「北の国から 2002遺言」を観た。
放送時間が前後編合計で5時間以上だったので、休日の度に少しずつ観ていたのだが、「さぁ~観よう」って感じの明るいストーリーではないので、元気と時間のある時に必死に消化した。
蛍役の中嶋朋子の実子が息子役で出演したり、純役の吉岡秀隆と恋人・結役の内田有紀は共演をきっかけに2002年12月結婚したり、公私混同も併せて楽しめるシリーズ最終章である。
純の恋人である小沼シュウ役の宮沢りえとは序盤であっさりと別れてしまうのだが、別れなんてそんなもんだろうなんて思いつつ、「いつも逃げていた自分」を改めようと純が奮闘する姿が微笑ましい。二十~三十代の頃は誰もが多かれ少なかれ「逃げてしまうこと」があるものだ。それに気付いて、何とかしようとしているだけ純は偉い。気付いていない人たちの方が圧倒的に多い世の中なのだから・・・。
ドラマの中で「手間返し」と言う言葉が出てくる。手間返しとは・・・お互い人手を貸しあう。日当、そういうことはしちゃいけない、働いてくれた分は働いて返すと言うもので、漁村では「もやい」、内地では「結」という。何だかいい風習である。
今回、通称トドの唐十郎とその息子役の岸谷五朗が男の中の男っ~って感じで、圧倒的な存在感である。特に岸谷五朗の「目」がとてもいい。よくよく見ると瞬きをほとんどしていないのだが、途中の「ある瞬間」から瞬きが多くなる。
これで北の国からは終了である。連続ドラマからスペシャル版として年々話題も視聴率も高くなり、国民的ドラマとしての地位を確立して行ったのだが、初期から観ていた者からするとスケールが大きくなればなるほど・・・と言う面も少しだけ否めない。それは宿命なんだろう。ちなみに現在だったら絶対「劇場版」が作られるだろう。