2013年10月27日(日) 晴れ
中川橋→三ノ瀬→七ツ石尾根→牛王院平→山ノ神土→西御殿岩→唐松尾山→笠取山→馬止→中島川橋→中川橋
今週末は台風の影響で土曜日は雨だった。翌日の日曜日には秋晴れになるということで紅葉狩りを目的に奥秩父の山へ出掛けることにした。マイカーで山歩きに出掛けるのは約3ヵ月半ぶりのことである。その訳は尾骨を骨折してしまい、椅子に座ると患部が圧迫されて痛みを発したからだ。今ではだいぶ良くなってきて、痛み出したらちょっと尻をモジモジさせれば多少の長距離運転も大丈夫なまでに回復した。健康であることのありがたみを噛みしめているしだいである。奥秩父は年に必ず1度は訪れてみたい場所だ。登山者も少なく、静かに山歩きを楽しめ、南アや富士山が望めるのでお気に入りのひとつである。特に和名倉を眺めると、これといった特徴のある山容ではないが何故か心が落ち着く。あのドカッとした山の姿は縦走路から外れ、存在感のある山だと感じている。また、初冠雪の便りもあちらこちらから届く時季になった。季節は確実に進んでいる。紅葉した写真を拝見すれば焦る気持ちは隠せない。早くこの目で見たい。早く紅葉狩りに行きたい。そんな心待ちにしていた休日の秋晴れの日がやってきた。そして、あれこれ考えたが、やはり行きつけの三ノ瀬へ車を走らせることにした。車は下山口に比較的近い場所の中川橋近くの広場へ駐車させた。将監峠入口へ向かう途中、1台のマイクロバスが上がって来た。山梨ナンバーだったが登山者だと思える人がたくさん乗っていた。乗車している方から軽く会釈されたのでそう考えた。そして、どんな秋に出合えるのか、ワクワクしながら山へ入る。
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<七ツ石尾根の紅葉>
林道沿いを含め、三ノ瀬あたりは紅葉の見頃を向えていた。朝日が差し込め、色づいた葉っぱが見事なほどにまぶしい。思わず「すごい~」の、独り言が出てしまうほどだ。今まで秋らしい秋に出合えなかったが、これで一気に秋に包まれてしまった感じだ。足が思う様に運ばない。見惚れてしまい、夢中でシャッターを切った。歩いては立ち止まり、また歩いては立ち止まる。そんな調子でのろのろ歩きがず~っと続く。
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<光り輝く秋>
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<足元にも秋の色が>
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<山道脇の笹も深くなり>
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<秋深し>
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<西御殿岩が見える>
登山口の三ノ瀬付近から紅葉も見頃だったが、ここまで登ると既に落葉となっている。台風による倒木が目立ち、山道もふさがれている場所が数ヶ所あった。先へ進むには鹿除けのネットを例によって3ヶ所開け閉めする。
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<牛王院平>
作場平から笠取山を回って来たという単独の登山者に出会った。今朝は冷え込んで氷が張っていたという。確かに霜柱もまだ解けずに残っていて冷え込んだ様子が分かる。まだ暗いうちからヘッデンを点けて歩いたというので、時計を見ればまだ10時半だった。禿岩まで行くのかと尋ねれば、午後は用事があるので帰るとのこと。将監峠を回って下山する様子だった。
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<天気予報通り、陽ざしも強くなり秋晴れとなった>
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<西御殿岩への分岐>
西御殿岩への分岐にやって来た。ここの標識は小さいので笹に隠れて見落とす可能性があった。しかし、今はこのほかにも大きな看板が設置されていて分岐であることが容易に分かる。それに、何と下刈りが綺麗にされていた。とても歩き易い。ありがたいことだ。以前は薄い踏み跡を拾う始末だったが、今はりっぱな山道として整備されていた。ここから数分で見晴の良い西御殿岩の山頂へ立つことができる。久々に奥秩父の展望が楽しみだ。
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<唐松尾山>
息を切らせながら、岩頭へ飛び出る。見渡せば穏やかな秋晴れに奥秩父の山並みが広がっていた。いい眺めだ。静かにこの風景を楽しもうと思えば、後ろから一人の男性が上がっ来た。やはり三ノ瀬から登って来たという。東仙波を往復して下山する予定のようだ。この360度の展望にしばらくはクギ付けとなった。
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<高丸戸尾根、七ツ石尾根、富士山>
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<和名倉山>
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<雲取山、飛竜山>
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<東仙波、カバアノ頭>
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<錦秋の谷間を眼下に眺め>
谷間から和名倉山頂へ掛けて染め上がる紅葉にしばし見入った。この時季にこの場所を訪れるのははじめてだった。思わず歓声を上げてしまうほどだ。腹ごしらえはそっちのけで展望に酔いしれる。一方、さきほどの単独の方は柿をむきだし食べ始めていた。
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<両神山>
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<和名倉山>
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<西御殿岩>
食べる事よりも、眺めることを優先し、見飽きた頃合いを見計らって食事にする。この先は時間も掛かる。その上、笠取まで行かなければ展望もない。ならば、ここでゆっくり食べてお腹いっぱいにして歩き出そう。そう決めて、のんびり昼食をした。何はなくてもカップヌードルとおにぎり二つ。これで十分満足する。食後はしばらく昼寝でもして下山したいほどだ。しかし、今回は久々のマイカー登山なので欲張って唐松尾山から笠取山を回って下山する計画だ。
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<唐松尾山>
次のピーク、唐松尾山へ到着した。ここは展望のない山頂である。しかし、この奥にちょっとした岩峰があり、そこから絶景が広がっているという。今回はそこへ立ち寄ってみたいと思う。そして、山頂から更に北へ進んだ。踏み跡はしっかりつけられているので大勢の方がこの場所を知っているのだろうと推測する。途中で通行止めのサインである×印が大きな枯れ枝で作られていた。しかし、更にその奥へ進む。
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<水晶山、雁坂嶺>
出た。ここだ。見晴らしの良い岩峰は。展望出来る場所こそは狭いが、眺めたことのない風景に新鮮味を感じた。見慣れた奥秩父の山並みでも、場所を変えればまた違った風景に見える。不思議なものだ。見方を変えれば楽しみ方も多くなるということなのだろうか。季節を変え、道を変え、自然に触れる。これで尻の痛さも忘れられるかもしれない。そう思えた。
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<西御殿岩>
さて、長居はできない。とっとと先へ進もう。唐松尾山にこれほど展望の良い場所があったとは、何か得した気分になってしまう。これなら、また訪れてもいい感じだ。西御殿岩ほどではないが、雁坂峠が良く見える。その下に雁坂小屋も確認できた。
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<古びた看板がいいね、奥秩父らしくて>
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<笠取山へ到着して大菩薩嶺と富士山を>
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<燕山、古礼山>
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<笠取山>
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<雁峠>
おなじみの山頂にやっとたどり着く。しかし、時間も時間なので山頂には誰もいない。下を覗いてみるが歩いている人影もサラサラない。西御殿岩と唐松尾山でだいぶのんびりしてしまったようだ。予定よりも1時間遅い。ここで最後の腹ごしらえをする。コーヒーにあんぱん、この景色を眺め、至福の時間だ。今年のGWに、この山頂で変態が出没したという話を聞いた。何も着ていないスポンポンの男性だったという。靴も履かず、ウロウロしていたというから信じがたい話だ。
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<下りしなに、再び紅葉に出合う>
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<言葉では言い尽くせない日本の秋に感動だ>
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<行楽日和の奥秩父>
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<馬止への下山路で>
笠取山からは焦る気持ちを抑え、ただひたすらに下山した。とにかく明るいうちに車へ戻りたかった。ヘッデンは準備しているので心配はないが、この時季夕暮れ時の太陽はつるべ落ちだった。みるみるうちに落ちてゆく。ましてや山の影に入ればより一層薄暗い。色とりどりの紅葉した木があれば立ち止まり、時間を忘れて撮ってしまったツケがここにきて出てきたようだった。しかし、辛うじて駐車場までライトは使わず戻れた。何もなく良かった。帰りは三ノ瀬辺りをぶらぶらしようと思っていたが、これでは無理だ。とにかく今日は行楽日和にふさわしい紅葉狩りだった。しばらくはこの余韻を味わうことができる。家に帰ったら、素晴らしい奥秩父に乾杯をしよう。牛乳で…。
今回の山行、久しぶりにご満足のお歩きができたようですね。言葉の一つ一つ、写真の一枚、一枚に伝わってまいりますよ。
しかし、きれいな紅葉ですね。ちょうどピークでしたか。歩程がつい遅くなってしまうのもうなづけます。一週間も経てば、ちょっとがっかりといったところでしょうか。
あんぱんさん、ようやく全快じゃないですか。これならもう大丈夫でしょう。よかったですね。
しっかり紅葉の季節に間に合うように回復されたのですね♪
実は日曜日、静岡方面のお山がダメだったら、全く同じコースを歩こうと考えてました。
やっぱり紅葉はバッチリだったのですね~とっても綺麗ですぅ。
あ~体が二つあったらよかったのに。
そうそう日曜日にご一緒した方が、先の三連休に笠取山で変態さんに遭遇したそうです。
そう靴もはいてなくて山頂から水干方面に行ったそうです~時々出没するようですね(@_@;)
奥秩父はホント、紅葉のピークでしたね。たそがれさんの赤倉山でも見頃だったようで、どこも秋本番ですね。尻もやっと回復したようです。ご心配お掛けいたしました。ありがとうございました。そうそう、内視鏡検査、何もなくて良かったですね。これで一安心といったところでしょうか。ますますご多忙な週末になりそうですね。
毎週、楽しみにしていますが、彩さん、凄過ぎです。小金沢連嶺と南大菩薩の縦走。目を丸くしていました。その前は確か国師ヶ岳からの縦走。びっくりしたのは中一日のお休みで甲武信から雁坂の周遊。そして、苗場山と。山歩きのスケールが大きく、感心するばかりでした。
え!、笠取に変態がやはりいるんですか。その話、本当だったんですね。びっくりです。
それはそうと、彩さん山梨百名山、もうすぐ完登ですね。日本百名山はたくさんいると思いますが、山梨百名山はそれ以上に難関の多い山ばかりで、これもどえらい偉業だと感心しています。花の知識も豊富ですし、運動能力と貴重な花の情報をお持ちで羨ましい限りです。
こちらはやっと山のカラダへもどったような気がします。ご心配お掛けいたしました。ありがとうございます。無理ぜずのんびり山を楽しむように心がけたいです。
順調に回復されているようでなによりです。
車で移動できるようになり、ますます行動範囲が広がりますね。
それにしても紅葉いいですね。拝見していると行きたくなります。
こちらはどの山に出かけても、いつもタイミングを外してばかりです。
それと変態が出没するなんてびっくりです。w(゜o゜)w
ある意味、熊よりも怖いですね。熊鈴は何の役にも立たないどころか、逆効果かもしれません。
ですので、笠取山は諦めます。。。(^_^;)
お陰様で、自力で山へ行けるようになりました。ご心配いただき、ありがとうございました。こうなると、あの山この山と、欲が出てきます。しかし、この季節、低山でも充分山の楽しさを味わえますので、あまり無理せず四季折々の風景を堪能したいと考えています。西御殿岩は展望がとてもいいので、雪の時季にも行って見たい場所ですね。その頃には寒くて変態もいないでしょうから…。