劇団夢桟敷 ☆2018.6〜山南ノート5

熊本アングラ万華鏡〜演劇とプライベートの徒然

週刊月曜日 第58号

2023-10-07 19:52:39 | 2023年
劇団夢桟敷「週刊月曜日」
〈第58号 2023.10.7発行〉
https://yumesajiki.jimdofree.com/

夢現ひとり芝居+1
その〈プラス1〉が広がり続ける。
これからも水俣は世界に問い続けるだろう。…この世の在り方を!
水俣から何を学ぶか?貧困と豊かさとは?今でも現実の諸問題と重なる。
演劇の可能性は?

原作がある。
座長夢現は昨年より夢桟敷のミナマタプロジェクトの活動で石牟礼道子氏の「苦海浄土」「みなまた 海の声」(およそ60冊以上)などの本を読み漁り、更に水俣へ足を運び取材を重ねた。
演劇で闘えるか?
演劇のための評価を期待せず。
水俣をテーマにした演劇に利益を望むことは慎む。儲けることや権威付けすることは気持ちに反する。
社会の片隅で関わることを選ぶ。片隅で生きている人の多いこと。
私たちの演劇は一貫して片隅と響き合ってきたのだった。
タイトルを「苦海からの呼び声」としたのは「少女都市からの呼び声」(唐十郎)の影響もあるのだろうか?…現実の事件と伝説の関係に劇はハマり、稽古を重ねながら〈過去-現在-未来〉を想定しながら事件としての水俣病を見つめる。それを表現することの意義は?
見ていただくお客さんとの関係が大事だ。お客さんの想いは?患者さんたちの想いは?
目の前の方々から受け取りたい。
今年9月、水俣病近畿訴訟では大阪地裁判決で勝訴となったが、水銀汚染を行った原因企業チッソは提訴した。

原作(石牟礼文学)を戯曲化したというよりはコラージュ(構成)の演劇となる。
石牟礼道子資料保存会の方より著作権の手続きをとっていただき、上演の運びとなった。
「苦海」とは?…不知火に見る「あの世」ではなく「この世」である。そこから聞こえる声とは?
水俣市に祀られている乙女塚の「海の母子像」(作 金城実)やエコパーク60体の魂石など、手を合わせると大勢の声なき声が聞こえるから不思議だ。
生きる意味、人間としての価値、豊かさの餌は身体ばかりでなく、こころの奥底まで生き物を腐らせる。しかし!
苦しみながらも笑顔の清さを見た。
稽古中にもそれが感じられる。
10月に入り、音楽-美術-照明のスタッフワークとダンス振付に進む。
夢現ひとり出演の〈場・時間〉が濃くなる。週の半分は役者個人稽古で費やされている。

第49回 熊本演劇フェスティバル参加
MINAMATA PROJECT 2023
劇団夢桟敷 夢現ひとり芝居+1
「苦海からの呼び声〜不知火幻視行」
 11月17日(金)19:00
 11月18日(土)13:00
(開演は30分前。上演時間60分)
 熊本市国際交流会館5F和室大広間A
 前売2000円(当日2500円)
予約問合せ
劇団夢桟敷 09045815190
yumesajiki@ybb.ne.jp