l'esquisse

アート鑑賞の感想を中心に、日々思ったことをつらつらと。

クリスマス・カード 2009

2009-12-18 | アートその他
イギリスから届いたクリスマス・カードを封筒から取り出した瞬間、うっほ~!と思った。



カードの表面に使われていた写真は、レオナルド・ダ・ヴィンチの『ウィトルウィウス的人体図』の彫刻作品。あのドローイングを立体作品にしようなどと考える人がいるのだ。いや、この広い世の中、案外いるのかもしれない。でも私は初めて観たし、写真といえどこれが突然出てきたらビックリしません?

制作者は、昨年も拙ブログでご紹介した私のイギリス人彫刻家の友人アニータ。今年のクリスマス・カードに使われたということは、彼女の最新作の一つなのだろう。カードを開けると、裏面に”three-dimensional realisation of Leonardo da Vinci’s drawing of “Vitruvian Man”(レオナルド・ダ・ヴィンチの『ウィトルウィウス的人体図』の三次元化作品)とだけある。

すぐさま手元の本を開いて、レオナルドのドローイングと見比べてみた。ドローイングの男性の顔はいかにもイタリア人と言う感じだが、アニータの作品はイギリス人男性っぽい。胸の辺りもちょっと違う。もしかして誰かモデルを使ったのかな?

でも、そうか足は確かに左に向いているんだなぁ、とか、指はこんな風になっているのか、などと、知った気になっていたこのドローイングの細部を初めてしみじみ観たような気がする。

それにしても寸法も書いてないし、素材もよくわからない。背景はどうなっているのだろう。パブリック・アートの注文制作だろうか。次から次へと聞きたい事が出てきて、ちょうど入れ違いに彼女にクリスマス・カードを送ったばかりだというのに、またすぐ手紙を書く破目になりそうだ。

ところで、今年のイギリスのクリスマス・カード用の切手はラファエル前派のステンドグラス・シリーズらしい。実際にイングランドの教会にあるステンド・グラスから選ばれたウィリアム・モリスヘンリー・ホリディの作品が使われていて、私が頂いた封筒に貼られていたのは1ポンド35ペンスの、ホリディの羊飼いの図。羊を抱く、バーン・ジョーンズを思わせる愁いのある美しき羊飼いの横顔が描かれている(ふと、自分が昔イングランドで羊飼いに間違えられたことを思い出したりして…)。

惜しむらくは、サイズが小さい。イギリス国内向けの切手は大判なのに、一番高価な海外向けの切手が通常サイズとはいかに、ロイヤル・メール!

これらの切手にご興味のある方は、こちらをどうぞ。全種類見られます。

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