山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

梅とたわむれる

2020-05-10 | たべもの・台所

昨年はうちの地方は梅が不作で、うちの梅もバケツ2杯にも満たないほどしか採れなかった。今年はかなりなっている。あまりなってほしくない。昨年ぐらいでちょうどいい。そんなになってくれても食べきれないからだ。

山間地の先輩女性たちは「全部採らなくていいんだよぉ、そのままほっときゃあ」と言われるのだけど、採らないと悪いことをしているような気持ちになる。したがって、1か月後に訪れるその時期を思うと憂鬱である。せいぜい作業しやすいように木の下の草を刈ったり要らない枝を落としておきたいものだ。しかしそれも、思うだけで結局その日を迎えてしまいそうな悪い予感がする。

今日は雨で庭の草など取れないので(やった!うれしい)、この機会に思い切って、前に漬けた梅酒と梅ジュースの梅を引き上げたのだった。もう、どれだけ食べても食べても、梅は切れることなくある。そして、なんと梅酒が2瓶、だめになっていた。意外なことに梅ジュースの方は大丈夫である。梅酒は砂糖が少し控えめだったからか。焼酎よりも砂糖の方が保存には役立つということなのか。どっちにしても梅酒はそんなに飲めるものではない。このところ寝る前に大匙2杯ぐらい飲んでいるのだけど、それ以上は無理である。

梅ジュースの梅は引き上げてそのまま食べればいい。隣の奥さんなど、ジュースより梅を食べるのが目的で砂糖漬けにするそうである。しかし、梅酒の梅はやっかいで、そのまま食べてもおいしくない。梅のエキスが抜けきっていて味もそっけもない。梅ジャムにしてもあんまりいい味にはならないし、何より種がはずれにくくてめんどくさい。梅ジャムを作るならやはり、梅酒のだしがらじゃない新鮮な梅で作った方がおいしい。

それでも、だしがらになった梅でもまんまるくて、捨てるにはなんとなくしのびないので、いつも悩んでしまう。そこで思いついたのが、梅酒の梅の砂糖漬け。まあ、2番だしというのか、2番せんじというのか。梅酒から取り出した梅を瓶に入れて適当に砂糖をかけて3、4日おいておくと、梅シロップができて、梅もおいしく食べられる。ジャムにしてもおいしくない梅だったはずなのに、このやり方だと意外においしい。もちろんアルコールが入っているので夜のデザートである。

こうして食べるべき梅は本当にありすぎるので、仕方ないので冷凍庫に入れられたりする。梅酒も梅ジュースも保存食のはずが、冷蔵庫や冷凍庫を利用するというのは、本当に堕落している。そして梅は一年中切れることがなくて、もしかして一生切れることがないのかもしれないと思う。

 

*写真/スイバ 2020年5月上旬

 

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