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山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

スギッパ

2009-09-06 | 植物利用
山形県金山町の産直の店で見つけた杉の下駄。
その名も「スギッパ」。
グッドネーミング大賞をあげたい!

手づくりのお茶

2009-08-04 | 植物利用
6月の山里ふぁんくらぶで作ったお茶は、普通のお茶とは似ても似つかない感じのもの。お茶の芽自体がかなり大きくなっていて、芽というよりは立派な葉だった。本当の針のような芽だけ摘んで作れば簡単にうまくできたのだけど、茶畑の持ち主が、「こういう葉でもできる! 昔はこういうのを飲んでいた。自家用にはこれで十分だ!」と断言されたので、まあそういうやり方もあるのかもしれないとやってみたわけである。

結果、むしろの上で、揉めども揉めども葉が丸まらず、それでも揉み続けるので、むしろの表面からわらくずがどんどん取れ出してお茶に混じってしまった。
よって、葉を丸めるのはあきらめたわけである。

2、3週間後に最後の仕上げの乾燥を行って、カリカリ状態にして、丸い缶の中に保管してある。缶は丸いことがミソ。四角い缶だと湿りやすい。

こういうお茶はさぞかしおいしくなさそうなのだけど、ところがどっこい、かなりおいしく飲める。青臭さもそんなにない。
そりゃあ、買ってくるいいお茶には劣る(少なくとも気分的に劣る)けど。

何となく荒っぽいお茶なので、おなべでたくさん作り冷やして飲んでいる。熱いお湯の中に茶葉を放つと、パッと広がって、もとの大きさのお茶っ葉になる。つまり、でっかい。すごい大きさ。ワイルド!


冷やして飲むお茶に、緑茶は向かない。飲んでみると、確かに、冷やすには麦茶とかウーロン茶の方がいい。でも、こんな大きな葉のお茶を急須に入れるのもはばかれるので、仕方ないということで。

ヤシ砂糖

2009-04-07 | 植物利用
前の記事の彼らは、ヤシ砂糖の商人。
商人というと、金持ちみたいだが、まだ商売を始めたばかりで、ギリギリのところで頑張っている。薄利だという。
聞けば、1日13時間ぐらいは働いている。
インドネシア人はヒマでゆったりしている、と思っていたので、すごく驚いた。
夕方、車で1時間以上離れた海辺の村にヤシ砂糖を仕入れに行き、夜帰ってきてからそれを袋詰めする。11時頃寝て、朝の3時から市場に売りに行き、昼に帰ってくる。
この袋に入った砂糖は5キロで、たしか、生産農家からの仕入れが80000ルピア(700円ぐらい)。
家々を回って、この大きさの袋詰めを仕入れ、次々にトラックに積んでいく。

仕入れは毎日行くわけではない。でも競争で、直前に違うバイヤーが来ていると、せっかく村に行っても手に入らず無駄足となる。
ヤシ砂糖を仕入れ、売るという仕事はやはり重労働のようで、腰を痛めて寝ていることもあると聞いた。

でも彼らはいつも楽しそうである。
そして、いつも、ビジネスをどう成功させようか、考えている。



ちなみに、このヤシ砂糖の味は、なぜか「みたらし」の味。
塩を入れているとは聞いていないけれど、塩気があって、焦げた味と香りがする。
そのまま割って食べるとおいしい。
ジャワ人は、砂糖は、さとうきびの砂糖も最近はあるけれど、基本的には今もヤシ砂糖。ジャワティーにも入っている。

植物から作る生薬ジャムーと酵素ジュース

2009-03-27 | 植物利用
ジャムー イコール媚薬、と、日本では思われている(と思う)。
ジャワ島ではジャムーは植物から作る生薬のジュースで、いろいろな効能のものが作られている。
夫婦円満のためにジャワ島ではみんなジャムーを飲んでいるんだ、と教えられたけど、それ以外に、風邪をひいたらそれ用のジャムーを飲んだりと、ジャワ島では普通に健康飲料として毎日のように飲まれている。

写真は、家々をたずね歩いてジャムーを売るおばさん。
体の不調を訴えると、その人に合ったのを選んでくれる。

日本で読んだ何かによれば、インドネシアのジャムーはもともと各家庭で作られていて、作り方は母から娘へと伝えられていくという。

大きな市場にも、写真のようなジャムー売りのおばさんがいて、市場のお店の人達がかわるがわる訪れて立ち飲みしていた。
その様子は、一昔前のオロナミンCとかリゲインのCMを思い出させた。
それ以外に、ジャムー屋さんがあり、そこでは粉末?なのか、パックに入って水に溶かして飲むタイプのがたくさん売られていた。

ジャムーはまずいと聞いていたので、見るだけにしていたが、飲んでみろ、としきりにすすめられ、おばさんが売っているジャムージュースを一口飲んでみたら、
酵素ジュースの味にそっくりだった。

これは酵素ジュースに違いないと確信した。
風邪のとき、大根にはちみつをかけてしみ出てくるジュースを飲むのも酵素ジュースの一種。
まさしく、体をよくするもの。

作り方は刻んだ野菜や果物と砂糖を同量にして、
野菜果物 砂糖 野菜果物 砂糖 野菜果物 砂糖……
と重ねて桶の中に漬けていく。
翌日から、それを手で混ぜる。
途中で酵素の素を混ぜる(このタイミングはよく覚えていないけど、薬局で買った「バイエム酵素」というのを使った)。
10日ぐらいで、完全に汁が出てくるので、ざるでこして、ジュースのところを水で薄めて飲む。

これが体に大変いい(らしい)。
ちょっとくせがあるので、しょうがとかレモンを加える。

ジャムーはなつかしい味だった。
そのうちまた、酵素ジュースつくってみよう。


で、今日のオチは、花粉症に効くジャムーがほしいということでした。
当面、祝島のびわの葉茶でがんばってみます。

※注)ジャムー イコール 酵素ジュース かどうかは知りません。

カレーの素

2009-02-13 | 植物利用
「カレー粉」というものはもともとなくて、いろいろなスパイスを混ぜ合わせたものをそう呼んでいるということは噂には聞いていた。

生姜、胡椒、八角、コリアンダー、ナツメグ、唐辛子、にんにく、ターメリック、という暑い国にありそうな香辛料で、野菜のごった煮に味をつけて食べてみた。ふと気づくと、それはまさにカレーそのものだった。
これらは全部、インドネシアにあったもの(とはいっても、今回使ったのは大部分、行く前から買ってあった大手メーカーのスパイスを消化したのだけど)。
クローブ入れるの忘れた。

ナツメグやクローブやシナモンが熱帯のものとは全然知らなかった。タイムやセージと同様、西洋料理に使うという認識だったから、そっち方面に生えているのかと思っていた。
考えてみれば、タイムやセージはシソ科のハーブだけど、ナツメグやクローブは全然違う姿をしている。

八角はシキミの仲間だから、きっと同じようなクリーム色のきれいな花を咲かせるんだと思うけど、日本の木というイメージを持っているので、それがインドネシアに咲いているところを見てみたい。

写真は、ジャワ島の市場の香辛料屋さん。この市場には香辛料やアロマオイルや植物から作るあやしい健康飲料(ジャムーのことです)のお店が結集していた。

環境意識とインドネシアと日本 その1

2009-01-15 | 植物利用
私の住む中津川市や隣の恵那市では、スーパーのレジ袋が有料化され(1枚5円)、買い物袋持参があっという間に定着した。
かくいう私は大人になる前(20年以上前!)からスーパーに袋を持参していたので影響はあまりないが、みんなが袋を持っている様子を見ていると、あたかもずっと昔からそうであったかのようで、何の違和感もないことに驚く。
たった5円であっても、こんなにも世の中を大きく動かすことができることにも驚く。

私がレジ袋をもらわないようにしていた理由は以下のとおりである。
①資源の無駄遣いである
②レジ袋はかっこ悪い(美しくない)し、音もうるさい
③レジ袋をもらうと、レジ袋を始末するという手間が発生するのがいやだし時間と場所の無駄が生じる(レジ袋を片付けたり捨てたり……ゴミも増える)

しかしながら、インドネシアでは、買い物をするたびに黒いペラペラのビニール袋に入れてもらえる(もちろん極力もらわないようにするが)。その袋は非常に弱くちょっと重いものを入れたり引っ張ったりするとすぐ破れてしまい再利用できない場合も多い。
そして、彼らは、その袋を、要らなくなると、ポイっと、道端であろうと川であろうと海であろうと山であろうと、捨ててしまう。

一方で、インドネシアではまだまだ「葉で包む」ことが実践されている。
写真は、小さな屋台のテイクアウト・ランチ。ご飯とおかずをバナナの葉で包んで、竹を細く割った串で端を止めるてある。このときのおかずは、厚揚げの煮物とおでんのゆで卵みたいなもの。
バナナの葉は本当によく使われている。

日本でも昔はビニールなどなかったから、朴葉や竹の皮や経木(マツの薄い板)なんかで包んでいた。風呂敷というゆかしきものもあった。
その後、レジ袋時代を経て、袋持参時代になり、少し昔に戻っているともいえる。
環境意識も文化も、どんどん進むとくるっと回ってもとの位置に戻るような気がする。そうしてビニールを使っているインドネシアの方が、今は前のほうに取り残され、遠いところを歩いている。一方葉で包んでいるインドネシアは、昔のままであるのに、日本がこれから目指す先にある。
日本でも再び葉で包むようになることを私は夢見ている。

タナトラジャ トンコナン倉彫刻足場 Tana Toraja 

2008-11-06 | 植物利用
こちらは、タナ・トラジャ地方の伝統的建築様式(トンコナン)の倉です。
倉の下に採れたばかりの稲束があります。

新しい倉に伝統的彫刻を施すために、足場が組まれています。
トンコナンは倉だけでなく人の住む家の様式でもあり、これを建築するときの足場の形はこのように決まっています。

じっくり見て分かったことですが、この足場は、まず地面ではしご状に組み立てられ、それを下から長い竹でよっこいしょとつっかえをして出来上がります。

タナ・トラジャのトンコナン集落は、ちょうど白川郷合掌集落みたいなイメージで点在しているのですが、今なお建てられ続けています。
日本のかやぶきの家と同様、この家を建てたり維持管理したりするには、普通の家よりもはるかにお金がかかるそうです。

タナトラジャ 足場竹に乗って建築 Tana Toraja

2008-11-06 | 植物利用
昨日の記事の続きです。
スラウェシ島タナ・トラジャのランテパオという街で、建築中の建物。
竹の足場に平気で乗って工事してます。
竹がずり落ちたりしないのは当たり前みたいですがスゴイことではないですか。
建物の中も、竹がたくさん組まれています。

タナ・トラジャ 足場竹・足場丸太 Tana Toraja

2008-11-05 | 植物利用
スラウェシ島・タナトラジャでは、建築の足場に、竹を使います。
これらの太い竹の結束も、竹を裂いたひもで行います。
このようにすべりやすいものを、人が数人乗っても落っこちないように結束する、タナ・トラジャの竹結束術はすごいものです。
「それは重さがかかると締まっていく縛り方だな」と、坂折棚田の直さんがつぶやいていました。さすが100%山里人は言うことが違います。

日本では建築の足場には、昔は足場丸太といって、細い間伐材を使っていました。
ちょうどこの竹と同じぐらいの太さだと思います。
今は鉄?のパイプを使っているので、間伐材が必要なくなり、その結果間伐材は売れないので間伐されなくなったり、切り捨てになったりしています。
今、原油の高騰で鉄の値段が猛烈に上がっているとのことですから、また小径木の間伐材が必要になるのかもしれません。

なお、この写真の家が傾いているのは、建て方が悪いわけではありません。
どうも2005年当たりから写真が右肩下がりになってしまい……。

ガマズミ酒用の実を採取

2008-10-02 | 植物利用
前から気になっていたガマズミの実をスタッフと一緒に採取しました。
事務所の近くの坂道にちょこちょこあります。
日当たりのいいところのは完熟してやわらかくなっていましたが、自宅の近くの少し日当たりの悪いところのはまだ固く、その代わりきれいな色をしています。
これは鳥によく食べられているようで、実がまばらです。

ガマズミはスイカズラ科で、この仲間のオオカメノキはとてもきれいです。
スタッフのショーコさんは、前に水木沢で見たオオカメノキをよく覚えていて、「似ている……」と。もの覚えがいいです!

同じ仲間のカンボクはさらに花があでやかですが、有毒です。