山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

速報 フモトミズナラになった‘モンゴリナラ’

2007-06-25 | 植物
長い間「仮称モンゴリナラ」として人を悩ませてきた東海丘陵要素の植物、仮称モンゴリナラに名前がついた。分類学者の大場秀章さんが2006年に書籍に「フモトミズナラ」と記載し、これにて一件落着した模様。『里山の生態学』でモンゴリナラのことをいろいろ書かれている名大の広木詔三先生が「大場さんがそう書かれたなら今後そう呼ばねばならない」として先日からフモトミズナラと呼び始めたのだから間違いない。
フモトミズナラ……、ぴったりの名前だが、思い出すまでにかなり時間がかかる。
ちなみに広木先生はトウカイナラがよかったなーといわれています。

山里の青い風に吹かれて、ハチクの御飯

2007-06-22 | 山里
昨年からかかわっている愛知県の足助というところに打ち合わせに行きました。
打ち合わせといっても、会議室でやるのではなく、古い民家の門で。
昔の大きな家の門なので、門の中に部屋があります。1階と2階があって、今日は1階の方。その「小部屋」の2方の壁は、石積みです。
開け放した暗い木の戸の向こうに、まぶしい緑が見えています。

流しがあって、蛇口をひねると、山水がざんざん出てきます。

お昼になったので、家主のオザワさんが、飯ごうで御飯を炊き始めました。
飯ごうだからたき火?と思ったらガスでした(文句言わない!)。
ハチクのたけのこを、ザクザクザクっと斜め薄切りにして、おしょうゆをどくどく入れて、お米を入れて、いきなり炊いちゃいました。
話を詰めているうちに、あっという間に炊けてしまい。

おいしかった! 少しだけ焦げたところがあって。
おかずは大根と厚揚げの煮物と、ナスの玉子とじでした。これは奥様が作った残りものに違いない。

そういえば昨年は、うちの事務所でオザワさんと、道端でとったハチクでフライパンですき焼きみたいなことをして食べました。それもものすごくおいしかった。オザワさんは野趣あふれるカンタン山里料理がほんと上手です。

今日はオザワさんはお箸で食べてました。いつも手で食べています。

それにしても、日本の古い家は、家の中が家の外と連続的で、空気の動く中に暮らすことができて、いい感じです。南の島の家はみんなこんなふうです。
家の中にいても外にいるようです。


ハチクの筍の季節もそろそろ終わります。ハチクはおいしい。モウソウよりも。アク抜きしなくても食べられるので便利です。子どもの頃、ハチクの時期には毎日ハチクのお味噌汁でした。家の横の道端で母がポキリと折ってくるのです。だからうちの横の竹やぶは拡大しないですんでいたのです。
今の私は車でばかり移動しているので、ハチクを見つけてもなかなか採ることがありません。
もっとみんな歩いて、道端に放置されている食べ物をもっと食べるべきです。

ドクガとムカデ

2007-06-19 | めぐる季節と自然

庭の草をとっていたら、ドクガにやられた。左手の二の腕がまっかっか。
水で洗い流したが、時すでに遅しだった。
そのときのTシャツを布団の上に置いてしまったので、あわてて布団をはたこうとして窓を開けたら、敷居の上からムカデが落ちてきた。
恐怖におののいてベッドの上に飛び乗り震えることしばし。
泣きっ面にムカデ、災難が続いて、山里に暮らすのは怖いと友人にぼやくと
山里文化研究所の称号を取り上げるといわれた。
ついでに森林インストラクターの称号も取り上げてくれるよう頼んだ。

じんましん状の腫れはすぐひいたので大したことはないと思っていたが、
ネットでいろいろ見てみると、必ず病院に行くようにと、ほとんどのサイトに書いてあった。仕方なく医者に行ったら、たいしたことはないようだったが、
「今年は多いのよね」とのこと。

ドクガの毒毛は何をやっても毒が抜けないらしい。恐ろしいものが世の中にはあるものだ。ドクガを食べる天敵もきっといるはずなのだが、どうなっているのだろう。顔を見てみたいものだ。その天敵がドクガを減らしてくれているともいえるが、その天敵がドクガを生かしているとも考えられる。つまり、その天敵の存在のためにドクガが存在するということである。

自然の中では生と死は同時に同じところに存在する。生の瞬間が死の瞬間であり、生が死を意味する。

そしてすべてのものには終わりがあり、終わりは始まりなのである。

ということを今日モギケンがブログに書いていた。
ニワケンもいいけどモギケンもいい。

早くも夏至になります

2007-06-18 | 山里
気づいたら、あと3日で夏至です。その後だんだん日が短くなる。
だから夏至はとっても淋しくなる日です。

夏至が終わったころハルゼミがないて、やがてヒグラシが鳴き始めます。

今夜もまたカエルが頑張っています。毎日ごくろうさまです。

坂折棚田で地域を学ぶ講座

2007-06-17 | 山里
15日から、恵那の坂折棚田で夕立山森林塾の講座を行いました。
http://blog.goo.ne.jp/yuudatiyama/d/20070617

昨日は交流会でずいぶん盛り上がったせいか、頭痛がひどいのです。
明日からもあまりゆっくりもしていられません。

今晩もカエルが一生懸命鳴いています。ごくろうさまです。

自分で植えたイネです

2007-06-17 | 植物

 

5月26日に坂折棚田に田植えをしました。友人と3人で。苗を1本だけで植えたところと、3本ぐらい植えたところがあります。写真の、真ん中へんの2列は1本植えしたものです。大分ぶんけつして、周りの3本植えのところに追いつく勢いです。1本植えだと雑草がたくさん生えるといわれましたが、今のところそれほど差があるとも思えません。これからどうなるか楽しみです。今日見たらそれなりに雑草が生えてきていました。おたまじゃくしがいました。品種はミネアサヒです。


田んぼが鏡に見えなくなりました

2007-06-17 | 山里

 

本日の坂折棚田です。イネが大分育っています。

昨晩はゲンジボタルが乱舞していました。上から見下ろすとそれはそれは美しく、うっとりするような余韻でした。ホタルの光があんなに大きく明るいとは知りませんでした。


梅雨入り

2007-06-15 | 山里

カエルが鳴いている。なぜか物悲しく鳴いている。梅雨に入ったというのに。
梅雨に入って私はうれしい。しっとりして、いい感じ。

ここに来て、久しぶりに忙しい。いや、いつもヒマなわけではないが、去年や一昨年のことを思うと相当ヒマな毎日が続いていた。

明日から3日間、坂折棚田づけになる。参加者の皆さんに充実して楽しくためになる時間をすごしてもらうため努力すればするほど、裏方はツカレルものらしい(しかも空腹)。そういう疲れはきっと必要なものなのである。

街の植物観察

2007-06-14 | 植物
本日(昨日)は月に1度の「街の植物」の講座でした。
本当に面白く楽しい講座なのです。先月から緑いっぱいの公園でやっています。昨年度は名古屋栄のオアシスなどでやっていた。
今日はベテラン組とビギナー組に分かれて行いました。講師の私は当然ビギナー組に入り、花の咲いている草を丁寧に見て行きました。

スズメノカタビラ まずはルーペで観察。雄しべやめしべの花糸を見て、小穂、のぎ、えい、葉舌、葉鞘などの言葉を解説しながら、図鑑の読み込み。
ツメクサ 雌しべの柱頭の5裂の可愛いことといったら! その造形の愛らしさに感動しました。
トキワハゼ よくみるといろいろなところに不思議な形の毛が生えていて、きれいです。
シロツメクサ 雄しべは花びらの奥にきっちり隠れています。
タンポポ 舌状花は5枚の花びらがくっついたもの。ちゃんと花びらの先が5裂しています。雌しべの柱頭のくるりんとしたカールに愛嬌があります。熟した果実にはとげ状のものがたくさんあって、綿毛で風に飛ぶだけでなく、何かにくっつくしくみも持っていることが分かります。ちなみにこの種はアリがよく、よっこらしょ、と運んでいます。

ベテラン組が同定に困ったネズミムギ、ホソムギも図鑑の読み込みで解決。ホソムギの方がずっと小型だということが分かりました。
同様に困っていたシマスズメノヒエは、実が毛に覆われていたり、先がとがっていたりする様子をばっちり観察し納得しました。雌しべの花糸は黒紫色でよく目立ちます。

ルーペから広がる植物の世界は、本当に感動に満ちています。

自然観察行など

2007-06-10 | なんとなく報告
5月の後半から何かとざわついて忙しく難しい毎日でしたが、少し落ち着きそうです。元に戻って安定した仕事生活に戻らねば。
とはいうものの、私の仕事なんぞ、遊びみたいなものです。
遊びだと思えば忙しいのも何のストレスもないわけで。

明日から月に一度で考えている恵那山麓の観察会をする運びになった。ここ2~3年構想していたけどできなかったこと。今の時期はきっとタチカメバソウやコケイランやツツジが咲いていることだろう。昔恵那山にちょくちょく行っていた頃は、樹木を全く知らなかった。

法面に樹木の植栽を行いました

2007-06-10 | 植物

本日、というかもはや日付が変わったので昨日、工場法面に「自然配植」という方法で緑化を行いました。ボランティアによる植樹祭です。一日雨が降る予定が、イベントの5時間の間だけ止んでいて、嘘みたいに幸運なお天気でした。金曜日から、絶対雨だと覚悟していたのですが。

難しい現場の植栽ですが、今後丁寧にフォローして何とかやっていくということでしょう。

私はまだ一人前ではないのでこれからも修業が続きますが、少し分かってきて、楽しみです。木が大きくなって花を咲かせたり枝を伸ばしたりしている様子を想像しているのは至福の時間です。


6月は雨の月

2007-06-02 | 山里

ついこの間までサクラだのシデコブシだのを追いかけていたと思ったら、もうあと半月もすれば梅雨に入る。そうすれば私の好きなヒグラシも鳴きだすだろう。九州では今日大雨だとか。

よくよく思い出してみれば、カザグルマやら、ヒトツバタゴやらも追いかけてみたりしていた。

今、山は緑に覆われ、コナラとアベマキが白い葉裏を返している。ホオノキの花が真っ盛りから終わりかけ。ことしは朴の花が目立つ。よく咲いている。

つまり、緑と白の季節。こんな色はかんかん照りよりも曇りや雨がよく似合う。田んぼでは魚たちが産卵し、カエルが鳴いている。雨の日はいい。気持ちが休まる。6月は潤いと命の季節。