年次有給休暇の実務

2022-05-18 20:12:27 | 労働法・社会保険
[年休権の発生要件:継続勤務と出勤率] ・要件[1]:雇入れの日から6か月継続勤務したこと(労働基準法39条1項)。 →法定の基準日は「雇入れの日(入社日)」とされる。もっとも、労働者毎に入社日を管理するのは煩雑なので、例えば「基準日は4月1日とし、4月1日~9月30日までに入社した者は10月1日をもって6か月継続勤務とみなす」などと定めることは可能。□石嵜443 →「継 . . . 本文を読む
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労働時間の法的規制

2022-05-02 21:10:23 | 労働法・社会保険
[所定労働時間の定め方:1日8時間] ・労働基準法が上限とする法定労働時間は「休憩時間を除いて1日8時間」である(労基法32条2項)。法定労働時間は「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」と定義され、客観的に定まる(労働契約等の定めに影響されない)(最一判平成12年3月9日集民197号75頁[三菱重工業長崎造船所事件])。□石嵜305 ・使用者は、法定労働時間の範囲内で「就業規則におけ . . . 本文を読む
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「賃金」「給与」の性質

2020-04-25 17:47:44 | 労働法・社会保険
[労基法の「賃金」と所得税法の「給与」] ・労働基準法は、「賃金」を「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの」と定義する(労働基準法11条)。 ・所得税法は、「給与所得」を「俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与(以下この条において「給与等」という。)に係る所得」と定義するものの、「給与」の内容を示さない(所得税 . . . 本文を読む
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休職と社会保険・労働保険の処理

2019-12-12 17:26:43 | 労働法・社会保険
【例題】XはP社に雇用されている。Xは休日に交通事故に遭って2か月間の入院を要することになり、P社の就業規則にしたがい2か月間の休職となった。   [「休職」の意義] ・労働実務では、特別の理由で長時間労働義務が免除される期間を「休職」と称することが多い。これらは法定で義務づけられているものではなく、労使間で自由に設定される。□近藤59 ・各社の就業規則で広く採用されているものと . . . 本文を読む
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遺族年金

2018-07-30 18:05:00 | 労働法・社会保険
2022-08-12追記 【例題】Aが死亡した。Aには、妻X、子Yがいる。Xは遺族年金の請求を検討している。   [遺族年金の特徴] ・遺族給付は、被保険者等によって生計を維持された者の生活を保障するための給付である(最三平成12年11月14日民集54巻9号2683頁は、遺族厚生年金の逸失利益性を否定する文脈で「専ら受給権者自身の生計の維持を目的とした給付という性格を有する」と述 . . . 本文を読む
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賃金(給与)の労務税務の周辺※途中

2018-03-24 07:48:56 | 労働法・社会保険
【例題】P社はAを従業員として雇用するにあたり、その賃金形態を検討している。   [労働契約の本質的要素としての賃金] ・労働契約の本質は「労働者の労働提供」と「使用者の賃金支払」である(労働契約法6条)。ここで「賃金」とは、名称の如何を問わず労働の対価として支払われるすべての金銭的利益をいう(労働基準法11条)。 ・各種労働法制は、強行法規をもって賃金に規制を加えている;賃金支 . . . 本文を読む
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