山さんぽ花さんぽ

奥秩父や奥多摩周辺の山と花の風景を楽しんでいるデジカメ日記です

妻坂峠からウノタワから武甲山

2012年12月09日 | さんぽ

2012年12月9日(日) 晴れ

生川→妻坂峠→山中→ウノタワ→大持山→小持山→武甲山→生川

今週末は荒れた天気になってしまった。雪雲が流れ込んで、風も冷たい。行くところもなく、いつしか通った故郷の山へ。

<妻坂峠>
生川から登るのは決まって妻坂峠、いつもはここから大持山へ歩く。しかし、今日はまっすぐ名郷方面へ降りて、ウノタワ経由で武甲山へ行ってみることにした。武甲山の山頂から故郷を眺め、熱々のラーメンを食べたい。そんな気持ちだ。峠に立つと谷川岳だろうか、白い峰々が遠望された。ここで赤城山や谷川を眺めるのは初めてだ。そして、いつも静かに見守り続けるお地蔵様に手を合わせた。



<ナギノ入>
妻坂峠から下ると林道に出た。車が2台駐車されている。更に下れば右から横倉林道と交わる。その林道を終点まで歩けばウノタワへの登山口だ。木立の陰で缶コーヒーを飲みながら猟銃を構えている方がいた。何かを待っているようだ。先を急ぎ沢を縫うように登る。



<山中を経て名郷へ>
ここを歩く人は少ないのだろうか、踏み跡はやや薄い。山道には赤いテープが頻繁に出てくるのでそれほど心配はないと思うが。しかし、先週、猟をしていた方に運よく発見され、救助された方がいると聞く。ビバークしたが動けなかったようだ。



<ウノタワ>
昔ここは大きな沼になっていて山の神の化身の鵜が住んでいた。この鵜を猟師が誤って撃ってしまい死なせてしまった。すると鵜もろとも沼は消滅してしまった。ウノタワの地名は鵜の田(ウノタ)から来たもので、地元の人にはいまだにウノタの名称で親しまれている。



<奥武蔵の山々>
平坦な変化のない風景だが山の向こうは関東平野が広がっている。かすかに東京スカイツリーや筑波山も遠望された。伊豆ヶ岳の背後には奥武蔵の稜線が長く横たわって見える。



<ダケカンバ>



<武川岳、伊豆ヶ岳>



<大平山、矢岳、熊倉山>
大持山と小持山の間に展望の良い場所がある。長沢背稜の山々、それに両神山、和名倉までが見渡せる場所だ。ここを歩くときは必ずこの展望を楽しむ。静かなお気に入りの場所である。雪が舞っているのだろうか、奥秩父は雲の中だ。



<高ワラビ尾根、奥に和名倉>
お気に入りの場所でしばらく地元の方と四方山話をする。大ナゲシ、赤岩岳、矢岳、酉谷山、蕎麦粒山、そして福寿草の自生地を。



<二子山、焼山、武川岳>
平野は青空が出ているが山沿いはやはり雪雲に被われているようだ。奥武蔵はどの山も懐かしい山だ。登山靴を買った頃はよく通ったもんだ。



<武甲山>
小持山を過ぎると目の前に武甲山が現れる。この姿を何度眺めたことか。ここからは採掘の山だとは分かるまい。ここにも固有の花、チチブイワザクラ、ブコウマメザクラ、ミヤマスカシユリが自生するという。いつしか見てみたい気持ちだ。



<シラジクボを経て武甲山山頂、小持山>



<冬枯れ>



<山頂の祠>
小持山から武甲山まではいささか長い。シラジクボまでは下る一方だ。生川から周回する方も多い。遅めに到着したがまだ人は多いようだ。御嶽神社にお参りし展望を楽しむことにしよう。石灰岩の採掘は大正時代から始まり、高度経済成長期にその量は増え、昭和40年頃から山容が変わったという。昼になると決まってはっぱがあり、ドドドドーンという爆音が響き渡ったことを憶えている。



<故郷の山々>
ここに来るとお決まりの山頂へ行く。標柱のある広場から柵を乗り越え秩父盆地が一望できる場所だ。眼下に芝桜の咲く頃には昼寝を誘われる展望地である。遠くは群馬と埼玉の県境の山々だ。中央のぽこぽこっとした二つは西御荷鉾山と東御荷鉾山だろう。その奥に赤城山が、その奥に日光の山々だろうか、白い山並みがうかがえる。



<故郷の山々>
こちらは蓑山、そして大霧山だ。ここから眺めれば盆地であるということがよくわかる。風が冷たいので早速、熱々のラーメンを食べよう。手がかじかんできた。久しぶりにガスコンロを使うが、風でうまく沸かない。ちょっと芯がある麺になってしまった。



<不動滝>
下山は最後になってしまったようだ。誰もいない。静かでいいが、ここの下りは苦手だ。杉林の中を延々と下るからだ。山頂の五十二丁目から五十一丁目、五十丁目とカウントダウンする。先々週、気のゆるみから痛めた膝もまずまずの回復で安心した。しかし、まだ多少気遣いするようだが。地図も見なければ何も考えず歩くのもいいもんだ。故郷を眺め、ほっとする。

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