続・弓道の極意

私が一生をかけて極めようとしている弓道について、日々の気づきを積み重ねていくブログ

弓道の本質とは

2007年02月09日 | 極意探求
弓道の目指すべきゴールは一般に、技術的には「中・貫・久」(※1)であるし、精神的には「真・善・美」(※2)であるといわれる。では、そこに至るには何が必要なのだろうか?弓道の本質的な技術とは何であろうか?

「中・貫・久」を実現する最も本質的な技術。それは「会」(かい)である。あえて「会」と一言でいってしまうが、ここでいう「会」は極限までに引き絞られた深い会のことである。そして、「会」(深い会)を実現するのが「詰合い」(つめあい)である。

「詰合い」を意識せずに、手の内(てのうち)やら、大三(だいさん)の形やら、口割り(くちわり)やら、に気を使っても、それは枝葉の議論というより他にない。

むしろ、手の内も、大三も、そして口割りも、すべて「詰合い」の結果生じる自然な姿であって、それを作為的に成したところで意味はないのである。すべてが「詰合い」ながら会に入れば、そのとき会は自然に最も深い会、すなわち「会」になるのだ。

「会」から生じる自然の離れは美しい。静寂の中にあって、放たれる矢はこの上なく鋭く、力強く的を射抜く。それは射手(いて)だけでなく、それを見る者をも魅了する射である。それはまさに大自然に出会ったときに感じる感動と同じものである。

このような射を目指し、我々は稽古に励むべきであろう。



※1:ちゅう・かん・きゅう=中りが的確で、貫徹力があり、それが長く続くこと
※2:しん・ぜん・び=真の心、善い行い、美しさ=大自然そのもの