2019年12月23日に改定標準算定方式・算定表が公表された。《養育費と再婚》の実質的改訂版。
【例題】家康と築山は離婚したが、その婚姻中に出生した子である信康(現在16歳)がいる。家康は、築山との離婚後に御愛と再婚し、御愛の連れ子である秀忠(現在8歳)と養子縁組をした。築山は、家康に対し、信康の養育費を支払うよう請求した。家康の収入は年額600万円(→基礎収入246万円)、築山の収入 . . . 本文を読む
【例題】Cは、父山田X男と母川野Y女の子である。CはX男を筆頭者とする戸籍にあるが、X男とは長らく交流がない。Cは、実社会では「川野」を名乗っているため、戸籍上の氏が異なることへの不都合を感じている。→《離婚後の事務手続》
[「民法上の氏」と「呼称上の氏」]
・戸籍実務では「民法上の氏(法律上の氏)/呼称上の氏」を区別する。「民法上の氏」は「身分関係=戸籍」と連動し、 . . . 本文を読む
【例題】甲児童相談所長は、児童Cを一時保護した。
(case1)Cの父A(親権者)は、甲児童相談所長に対して児童記録の開示を求めている。
(case2)Cの祖母Z(非親権者)は、甲児童相談所長に対して児童記録の開示を求めている。
[地方公共団体への適用法令]
・従前は、地方公共団体の保有する個人情報の取扱いは、各自の「個人情報保護条例」で規律されていた。□自治体解説3
・ . . . 本文を読む
【例題】夫婦であるX男とY女との間には未成年の子Cがいる。XとYの夫婦関係は悪化し、YはCを連れて自宅を退去した。Xは、人身保護請求を利用してCの取り戻しを検討している。
→関連記事《父母間の子の奪い合い》
[実体的要件1:身体の自由の拘束]
・人身保護法2条1項は「身体の自由を拘束されている者」と表現し、人身保護規則3条は「拘束とは、逮捕、抑留、拘禁等身体の自由を . . . 本文を読む
【例題】X男とY女の夫婦の間には子がないため、XYは他人の子を引き取って養育したいと考えている。
[候補者の要件(1):養親候補者]
・夫婦共同縁組:配偶者のない者は養親となることができず(民法817条の3第1項)、夫婦が共同で養親とならなければならない(民法817条の3第2項本文)。
・25歳以上:養親候補者は、原則として25歳に達していることを要する(民法817条の4本文 . . . 本文を読む
【例題】現在15歳のC1、12歳のC2には、親権者である実母M、祖父G1、祖母G2がいる。
(1)祖父G1と祖母G2は、C1・C2との養子縁組を考えている。
(2)G1・G2とC1・C2との養子縁組が成立した後、G1、G2が相次いで死亡した。
[養子縁組の要件]
・養親側の主体の問題:養親となろうとする者に配偶者がいる場合は、「自分+配偶者」がともに養親となる必要がある(民 . . . 本文を読む
[入管行政の組織と根拠法令]→関連記事《中央省庁における「委員会」と「庁」》
・法務省:「日本人の出国及び帰国並びに外国人の入国及び出国の管理に関すること」等は法務省の所掌である(法務省設置法4条1項32号など)。実際の事務は、その外局である出入国在留管理庁がつかさどる(法務省設置法26条1項、法務省設置法29条1項、4条1項32号など)。
・外務省:入管行政と密接に関わる「査証に関 . . . 本文を読む
【例題】甲国籍のA男と乙国籍のB女は、2010年に丙国で婚姻した。両名の間には2011年に子Cが誕生し、ABCは2018年から日本へ移住した。その直後にABの仲が悪化し、2019年、Bは、Cを連れて乙国へ出国した。日本に残ったAは、Bとの離婚を考えている。※『国際私法CASE30』NO.16改変
→関連記事;日本人とフィリピン人が日本国内で婚姻する場合・離婚する場合、日本の裁判所はどの . . . 本文を読む
[法令における「保護者」の使用状況]
・e-Gov法令検索にて「保護者」という用語を検索すると、68件の法律がヒットする(2019-11-28時点)。
・法令によって「保護者」の定義は一定しないが、「少年法の定義」と「児童福祉法の定義」に大別されようか。□辞典1291参照
・当然ながら、「保護者」を用いる法令は、教育・医療・社会保険関係が多いか。
[少年法における「保護者」 . . . 本文を読む
[一時保護の実体的性格]
・児相実務(例えば「一時保護ガイドライン」p3-4)は、素朴に「一時保護=行政処分=審査請求の対象」とする。同旨として注釈206、マニュアル127、小池255
・もっとも、正確には「一時保護=講学上の即時強制・権力的事実行為(典型的実力行使)≠狭義の行政処分」であろう(事実行為性を明言するものとして、野呂560)。したがって、児相実務の理解は少々雑であり、「一時 . . . 本文を読む
【例題】未成年者Xの父はA(非親権者)、Xの母はB(親権者兼監護者)である。この度、Bが死亡した。
[単独親権者死亡の法的効果]
・Xの単独親権者Bが死亡した場合、Xには「親権を行う者がない」事態になるので、当然に未成年後見が開始する(民法838条1号)。
・最後の親権者Bは、原則として、遺言で未成年後見人を指定しておくことができる(民法839条1項)。もっとも、実際にどれほ . . . 本文を読む
2024-02-02追記。
【例題】児童相談所長は、未成年者Xを一時保護した。児童相談所長は次の行為を検討しているが、Xの親権者父Aと親権者母Bがこれに承諾しない。
(case1)風邪の治療のためXを内科に受診させること。
(case2)Xに予防接種を受けさせること。
[親権者の有無と児童相談所長の権限]
・親権者がいない場合:民法838条が後見開始の要件とする「親権を行 . . . 本文を読む
【例題】あなたの「身内」のうち民法上の親族は誰か。親族であることの法的効果は何か。
[区分A:血族と姻族]□窪田37-8、二宮42-4
・血族-自然血族;血縁関係にある者。自分から見た場合の祖父母、父母、兄弟姉妹、子など。民法は無定義で「血族(関係)」との用語を使う。
・血族-法定血族;養子と養親の関係にある者、養子と「養親の血族」の関係にある者(民法727条;「縁組成立前の . . . 本文を読む
【例題】X女(17歳)は、未婚のまま子Pを出産した。X女には実父Aと実母Bがいる。
[親権代行]
・Xが婚姻していれば成年擬制されるので(民法753条)、Xは子Pに対して自ら親権を行使できる。→関連記事「成年擬制と刑事被害」
・これに対し、Xが未婚であれば、いまだ親ABの親権に服する(民法818条1項)。この効果として、未成年親Xは親権行使能力を持たない(833条、 . . . 本文を読む
【例題】夫婦であるX男とY女との間には未成年の子Cがいる。XとYの夫婦関係は悪化し、YはCを連れて自宅を退去した。Xは、Yに対して、Cを引き渡すよう求めている。
[方法その1:監護者指定審判+子の引渡請求審判+審判前の保全処分]
(1)根拠条文
・民法766条2項・3項は「離婚後の子の監護に関する事項」について家裁に決定権限を付与する。
・他方、「離婚前の子の監護に関する事項」につい . . . 本文を読む