続・弓道の極意

私が一生をかけて極めようとしている弓道について、日々の気づきを積み重ねていくブログ

軽く感じる引き方を探すこと

2010年05月05日 | 積み重ね
昨日、友人が「弓を見てほしい」というので、稽古に付き合った。

友人は、まだ弓を始めたばかりで(とはいえ3年くらいになるが)、これまでほとんど運動もしたことのないきゃしゃな女性なので、10キロの弓をぎりぎり引いている感じだった。

ハタから見ても、ちょっと重過ぎるのではないか?と思うくらい一生懸命引いているので、「もう少しキロ数を落とした方がよいのでは?」と助言した。

すると、彼女は「そんなことない」と今度は軽々引いてしまった。

稽古の後、彼女にそのときの感覚を聞いてみると、「10キロが引けないと言われて、そんなわけないという気持ちで引いたら、軽く感じた」という。

おそらく、実際には10キロを引く力は十分にあるのだろう。ただ、それ以上に余計な力をあちこち使いすぎているため、自分自身で「弓が強い感覚」を作り上げてしまっている可能性が高い。

彼女は、実際に10キロの弓に「引けないくらいの強さ」を感じているに違いない。しかし、それは弓自身の力ではなく、自分自身の無駄な力によってガチガチに体が固まり、それを「弓が強い」と感じてしまっているのだ。

力を抜くことはサボることになるのでお勧めしないが、弓が軽く感じる引き方を探すことはとてもよい稽古になるのではないか。

そう助言をし、その日の稽古を終えた。