いろんな小中学校に「弁護士によるいじめ予防出張授業」に呼んで頂き、以下の授業内容に収斂してきた。多少なりとも参考になればどうぞパクって下さい。
(0)自己紹介。アイスブレイクとして、「弁護士」と聞いて何を連想するかなどを聞く。
(1)「いじめ」の具体例を挙げてもらう。
(2)法律上の「いじめ」の定義を説明し、その外延に(1)が含まれることを説明。
(3)「ジャイアン対のび太 . . . 本文を読む
ある大学法学部で開講された演習(半期)を非常勤講師として担当した。「受講者は公務員試験受験を予定している学生が中心」とのことで、授業内容は講師に一任された。そこで公務員試験の問題集(憲法、行政法、民法)を購入し、自身が学部生だった頃も振り返りつつ、「法律3科目のうち行政法と民法を中心に扱う」「公務員試験の出題レベルを身に付ける」「出題頻度の高い分野を中心にする」との方針を決めた。
1 . . . 本文を読む
中学3年生の皆さん、模擬裁判お疲れ様でした。今回の事件では、AさんがVさんを殴ってケガをさせました。このAさんの行為は「傷害罪」という罪に当たります。ですが、Aさんの言い分は、「Vさんたちが Sさんをリンチしていたので、Sさんを助けるためにVさんを殴った」というものでした。
刑法には「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。」と書かれています( . . . 本文を読む
【事例】Xは、Yに100万円を貸し付けた。
(1-1)Xが特段の手当をしないと、どのようなリスクを負うか?
・Yが任意に弁済しない場合、Xは、Yへの貸金請求訴訟を起こし、勝訴(確定)判決を得た上で、Yの財産に強制執行する必要がある。この際、Xの他にも債権者がいれば、債権額に応じて差し押さえた財産から配当を受ける。■債権回収、責任財産、債権者平等の原則
・Yの資産状態が悪化して . . . 本文を読む
【事例】XとYは、Yの所持している腕時計甲を10万円で売買すると約束をした。
(1)XYは何をしているのか?
・ 法律の世界では、XY間の約束を「契約」と呼ぶ(今回は売買契約)。契約は、XY間に「権利」と「義務」を発生させる。Xから見れば、「Yに甲を引き渡すよう求めることができる」権利を持つことになるし、「Yに10万円を支払わなければならない」という義務を負うことにもなる。こ . . . 本文を読む
4年前にこう書いた。その後も、職場体験・模擬裁判・中学生向けの講演を複数回引き受けた(他には、いじめ予防出張授業を担当している)。
模擬裁判では、弁護士会が用意した台本を使い、裁判官(裁判員)・検察官・弁護人などと分かれて審理を進めてもらう。「審理→評議→判決→弁護士講師からのコメント」という流れだ。多くの学校ではこれらを1コマ(45〜50分)で実施する。審理だけで . . . 本文を読む
中学生に「弁護士になるのにどれくらい勉強しましたか?」と聞かれた。
学部時代はまともに実定法の勉強をしていない。カンブリであったLS入試の帰り道、不合格を覚悟して実家に電話しながら帰宅した。よくLSに受かったなと思う(内部生のゲタ?)。付け焼き刃の独学できたから基礎がなくてLSの講義には苦労したが、知識のない分、実定法の勉強が新鮮で面白かった。
2006年入学当時の京大LSは、自習室が8時から . . . 本文を読む
学校へ弁護士がおもむいて出張いじめ授業。導入としてロックの固有権を紹介し、人権思想につなげた。教員からは「いじめ授業は道徳なのに、社会科の話が多い」との感想。こどもに考えてもらうのに教科の分類は関係ないと思うが・・・。
— 横井 克俊 (@KatsutoshiYokoi) 2016年6月3日
「人権教育の指導方法等に関する調査研究会議」が平成20年3月に公表した . . . 本文を読む
法学部に入学したのは2001年だから、単純に通算すると法学に関わって15年になる。もっとも「まともに勉強しだした」といえるのは法科大学院入学以降だが(2006年)、それでも10年になる。不勉強さを痛感する日々だけど、法律学にうんざりしている若き法学徒のために、元落ちこぼれ学生からアドバイスを。
[民事法編]
・いわゆるリーガルマインド(thinking like a lawye . . . 本文を読む
当会では、弁護士を講師として小中学校に派遣し「いじめ予防出張授業」を実施している。その関係で、森田洋司『いじめとは何か』[2010]を読んだ。これは中公新書だが、各社の新書の充実ぶりは驚異(もちろん石も混じるが)。
◎いじめ集団の四層構造モデル pp128-142
・いじめは、「被害者」「加害者」「観衆」「傍観者」の四層の中で起きる。
・「観衆」は、自ら手を下さないものの、と . . . 本文を読む
中学3年生の皆さん、今日は、一生懸命に模擬裁判をやっていただきました。特に弁護人役の「異議!」はすばらしいタイミングでした。勉強になります。
さて、被告人を有罪と判断したグループには、懲役か罰金か、という具体的な刑罰の内容についても決めてもらいました。この刑罰というのは、人の自由を奪ったり極刑として命までも奪うものです。よくよく考えると、国家という存在はとても恐ろしい権限をもっているんですね。こ . . . 本文を読む
中学2年生のみなさん、こんにちは。みなさんは先ほど、裁判所で刑事裁判を傍聴してきたのですね。大の大人が手錠や腰縄をはめられて入廷する姿は、強烈だったと思います。国家は一人の人間の自由を奪うことが許されるのだ、ということの重大さ・怖さを感じましたでしょうか。
さて、みなさんが見た裁判ですが、裁判官が被告人の名前などを尋ねる、検察官が「起訴状」を読み上げる、というふうに進んでいましたね。それにつづき . . . 本文を読む
小学6年のみなさん、こんにちは。みなさんは「人権」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 「弁護士は人権を守るのが仕事だ」なんてかっこよく言うこともあるのですが、今日は「人権」についてお話しします。
英語では、人権のことをhuman rightsと言います。「人間の権利」ということですね。くどくいうと「人が人であることで、当然に認められる権利。お金持ちも悪い人も赤ちゃんもお年寄りも、この世に生 . . . 本文を読む
5.弁護士になるまで/なってから
法律、裁判、弁護士の仕事についてお話ししてきましたが、一つの参考として自分の話をします。
みなさんと同じ中学生の頃ですが、中日新聞の夕刊(毎週金曜日)に弁護士とか法律トラブルの漫画が載っていて、面白く読んでいたのを憶えています。何となく、弁護士ってかっこういいなとか、正義のために働く、とか思っていました。といっても、周りに弁護士の知り合いなんかいませんでしたし . . . 本文を読む
4.刑事事件と弁護士-なぜ「悪い人」を弁護するのか?
ここまでのお話を聞いて、弁護士の仕事ってイメージと違うなあと思ったかもしれません。みなさんの中には、例えば人を殺したりモノを盗んだりといった悪い人を守るのが弁護士の仕事か、と思っているかもしれません。刑事ドラマなんかで、弁護士が、悪い人からお金をたくさんもらって、ホントは有罪なのに無罪にしてしまう、なんてシーンを見たかもしれません。
弁護士 . . . 本文を読む