山本ひろふみの一歩、一歩。

京都市会議員山本ひろふみ(伏見区選出・42歳)の日々の雑感、活動の報告等を綴ったブログです。

海外行政調査。(3日目)

2017-09-05 17:02:26 | 他都市調査
昨晩泊まったホテルの部屋にはバスタブはありません。
シャワールームのみ。宿泊者が利用する共同のサウナがあります。
文化ですね。


今日は朝一番でディケアセンターへ。
ディケアセンターと言うと高齢者の施設のようですが、フィンランドで言うところのディケアセンターとは日本で言う幼稚園と保育園が一緒になったこども園に相当する施設です。
※たくさんの子供たちがいましたが、写真はNGのため、ご了承ください。


3つの保育園の園長先生。(真ん中)
幼稚園の有資格者、保育園の有資格者、総合支援有資格者、合わせて50 名の職員が保育に当たっています。公設のディケアセンターですので、職員の処遇は公務員です。
ユバスキュラでは就学前、およそ50%の子供が公設のディケアセンターを利用します。年齢が上がるについてその割合は増えるそう(特に3歳以降が割合が増える)です。民間(行政の補助あり)のディケアセンターの利用は約15%だそうです。


国のカリキュラムに基づき、ユバスキュラの実態に合うように、保育園にあったカリキュラムを作成され、教育、保育が実施されています。


ここの保育園は国の指定を受けたパイロット式の保育園。
これまでは教育は小学校から始まるものという考えだったが、国において0歳から年齢に応じた教育を行うという風に方向転換されたようです。


地方自治体には必ず保育場所を与えなくてはいけないということが義務付けられています。
保育も、幼児教育も管轄は文部省の管轄。
職員の配置基準は3歳未満で4:1。4歳以上で7:1。
面積基準は一人当たり7㎡。
実に充実した基準です。
子供によっては朝食も準備されます。

このディケアセンターは6:30から17:00まで。
市内に1ヶ所24時間、4ヶ所22時までサービスを提供しているセンターもあります。
障害児保育も行なっており、特別支援の資格者がいてインクルーシヴ教育が実践されています。

6歳になると一人一人に教育計画を設定し、小学校になる時に、引き継がれます。
教育カリキュラムは保護者も交えて作成されるとともに、特にプラスの点を書き込むようにしているとの事です。
障害のある子には特別支援教員が学校の支援員と連携をされています。
6歳では実際に小学校に行くプログラムもある。

特に去年、国の教育カリキュラムが見直しをされ、実際に現場で、幼児教育の改革が行われたのは、先月。
約2割は移民された家庭の子供であり、フィンランド語の教育も行なわれています。
フィンランドで、子育て世帯が住む場所を選ぶ時に重要視するのが近所に保育園があるかどうか?という要素。保育園が近くにある事で、仕事との両立が可能になる。

月収は幼稚園の先生で2400ユーロ、保育園の先生で2100ユーロ、特別支援の先生で2700ユーロ、園長クラスで3500-4000ユーロ。フィンランドの他職種平均が3000ユーロであることを考えると決して高くはないそうです。



引き続き、コックラン小・中学校。
1 年生から9年生が通う日本で言う小中一貫校です。


114名のスタッフ。うち、教職員90人。それ以外は教員のサポート要員。
生徒数は930人。特に、90年代以降、教室の中にサポート要員が普及してきた。


職員室。
基本的には教員は教室にデスクがあり職員室は交流の場所。


7年生から9年生の給食室。
全ての子供に給食があります。戦後の貧しい時代に始まった素晴らしい制度。

カウンセラーは進路相談において重要な役割を果たしている。
9 年生になれば実際に職場に行って訓練をする子供もいる。
カウンセラーは子供にとって最善の将来を提案する。
学校のテーマは「Find your way」。


化学の授業ではスマホを使って調べて答えを出す訓練も


9年生の地理の授業もスマホ。


家庭科の授業風景。


木工や、鉄鋼の授業も行われています。男女関係なく必須です。


本格的な機械も導入されており、地域の方が夜に使うこともある。


隣の敷地に新しい校舎を建設中。2019年に完成予定。
コンピュータ教室やユースセンター、図書館や会議室なども併設し、地域の方の生涯学習の場所になる予定。


登校拒否は5人くらいはいる。
先生は社会福祉部の人と一緒に迎えに行く。
学校における社会福祉士の役割は大きい。
いじめもある。
そこに大人が介入するのではなく、生徒が自ら解決するよう誘う。
校長先生のお話です。なるほどですね。


現場を見せていただいた後は座学。
ユバスキュラ大学において、フィンランドの教育や、教員の養成教育についての勉強をさせていただきました。
ユバスキュラ大学は教員の育成に関してはフィンランドで1番だとの事です。


講演1。大学の立場から見た教員の養成と質の確保。
フィンランドでは教職員は憧れの職業です。ユバスキュラ大学教育大学の定員は100名に対し2000人が受験します。
教育に関して心理学や、脳等の他の分野の研究も積極的に行われています。


EU の11の大学とも連携し、教育向上のための研究ネットワークも構築され、それぞれの国を比較することで子供の発達に生かして行く研究も行われています。


児童、自分自身で考えるために、先生はどういう質問をすればいいか?教員のストレスと、生徒の習熟度の関係などの研究もされています。
授業中の先生の目の動きを測定し、教材、黒板を見ている時間を減らすように指導する。
様々な検証の結果、クラスの質が生徒のモチベーションにつながり、習熟度にもつながって行くとの結果も得られているとの事です。

高学力の秘訣は、、、
先生は信頼され、大学で修士号を取らないと資格がもらえない。
テストではなく、その他の方法で子供たちの評価を行う事に主眼をおいている。
授業時間は他の国と比べると授業時間は少ないが少人数での学習が効果を上げている。
学校と社会福祉がしっかり連携している。 などの要因を挙げておられました。
更には地域に裁量を与え、政治家ではなく専門家がプログラムを決めて行く事の重要性も指摘されていました。


講演2。行政の立場から見たフィンランド(ユバスキュラ)の教育の現状。


現在、ユバスキュラにおける各クラスの平均は中学校が18人、小学校16人だそうです。
ユバスキュラとして、一クラス30人を超えないようにすると言う方針はあるものの、国の縛りはないそうです。

視察終了後はフィンランド第三の都市タンペレへ移動。
明日もタンペレの学校、図書館の視察。昼食は学校給食をいただく予定です。


それではまた。


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