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ホーム下転落の対応の難しさ

2013年07月27日 19時39分41秒 | 災害

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 近頃は、スマホ・携帯に夢中になって、泥酔して、物を落として誤って、などでホームから線路へ転落することが、増えてきたのはないでしょうか。 先日、南浦和駅で電車とホームの隙間に転落し、多くの方が車体を傾け救助されたというのがあったようですが。

 このカードは23区内のある駅で起きた転落事故の場に居合わせ、その時にいただきましたものです。

 転落現認前から運転再開までの時系列は次の通り。<o:p></o:p>

 

6○○分、各駅停車が到着。 2分後、急行電車が到着。 一番後ろの車両、乗務員室前に乗車。 約30秒後、各駅停車が発車。<o:p></o:p>

 

車掌さんの動きから、ホーム端を歩く人を見ている気配を察知し、視線を向け歩いている方を確認。 次の瞬間、転落を現認。<o:p></o:p>

 

転落箇所まで距離(30m前後)があるため一瞬躊躇するも、転落箇所まで駆け込み、転落された方と出血を確認。<o:p></o:p>

 

急行電車の車掌さんから、「まだ、入らないでください。」。<o:p></o:p>

 

車掌さんが駅非常通報装置へ急行し、ボタン押下。 ブザー鳴動を確認。 再度「まだ、入らないでください。」私に声をかけ、乗務員室へ戻り列車無線へ。<o:p></o:p>

 

 多分駆けつけたのは車掌さんと私の2人と思われる。<o:p></o:p>

 

ホーム上から「大丈夫ですか?」と声をかけ、横を向いた時に、自分の位置から約150m手前に通過予定の電車の存在を確認。 ただし、完全には停止していない。<o:p></o:p>

 

⑦記憶が不鮮明

 (駅員さん到着前か後かわからない。) 車掌さんに「119番しますよ!」と伝えたはず。<o:p></o:p>

 

⑧119番通報(通報時の(話した)内容は「」内)。 駅員・車掌が軌道内進入。<o:p></o:p>

 

 A.火事ですか救急ですか? ~「けが人です。」<o:p></o:p>

 

 B.場所はどこですか? ~(住所がわからないため)「○○区、住所、番地以下不明ですが、(鉄道会社名)・(駅名)・上り番ホーム。」<o:p></o:p>

 

 C.なにがありましたか? ~「ホーム下転落。」<o:p></o:p>

 

 D.どのような状況ですか? ~「(けがの部位・出血を伝えた)」<o:p></o:p>

 

 E.その方はどこにいますか? ~「駅員・車掌2名により間もなく救助完了予定。」<o:p></o:p>

 

 F.鉄道会社の方ですか? ~「応急手当普及員です。」<o:p></o:p>

 

ホーム上へ救出。 安全確認完了。 運転再開。<o:p></o:p>

 

 この間、3分程度。<o:p></o:p>

 

 こののち、駅員により負傷部の保護駅構内無線で救急隊の到着の連絡(実際にはPA連携のポンプ隊の到着)により場所を移動するため、車いすへ乗っていただくための若干の介助と、通報者であるため、消防へ引き継ぐため同行することの申出移動開始救急隊から状況確認のための連絡を受けるポンプ隊との合流。 以後、消防への引き継ぎ、現場検証(事件性有無の確認のため)まで、発生から25分ほどで終了となりました。<o:p></o:p>

 

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 このページの趣旨は転落された方に対するものではなく、自分の対処の反省についてのものです。<o:p></o:p>

 

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 失敗から学ぶこと!!<o:p></o:p>

 

距離があったため一瞬躊躇してしまったこと。

 躊躇せずすぐ向かうべきであった。 決して出しゃばりではない。 行ける人が行く。  自分が同じ状況に陥った場合、助けてもらえないかもしれない。 何事にも助け合いが必要。<o:p></o:p>

 

転落現認時に駅非常通報へ駆け込む選択肢もあった。

 ※車掌さんの動きから、自分の当初の位置から5メートル以内のホーム端にあったことがわかったが、他の駅で同じ位置あるわけでもなかったので、これはどれを選択するか答えが出ていない。 自分の位置関係にもよる。 非常通報・停止ボタンの近くにいる人に助けを求める選択肢もある。  この時の車掌さんの動きにキレがあり、印象深く感銘を受けました。 私も駆け付けたことにより車掌さんが非常通報へ向かったのか、私が押さなかったことにより車掌さんが向かったのかはわかりません。 言えることは一人ですべては出来ない。 結果として押さずに駆け付けたこと(だれかが観察すること)も、一つの正解かもしれません。 これはケースにもよるのかも。

 

 

「まだ、入らないでください。」の声掛けに対し返答できなかった。<o:p></o:p>

  鉄道社員さんに過度の負担をかけないため、言葉でのやりとり(意志疎通)を忘れずに。 悲劇の英雄にならないためにも、むやみに軌道内へは進入しない。 (そこは鉄道会社の領域であること。 私自身はこの領域を侵さないことを前提としている。) 車掌さん、意志疎通が図れなく、申し訳ございませんでした。<o:p></o:p>

 

 

通過電車はすぐ来ることを知っていたのに、自分自身の安全確認を怠った。<o:p></o:p>

  2次災害防止のため、確認は忘れずに。 むやみやたらにホーム端ギリギリまで接近しない。 駅非常通報が揚がったことで、安心してしまい、接近する電車の確認を怠っってしまったので何事にも目視確認を。 もし駅非常通報が扱われなかったら、2次災害で私も事故死していた可能性が、かなり高い状況にあったことを気付いたのはしばらくしてからです。 完全停止していない電車を認識しながら、意識できなかったことは自分のミス。 (約150mあるではないか。 と思わないでください。 各駅停車に遅れがなければ90km/hで通過しますので、一歩誤れば。 となったでしょう。)

 

 身の回りで転落事故に遭遇したのはこれで2回目(前回は平成9年ころの千葉県某所)。 この時、そのホームにはあと5分入線しないことを周りの方も、駅員さんもわかっていたので、安全確認も大してなく、5人で救出(軌道内進入は駅員さん1人のみ)。<o:p></o:p>

 

 このような事故が0であるのが理想ですが、起きてしまうのはしようがないことです。

 経験がないと何もできないですし、たとえ見たとしても対応が出来ないのが現実です。 その場に居合わせてしまった時に何もできなくても、「何か出来ることはありますか?」でもよいので、声をかけてください。 してほしいことがあるかもしれません。 これは応急手当を必要とする場面でも同じです。 救命講習では、この現場に技能認定者が居合わせた場合、周りの方は何もできないことを想定して、確実に指示を出すことについて指導を受けていますが、何もわからなくても出来ることはあるはずです。 どうか助け合いの心を!!

 転落された方のその後は不明ですが、この時点では重いけがでなかったことは幸いでした。

 この事故で私が行えたこととは・・・

①現場に駆け付けたこと。

 (※周囲の安全確認は絶対!)

②119番通報したこと。

 (※通報を優先するか、救護を優先するかは、状況・年齢などによりけり。)

③「大丈夫ですか?」と声をかけたこと。

 (※声かけは、「大丈夫ですか?」を3回。 反応があれば手当。 反応がなければ、呼吸の確認。 呼吸がなければ通報とAEDの搬送を依頼。→心肺蘇生へ。 軌道内なので観察だけでも十分であると思う。)

④車いすに乗る際に若干介助したこと

 (※1人で介助するのではなく、多くの人で。 負傷者への負担軽減、更なるけがの防止を行いながら。)

 だけでした。