山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

夏みかんマーマレード

2013-07-25 | たべもの・台所


今年は去年よりもマーマレード造りが1カ月以上遅れてしまった。
つくり始めたのが7月に入ってから。そしてまだ半分ぐらい夏みかんが残っている。
この夏みかんは、渥美の親戚が送ってくれたもので、あちらではたいていの家の庭に夏みかんの木があり、冬には大きなオレンジ色の玉がごろごろと実り、
また、ごろごろと樹下に落ちていたりする。

この夏みかんは、昔の夏みかんほどすっぱくもないのだけど、親戚の叔母さんは、甘夏ではないという。
甘夏は後年できた品種であって、この夏みかんは、その地に昔からある在来種、「地のみかん」だというのだ。
冬でも食べられるけど、採っておいておくと5、6月にはもっとおいしくなると言われる。
こういう柑橘の日持ちのよさは格別で、3月にもらったものを冷蔵庫にも入れずに物置に置いておいたけれど
6月でもまだ平気なのだった。
さすがに最近は暑いので、腐るというよりはしなびてくるものがあって、
残っているものは冷蔵庫に入れている。

そういえば、最近は夏みかんなんてお店にも売っていない。
若い子は知らないんじゃないか。甘夏だってあやしい。


やっと始めたマーマレード造りも、今年はどうもうまくいかない。
色が濃くなってしまうのだ。
明るいオレンジ色に仕上がらない。
去年は100%うまくいっていたのに。
残りのみかんで、もう少しがんばってみたい。

すでに大なべで3回つくったのである。
1回にみかん約2kg。
これは丸のままの重さなので、内袋やあまりよくないところを取り除くと実際には1.5~1.8kgぐらいだろう。
これに砂糖を500g弱。
水は入れずに煮て、180g瓶が13できる。

3回つくったってことは、39できていることになる。いやはや。
さらにあと2回分はあるから、65できることになる。ははははは……。
きれいな色で上手にできていればどんどん人にあげるのだけど、
現段階であまりあげたいものはない。
よほど親しい友人や親せきに、ごめんねごめんね、と言いながら渡すぐらいだ。
甘さ控えめだから、1年あれば自分で結構食べられるだろう。
180g瓶なんて、3回ぐらいで食べ切ってしまえるのだから。

最近気づいたのは、朝の寝起きのぼんやりしているとき、マーマレードを食べるとシャキッと目が覚めて体が生き返ったようになることだ。
オレンジの香りは、交感神経と副交感神経を切り替える……どっちからどっちへだったか忘れたけど、要は、目覚めさせる。それは知っていたけど
香りだけじゃなくて味もだった。

マーマレードをつくるとき、苦味をなくすために、皮を何度も水にさらしたり、一度ゆでこぼして水を替えて煮るという人がいるけど、
苦くないマーマレードなんておいしくないと私は思う。
ただ甘いだけのマーマレードなんて。
去年、途中で1度水を替えてさらしたら、苦味がほとんど抜けたけど、
全く面白くない味になってしまった。
それ以来、水は替えず数時間からせいぜい1晩置くだけにした。

けれどこの苦味がくせもので、駄洒落みたいだけど、食べ出したらやめられないような、くせになってしまうのだ。
マーマレードへの依存性は苦味によって高くなる……。

で、体をしゃきっとさせるのは、この苦み成分のような気がしないでもない。
気がするだけで、本当のところは全然不明。

苦くないとおいしくないってのは、きゃら蕗も同じ。水にさらしすぎると面白くなくなる。蕗の薹だって苦くなきゃ誰も食べないかもしれない。
苦味ってつくづく、おいしさの一要素なんだと思う。


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