弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログ

弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログです。

高年齢者雇用確保措置を取らないとどうなりますか?

2013-04-27 | 日記
Q164 高年齢者雇用確保措置を取らないとどうなりますか?


 高年齢者雇用確保措置について定めている高年齢者雇用安定法9条には,これに違反した場合に定年の定めを無効とするなどの私法的効力はないと考えられています。
 したがって,高年齢者雇用安定法9条に違反して高年齢者雇用確保措置を取らなかった場合,定年退職した高年齢者は,事業主に対し,訴訟で65歳までの雇用確保を請求することはできないことになります。

 ただし,高年齢者雇用確保措置を取らないことは,高年齢者雇用安定法9条に違反しますから,厚生労働大臣から,公共職業安定所を通じて,必要な指導及び助言を受けたり,高年齢者雇用確保措置を講ずべきことを勧告されたりする可能性があるだけでなく,勧告を受けた者がこれに従わなかった場合はその旨を公表される可能性があります(高年齢者雇用安定法10条)。
 また,合同労組などの労働組合から団体交渉を申し入れられ,高年齢者雇用確保措置を講じるよう要求される可能性もあります。

 さらに言えば,高年齢者雇用確保措置を取らない会社は,コンプライアンスの意識が低い会社であると公言しているようなものですから,どうしても社会一般からの評価が低くなりがちです。
 結果として,優秀な人材が集まりにくくなるかもしれません。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
弁護士 藤田 進太郎
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 65歳までの雇用確保要求の根拠 | トップ | 高年齢者を雇い続けるだけの... »
最新の画像もっと見る

日記」カテゴリの最新記事