航空機内でマスク着用を拒否し、臨時着陸したニュース。
釧路空港離陸前にマスク未着用の男性客に客室乗務員が着用を求めたところ、「どういう規則ですか?書類を出すべきでしょう」と拒み、座席の移動を促しても応じず、周りの乗客が移動した。濃霧の影響も重なり43分遅れで出発したが、離陸後もマスク着用を巡って他の客と言い争っており、機長は男性の行為が航空法73条の「機内の秩序を乱す安全阻害行為」にあたると判断し、新潟空港に臨時着陸して警告書を出して降りるように促し男性は従った。国内の航空会社19社でつくる定期航空協会でのコロナ対策ガイドラインでは「機内のマスク着用は要請」の為、搭乗拒否は出来ないが海外では着用を義務付ける例もある・・・とのこと。
今回のニュースを新聞とテレビで確認したが、テレビでは「濃霧の影響も重なり」が、新聞では「(男性は)健康上の理由で着用出来なかった」との説明が省かれていたが、テレビニュースのインタビューでは男性客が「自分の症状をカミングアウトしないといけない状況・社会になってしまうのは非常によくない」と答えていた。そして新聞記事では大学院の社会心理学の教授が「・・・マスクを着用しない人を一方的に否定したり、頑なに着用を拒否したりするのではなく、お互いに歩み寄って落としどころを見つけることが、コロナ渦の生活でトラブルを回避することにつながる」との意見で締めくくられていた。
男性の意見ももっともらしく聞こえるが、このような状況でマスク未着用だと法的とか義務ではなく一般的な常識やマナーとしてどうなるのかぐらいは分かるもので、どうしても着用出来ないのであれば、事前に航空会社に確認すべきだろうし、カミングアウトしたくないのであれば、他の交通機関で移動すべきである。そこには「俺は乗客だ」の姿勢が見え隠れする。
また教授の意見は最近よくある「寄り添う」的な非現実的の何の解決にもならないただの理想論で、世の中そんなに人に構っていられない。以前騒音問題の時にも書いたように「ルールを守らない人に寄り添う」なんて馬鹿げてる。結果的に「寄り添わなかった」おかげで、2時間16分遅れて目的地の関西空港へ到着したそうだが、密な機内では長時間搭乗したくなかった乗客にとってたった一人の「平等」「権利」の主張のおかげで甚だ迷惑であったことだろう。機内で他の乗客が言い争った気持ちはよく分かる。
さらに今回警察への通報の有無や遅延に伴う男性への損害賠償請求について「答えられない」と航空会社広報のコメントにも様々な配慮が見え隠れする。駅での飛び込み自殺やいじめ加害者への賠償請求額を公表すべきだと思っている私からすると、これじゃまた起こるぜって感じである。