百合子の本名は本間智子、後の陸軍中将で本間雅晴の妻であった。実父は田村恰与造中将、日露戦争の児玉源太郎の前の参謀次長であった。智子の上の姉は山梨半造に嫁した。山梨半造は後に1922年に軍縮を行い、陸軍内で恨まれた人である。
そうした陸軍一家の娘と、しかも人妻との逢瀬を楽しんでいる。時期が悪ければ姦通罪になってしまうが、荷風は女性に対する執着は欧米仕込みなのかもしれない。これは言い過ぎかな。
1918~21年、件の本間雅晴がロンドン駐在中(1918~1921)その妻智子(=百合子)に二人の子供と借金を残し、千田是也の弟の舞台装置家と駆け落ちしたそうである。以降、芸名は白鳩銀子と称した。
【以上、甲斐克彦『陸大物語』光人社からの引用した】
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