続・弓道の極意

私が一生をかけて極めようとしている弓道について、日々の気づきを積み重ねていくブログ

力を掛け続ける技術①

2010年05月24日 | 積み重ね
弓道において意外に注目されない技術として「力を掛け続ける技術」がある。

これは合気道などでは、最も大事な技術として「合気」という名でその極意を伝えている。(とはいえ、近代合気でも「合気」そのものを技として教えることはほとんどなく、呼吸力という形で教えることの方が多い)

弓道では、一応、「息合い」という形で、同様のことを語っているようであるが、もう少し技術としてこれを深堀りしてみたい。

弓道教本第一巻には次のような記述がある。

<抜粋>
・息合いは基本動作(体配)を生かし、射法八節、とくに「会」.「離れ」における心の安定、気力の充実をもたらし、気合いの発動の原動力となるものである。
・静かな長い呼吸が、きわめて自然につづけられるように修練し、それがやがては無意識の中に肉体におぼえこませるように習得しなければならない。

大事なのは、「息合いは・・・とくに会、離れにおける心の安定、気力の充実をもたらし」という部分と、「静かな長い呼吸が、きわめて自然につづけられるように修練し」という部分である。

つまり、「静かな長い呼吸でもって、会および離れを安定させることができる」といっているのである。

これは技術として大変重要な記述である。なぜなら、我々が普段行っている呼吸は、せいぜい2~3秒のうちに行われる短い呼吸だからである。

では、なぜ長い呼吸が必要なのであろうか?

それは「長く力を掛け続けなければならないから」に他ならない。決して「長い呼吸」が目的なのではなく、「長く力を掛け続けること」が目的なのだ。

次回、長く力を掛け続けること、について具体的に説明する。