2月19日 日刊スポーツ山本幸史のG1ヤマを張れ がいい記事だったので転載
トランセンドの同期がダート王の牙城を崩す。根岸Sで鮮やかな差し切り勝ちしたシルクフォーチュンの一撃に期待する。
最大の魅力は切れる末脚だ。短距離で差す戦法が固まった10年5月以降、メンバー最速上がりを使ったレースは12回。この中には今回の出走メンバーでも最速となる上がり34秒1という鋭脚をマークしたことがある。王者トランセンドには先行するスピードとゴール前に向けて後続を突き放す力強さがあるが、一瞬の切れという点で上回る。これこそ王者打倒の最大の武器になる。
昨秋の南部杯でG1に初挑戦し、トランセンド、ダノンカモンに迫る3着に入った。この時の走破時計は1分34秒9。時計のかかる良馬場1600メートルで1分34秒台を計時したことがあるのは今回のメンバーでも南部杯の上位3頭だけ。個人的にダートは乾いた砂の上を速く走れる馬が強いと思っている。対抗トランセンド、▲ダノンカモンと印が厚いのもこれが理由だ。
しかも、南部杯時のシルクフォーチュンはゴール前で一瞬だけ末脚が鈍るシーンがあった。それはダノンカモンが尻尾を振った瞬間だった。ジョッキーは否定しているそうだが、藤沢則師は「尻尾にひるんだ」と話しており、個人的にもそう見ている。もし距離が理由で止まったのなら、ゴール前で再加速などできないはずだ。
実際、過去に1600~1900メートルの範囲で使った上がり3ハロンを比較しても屈指の末脚の持ち主であることは明白だ。上がり最速は昨年の東海Sでワンダーアキュートが計時した35秒1だが、これは時計の出やすい不良馬場。これに次ぐのがシルクフォーチュンの35秒2だ。今回と同舞台である2年前の武蔵野Sで、良馬場の砂を蹴りながらこの上がりをマークしていたのだから、あの南部杯の末脚は決して限界値ではない。
藤岡康騎手は「やることはひとつ」と一発ムードを漂わせる。NHKマイルCでG1を勝つなど府中との相性は抜群。JCダートでズブさを見せていたトランセンドが外から強引に先手を奪いにいけば、最後の末脚が鈍ってもおかしくない。直線でフォーチュンの決め手がさく裂する。
馬連(3)-(15)(11)(9)(8)(10)(13)(16)。
3連単(3)(15)-(3)(15)-(8)(9)(10)(11)(13)(16)。