山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

磯の草 まつな

2010-06-21 | 植物利用
先日愛知県渥美半島の親戚のうちから、どどーんとアサリと夏みかんを送ってくれた。
夏みかんはそこの庭に生えているもので、毎年鈴なりに実をつける。渥美半島の家にはたいてい夏みかんの木があって、根元にぼたぼた落ちている。
放置してあるものなので、もちろん無農薬だから、マーマレードを作りたいと思って、「ほしい」とお願いしておいたのです。

アサリを即、酒蒸しにして、てんこもり食べた。めっちゃくっちゃおいしいのです。プリプリしています。こんなおいしいものが、スーパーの窓口で買うと、まったくおいしくなくなってしまう。鮮度の問題と、管理の問題か。
砂だしの処理なんかまったくせずに食べられます。
だから私はスーパーでは決してアサリを買いません。

で、その箱の中に一緒に、得体の知れない草が入っておりまして(写真)。
電話があり、磯の岩の上の、潮がかかるようなところに生えているマツナというものだそうな。松菜ですね。
で、アサリをゆでた汁で松菜をゆでて、酢味噌で和えて食べなさいと。
「洗っちゃいかんだでね」とも言われた。

それではアサリをゆでた汁がもったいないではないですか、と思いつつも、
断固として2度繰り返し言われたので、ゆでた汁を最小限松菜のために残し、
投入しましたら
見事に鮮やかな緑色に茹で上がったのでした。

酢味噌で和える前に味見してみようと恐る恐る(なんせ知らない食べ物なので)食べてみたら
でたらめにおいしいです!
草自体に塩分があるようで、アサリのゆで汁より塩味が濃くなっていて、
味付けはまったく不要でした。
そのままついつい全部食べてしまいました。

なんでもその地域特産でほかにはめったにないものだとか。
一見普通の草かと思ったら海草のようでした。

潮をいっぱい吸ってミネラルたっぷりだと思います。
体に大事なのはミネラルです。

梅雨

2010-06-20 | めぐる季節と自然
梅雨って英語にするとただのRainy Season?
プラム レイン シーズンとかにならない?

いつもの梅雨はたいてい、6月中は晴ればかりで
7月に入ってからぼちぼち降り出し、中下旬頃に大雨になる。
まるで納期まぎわまで放っておかれた仕事みたいに
梅雨明け前にあわてて降り出す。

なのに今年の梅雨は気合はいってますねえ。
前のめりな仕事ぶり。
いきなり毎日梅雨の末期のような降り方です。
雷まで鳴ったりして。

これをベートーベンの第9にたとえますと
第1、第2、第3楽章がなくて、第4楽章もソロのところはなくて
いきなり合唱が始まってる感じです。

でも雨っていうのはどんどん生産されるところがすごい。
降っても降ってもなくならないことになっています。


夏なのか、夏じゃないのかよくわからない宙ぶらりんな季節。
四季の中に梅雨を加えて五季にしたほうがよいかもしれない。


写真は東山植物園のブーゲンビレア。おしろいばな科。

カンクン(空心菜)の成長

2010-06-15 | 山里
空心菜の種を入手して育てています。
東南アジアではとてもよく使われている野菜らしい。
少なくともインドネシアでは常食されていた。
田んぼに生えている。というか田んぼの横に空心菜の田んぼがあって、水の中で盛大に生えています。
カンクンと呼ばれていました。
空心菜(くうしんさい)というよりはるかに言いやすいので、私もカンクンと呼んでいます。
菅君? ちがう!

毎日ぐんぐん伸びます。1日2センチぐらい伸びてる感じがする。
早く食べたいけれど(実際もう食べても差し支えない)、我慢していたら、先に虫が食べていた。けしからんと思います。

右側の白い鉢は、底をふさいで水が抜けないようにして、田んぼ的状況になっています。
左側の茶色の鉢は、普通に底が抜けています。
田んぼ的状況のほうが、はるかに成長がよく、どんどん差をつけています。
あくまでも、今のところです。
真夏になったらどうなるのか、よく分かりません。

カンクンは、ヒルガオの仲間です。
インドネシアでは赤紫色の丸い花をたくさん咲かせていました。

ザクロが咲いていました

2010-06-14 | 植物
梅雨入り初日から、とても梅雨らしい日です。
朝も夜も雨で、ひんやりしてます。

郵便局に行く途中、早くもザクロの花が咲いていました。
オレンジ色の花は、実はちょっと避け気味なんですが
よく見るときれいです。
子どもの頃、上質の「ちり紙」(死語?)で作ったような
こういう透き通ったふわっとした花びらの花って
好きです。

ザクロのつぼみ

2010-06-14 | 植物
ザクロの花の隣には、つぼみがあります。
ベリッ
と音がするかどうか知りませんが、割れ目ができています。
でも花とは似ても似つかないつぼみ。

ザクロの花 横から見る

2010-06-14 | 植物
ザクロの花を横から見たら
つぼみの見た目の部分は、花びらの入れ物なのでした。
中に花びらがどんなふうにしまってあったのでしょう。
これで花が終わると、この「がく」的な部分が、
あのザクロの実の堅い皮に成長するのかしら。

藪原宿の消防団

2010-06-14 | 山里
長野県木祖村、藪原宿で。

藪原宿では、お六櫛が有名ですが、ねずこの下駄もかつては特産品で、宿場の中に何軒も作っているうちがありました。よくそこで火事があったそうです。

昔はみんな木造で、障子があって、ろうそくや油の灯火なんか灯しているものだから、
当然のことながら火事は簡単に起こります。それで江戸の火消しなんか有名なわけですが、
藪原宿には、防火壁ならぬ石垣があって、記念の看板が立っていました。
で、その横に、消防団の詰所がありました。

なるほど……。


消防団機動隊って書いてある。
気合入ってますね。

木祖村で売られている野菜の種

2010-06-13 | 山里
長野県木祖村に行って来ました。標高900mの高地。中山道の鳥居峠があるところです。鳥居峠といえば中山道随一の難所とうたわれたところです。

野菜の種は当然のことながら地域によって売られているものが若干違います。
木祖村では、ニチノウという聞いたことのないメーカーのと、タキイの種でした。
まあ、本来なら自家採取種を使っているのが望ましいかもしれませんが、それでは種をこうして観察することもできません。

野沢菜のお漬物は特産品です。よって、野沢菜の種が2種類。飛騨紅かぶと、木曽紫かぶというのがあります。今まで白くないのは赤カブぐらいにしか認識してなかったけど、たしかに木曽の道の駅で売っているのは紫色です。
「からいね」っていうのは辛味大根。「辛い根」なのか?
飯田とか伊那でも特産です。

ビートもあります。
これらはみんなニチノウです。どうやらニチノウさんは信州の種屋さん? ちゃんと見てくればよかった。

ゾウコンニャクの新芽の展開

2010-06-13 | 植物
ゾウコンニャク(ショクダイコンニャクかも)の新葉。これで大きな1枚の葉だと思いますが、その切れ込みの1枚1枚がそれぞれロール状に巻かれて芽の中にしまわれていたのです。
植物の葉や花びらが芽の中でどういうふうにしまわれていたかを観察するのは面白いものです。
ジャバラ状になっているものとか、放射状になっているものとか。

ゾウコンニャクの花

2010-06-11 | 植物
昨日の続きです。
6月9日のゾウコンニャク(ショクダイコンニャクかも)。

先月たけのこだったのは、葉になったのでしょうか(左手前)、花になったのでしょうか(中央の上)。

意外にはなやかなヒメスイバの花

2010-06-10 | 植物
ヒメスイバ。牧場でよく見かける。
いつも、実が赤くなってから気づく。
あたり一面きれいな赤色になる。

でもこんな花のときもよく見るときれい。
この写真では色がうまく出なかったけれど、白っぽいところは、本当はもう少し黄色い。濃いクリーム色。


こういう花を愛でる人は少ないのでしょうね。きれいなのに。


画用紙を渡されて「何か思いつく花の絵を描いて下さい」と言われたとき、
この花を描く人は全人口の何パーセントいるだろうか。
0.000000……%?
せいぜいこの草の研究者ぐらい? そういう人がいればだけど。
あるいはどこかの国の国花になっていたりする?

あたい かわいい畑

2010-06-09 | 山里
郵便局の近くに、花がたくさん咲いているかわいい畑のある家がある。
家の周りにつくっている家庭用の野菜畑を沖縄では「あたい」というそうである。
これは結城登美雄さんに教えてもらった。
沖縄の人たちがとても大切にしているものらしい。

沖縄だけでなく、山里の人はみんな大事にしている。
私は、家の周りのよく手入れされた畑を見ると、そこのうちの人の幸せさが見えてくるような気がしている。

きれいな畑を見ると、こちらまでうれしくなる。


こういう「あたい」では、ジャガイモばかり全部植えてあったり、ってことではなくて、何もかもがちょこっとずつ植えてある。当然だけど。
「農業」をやっている畑とは全く違う。

すべてのものが畳2、3畳分ずつぐらい。
ちまちまと、いろいろな種類のものが植えてある様子というのは、同じものが一面にあるのとは違う、かわいらしい美しさがある。


で、あちこちの空き地に、色とりどりの花が、これまた、あまり計画性なく植えてある。あっちに矢車草、こっちにひなげし、そこらへんに石竹。

それがなぜか、カンペキに設計されたイングリッシュガーデンとか、ボーダー花壇とか(いっしょか?)、そういったものとは全く違う美しさをかもしだしているのである。

こぼれ種で生えてきたらしき百日草なんかが、小さな芽を出して夏を待ち構えていたりする。


野菜のうねが決してそんなに高くはなくて、そのちまちまさから、きっとおばあちゃんが手入れしているんだろう、と思う。
で、ほぼ間違いなくそうである。


おばあちゃんのあたいをのぞくのが楽しい。
特にこの写真の家が気に入っていて、郵便局に行くたびに、用もなくのぞきこんで、写真をとってしまう。

わたしもこの庭のおばあちゃんになりたいけど。