本を読んでいる。 Q:わたしは培養層の脳ではない。 . . . 本文を読む
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他者からの承認

2014-02-10 14:14:56 | 哲学・論理学・心理学
娘が日々成長している。少しずつ会話ができるようになる。双方向のコミュニケーションは、互いの愛着を深めるようだ。 彼女たちを見ていると、人間は本来的に政治的存在なのだなと感じる。まだ2歳なので、お風呂、オムツといった世話が必要となる。彼女たちはママにやってほしいのだけど、ママとしてはパパにも分担してほしい。彼女たちはそれを察し、パパに育児されるのを受け入れる(たまにだけど)。そして「パパにオムツし . . . 本文を読む
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