やおよろずの神々の棲む国でⅡ

〝世界に貢献する誇りある日本″の実現を願いつつ、生きること、ことば、子育て、政治・経済などについて考えつづけます。

賢い子育て2~2つの中学校の違いはなぜだろうか?~

2010年06月20日 | ~h27 教育/小学校

 きょうは父の日で、唐津市では「教育の日」と決めて、市内の50ほどの小中学校が「学校公開」をしている。晴れて?一般市民となったので、唐津市中心部のA中学校と、郊外(旧郡部)のB小、B中学校の3校の《子どもたちと、参観者(ほとんど保護者)のようす見させてもらいました。唐津市民として、また、唐津市の子どもたちに直接かかわってきた教員OBとして、ここ4,5年間の予想どおりの(残念な)変化に無関心ではいられないからです。

■中学生のようす・・・全学級を見ました。 ※「目が虚ろ」など、観察の一部は「主観的印象」でしか判断できないのでご留意を。

 A中:学年・学級によって違いますが、残念ながら、子どもたちの10~50%ほどが《学習意欲がみられない顔と態度》に見えました。

  ◆「学習意欲がみられない顔と態度」=話している教師以外の何かを見ている/話している教師を見ているようにみえるが目が虚ろだったり、あくびをしている/隣どうし私語している/机に顔を伏せて寝ている(ように見える) など。

 B中:居眠りは一人もいなくて、全校生徒(200人ほど)のうち数人があくびをしていました。どの学級でもほとんどの子どもたちが真剣に学習しているように見えました。

■参観者のようす・・・どちらの中学校でも、教室や廊下での、参観者の気になるおしゃべりの声は聞こえませんでした。(一般的に、小学校では中学校の数倍の参観者がいることが多いが、10数年ほど前から、とてもおしゃべりの声が気になるようになった。) 生徒数は3分の1ほどなのに、B中のほうが少し参観者が多かったようです。


■2校の中学生の違いはなぜだろう? 

※ 私は34年間で小学校11校(佐賀市1、小城市1、唐津市9)で勤め、中学校にはいなかったので「確信」は持てませんが、経験上の「推測」をします。

1.地域(校区)の人々のつながり方の違い

 
地域の人々のつながりが濃いほど、その地域の小中学校生の心が安定しており、問題行動は少ない》という傾向が強い。 市中心部のA中校区よりも、郊外(田舎)のB中校区の方が地域の人々のつながり方がかなり濃い。

 ◆「地域の人々のつながりが濃い」=授業参観・学級懇談会やPTA(育友会)行事・活動への参加率が高い。地域の行事などへの住民の参加率が高い。保護者どうしがよく知りあっている。学校で何か(良いことでも悪いことでも)あったら、保護者どうしでよく知らせ合う。事件や子どもの問題行動がおきたら、関係する親どうしが知らせ合って、自分たちでく解決しようと努力することが多い。人々がお互いに信頼し協力的で、お互いがいがみあったり非難・攻撃したりすることはほとんどない。などなど・・・

 ※学力に関しては、地域のつながりが直接関係しているとは考えにくいのですが、《子どもたちの心が不安定だと、学習意欲や「結果としての学力=成績」も低くなる傾向が強い》のは確か。したがって、《地域の人々のつながり方は、間接的に学力に影響を及ぼしている》とは言えると思います。


2.市内で初の「中学受験」による影響の違い


 佐賀県立唐津東中学校(中高一貫)が開校したのが5年前の平成18年4月。県教育委員会が言っていることはまだしも、したこと(=たった4校しか《すばらしい教育効果のある中高一貫校》を作らない》は、明らかな《エリート養成》の手段。「義務教育」なのに、一部の中学生しか恩恵を受けない格差中学校政策を県政が推進したということです。(今からでも遅くないから、長期計画で《すべての中学校を中高一貫教育にする》という方針に変えるよう進言したい。)
 その事態にたいして、危機感を感じる人は、市立小中学生の動揺や学習意欲の低下、中学生(校)差別などを予測していたのですが、市(教委)は、市郡大合併(h17.1.1)前後でもあり、残念ながら公的・組織的対応(=すべての小・中学校での新しい進路指導など)ができなかったと思います。(もしかすると一部の学校では市教委の指示により対応したのかもしれませんが、当時、建設中の東中の近くの市立小学校の校長であった筆者は聞いたことがありませんでした。) 
 一方、市の校長会では話題にはしましたが、権限はないので、市教委への進言(注意喚起)をしました。また、各校長がそれぞれの判断で何らかの対応を始めましたが、《権威と権限のある県や市(教委)による組織的取り組み》でないと効果が薄かったと思います。(私自身は、職員会議で議題(問題提起と指示)にし、また、6年生に直接「進路・進学指導」の授業をしました。)

 やはり、《受験生が多い=落ちた子が多い》中学校ほど、(今のところ)マイナスの影響をうけているのではないでしょうか?。《問題行動の増加》と、《結果としての学力(=成績)低下》がおきているのではないかと心配していますがどうなのでしょう。


■小中学生のお母さん・お父さん・祖父母の皆様へ・・・都会化するほど親どうしのつながりが薄れ、学校とのつながりも薄れているようです。しかし、現代はすでに《学校の力だけで子どもたちを健やかに育てることは無理》な時代です。
 一昔前までは、家庭や地域でたくさんあった人どうしの温かいつながりが子どもたちを《善き日本人》として育てていたので、学校ではほぼ《勉強させる》だけで済んでいました。しかし、今や小学校のみならず中学校でも、「人の話を聴くときは、その人(の目や顔)を見ましょう」とか「夜更かしはやめよう」「朝ごはんを毎日食べよう」とか「チャイムが鳴ったら席につこう」とか、しょっちゅう指導しなければいけなくなっています(指導してもできない子もいる)。
 もう、《日本人も、学校も変わってしまった》のです。 ですから、

○ 無理してでも、嫌でも、学校へ出かけて、学校と協力して我が子を一人前に育てましょう!

○ 子どもとともに、人間はなんのために生きているのか、自分はなにをしたいのか、語り合いましょう!

■先生方へ
○ 10~15歳の子どもたちが強い劣等感や孤立感、差別観を持つことなく、社会性豊かな人間になるように力を尽くしましょう!
 



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 親を待つ燕のひなたち…なんと力強いまなざし 2010.6.20撮影