先日観た番組で爆笑問題・太田光の妻でタイタン代表取締役社長の太田光代氏の話がなかなか興味深かった。
最近のお笑いについて辛口な人よりも良い人が求められる傾向があると話し、「(お笑いをする人は)いい人なんですよ、絶対に。人を笑わせて自分が楽しいと思う人はすごく平和主義者だと思ってます。なんですけど、(世間的にお笑いをする人が)良い人じゃないとダメって言われたら、現在の状況で売れる人を探すのどうやったらいいと思います? 私がおもしろいと思っていたものが今はもう悪みたいになっちゃってて」と話していた。番組内では外見を誹謗するような言葉の使用が難しく「髪が薄い」と言わざるを得ない現状についても、本人もそれを承知の上で武器にしている訳で、直接的な表現自体が規制されることについても嘆いていた。
表現への過剰反応は勢いを増しており、当たり障りのない表現が必要・・・というよりも無難である。批判をかいくぐるような表現がどのように出来るかが腕の見せ所とも言えるのだが、無難ばかりだと以前も書いたようにさらなる過剰反応が進むだろうし、何よりも味気ない。実社会にはたくさんの当たり障りが存在するが、実際に「出会ったときに」対応出来るのだろうか?とつい余計な心配をしてしまう。幼い頃、教育上よろしくないとされた番組は正直なところとても面白かったし、真似したものだったが、今はただただ窮屈でしかない。
ちなみに放映数日前に大学の講座で、牛丼チェーンの常務が若年女性向けマーケティングについて「生娘をシャブ漬け戦略」と表し、「田舎から出てきた右も左も分からない若い女の子を無垢、生娘な内に牛丼中毒にする。男に高い飯を奢って貰えるようになれば、絶対に食べない」という旨の内容の講演を展開し解任されたが、これはまた別次元の話である。