やおよろずの神々の棲む国でⅡ

〝世界に貢献する誇りある日本″の実現を願いつつ、生きること、ことば、子育て、政治・経済などについて考えつづけます。

【米国】 帝国解体への10カ条 ~「帝国解体」という本から観るアメリカの良心 (2) ~

2012年07月02日 | ~h27 政治経済

~日本の重要なパートナー(それとも宗主国?)である米国をより深く理解するために、《良心的学者の米国人が、米国についてどう思っているのか》勉強することにしました。Chalmers Johnson:著「帝国解体」(訳者:雨宮和子/岩波書店2012.1.27第1刷)から抜粋・引用していきます。※抜粋・引用は青字で、そのなかの太字赤字は私の強調

14「帝国解体」2009.7.30 <p196~212> その1

 この14番目の論文は、本の最後に置かれているもの、つまり、もっとも重要な論文で、その題が本の題にもなっています。
 勉強の手順・・・まずこの最終論文のそのまた最後に書かれている「帝国解体への10カ条」から入り、その後本の頭にもどって、序章:自滅への選択肢 ~ 第1部:過去の行い ~ 第2部:スパイとならず者と傭兵たち ~ 第3部:基地の世界 ~第4部:ペンタゴン、破壊への道 ~ 第5部:解体事始め の順に読み解いていく予定です。 


●帝国解体への10カ条 <p209~212> 1/2

1.米軍基地が地球上で犯してきた深刻な環境破壊をやめ、環境汚染の責任から逃れようとする地位協定を結ぶこともやめること。
 

※けっこうびっくりしました、十カ条の最初に「環境汚染」とは…。この数十年間で1,2度日本の米軍基地の環境汚染問題についての新聞記事を読んだ記憶はありますが、(世界中の米軍基地による)環境破壊・汚染が「深刻」とは思っていなかったので…。私が知らなかった(報されていなかった?)だけなのでしょうか?

2.基地帝国と、基地に付随する「機会費用」の重荷に終止符を打つこと。
 「機会費用」とは経済学で、われわれの技能と資本でやれるけれどもやらない、あるいはやるつもりのないことを、やったと仮定して算出する価値を指す。

※正直言って、「米軍基地の機会費用の重荷」とはなんのことかほとんど分かりません。もしかして、《尖閣諸島をめぐる米中の戦闘》のようなこと…?

3.拷問を止めること。
 1960年代と70年代に、アメリカはブラジルとチリの、選挙で選ばれた政府を転覆させ、拷問を使う政権を支持したが、それはイラクとアフガニスタンでの囚人の取り扱いを予感させるようなものだった(たとえば、アメリカがブラジルとウルグアイにどのように拷問の方法を広めたかについて、A・J・ランガス著の「隠された恐怖(訳者仮題):Hidden Terrors
」を参照するといい)。帝国の解体は海外で拷問を使うアメリカ近代の記録に終止符を打つことになるだろう。

4.世界中の軍事居留地についてまわる非戦闘従事者、扶養家族、国防総省の文民職員、ペテン師など -またそれに伴う高額な医療設備、居住施設、プール、クラブ、ゴルフコース、等々 -の、どんどん長く伸びていく行列を削減すること。

※そう言えば、沖縄の米軍人はそうとう贅沢な暮しをしているようですね。(「思いやり予算」を負担する日本以外の基地では)その費用は確か全部がアメリカ政府(国民)の負担なので大変でしょうね。

5.軍事組織は雇用や科学研究や国防の面で、われわれにとって重要だ、という軍産複合体が進める神話を崩すこと。
 吹聴されてきたこれらの利点は、まじめな経済研究によって、その信ぴょう性はとっくにくつがえされている。帝国を終結することは、この神話の信憑性をくつがえすことになる。

※確かに、日本でもけっこうそのように「吹聴」・宣伝されてきました。アメリカでは「軍産複合体関係者」が最大の政治・経済力を持っているということなのですね。
 かつては「ソ連」が、今では「テロリスト」・「中共」・「ロシア(※多大な核兵器所有)」などの脅威が、アメリカ軍産複合体の存在理由になっていると思います。
 ということは、複合体は常に「敵」がいないと力を維持・誇示できないということであり、それはけっこう世界中の人々にとっては危ないことなのかもしれません。
 もちろん、最近は、東部アジアの人々にとっての最大の脅威は、《遅れてきた帝国主義者:中国共産党とその所有する「人民解放軍」》であることはまちがいないのですが…

~次回、10カ条の後半~

参考になりましたらクリックをお願いします! 読んでくださる方の存在が励みです。※コピー、リンクはご自由にどうぞ。