今日の収穫

無線・写真・登山のブログ

災害時の装備

2015年10月03日 21時21分17秒 | 災害

 東京都では防災ブック「東京防災」が配布されています。 これとともに東京消防庁管内各消防署では防災セミナーも行なわれています。

 宝永登山とこれ以降の金時登山は必ずヘルメット等の装備を携行していますが、この装備が災害発生時の装備とイコールにもなります。

 実に、作業用ヘルメットです。 一般の登山の方でファッション重視であれば、作業用ヘルメットは「ちょっと・・・」となるはずですが、私自身は西友・LIVINの2,980円のカーゴパンツとユニクロのメッシュTシャツで足りますので装備としては十分です。 画像のヘルメットは飛来・絶縁のヘルメットですが、飛来・墜落・絶縁のヘルメットが良いでしょう。 夏場は通気孔のあるヘルメットも良いかもしれません。 しかし電気(絶縁)では禁止されています。

ヘルメットは飛来・落下の国家検定品で1,000円前後。(※飛来・墜落・絶縁はもう少し高いと思います。 墜落用はヘルメットの内側にクッションが入っています。)

 ゴグルは山本光学のYG-5100Dで2,200円前後。(※曇り止めダブルレンズで交換可能。 眼鏡をかけたままでも装着可能です。 通気孔付きですので完全防御のゴグルは別のものを。)

 ヘッドライトは1,000~2,000円前後で。(※単三電池・単四電池の備蓄もお忘れなく。 私は200本ほど備蓄し、使いながら40本単位で補充を繰り返しています。)

 ゴグルとヘッドライトは、クリップで脱落防止を行うと良いでしょう。 クリップは3個使用したほうが良いかもしれません。 ヘルメットの型により使用できるクリップが変わります。 ヘルメットと同時に購入することをお勧めします。 ワークマンなどの作業用品のお店でご相談された方がよいでしょう。

 このヘルメットには顎当てをつけていますが、ヘルメットには標準装備されていません。 通常の作業で顎当てを使用することはないでしょう。 消防職員は顎当てを装備していますが、目的は顎の保護と衝撃を受けた時の他の部位への影響防止のようですね。 いずれかの消防本部の制服規定に記載があるかもしれませんね。

 建物倒壊・外壁破損などの理由でほこりが多くなるのは、災害現場の共通事項ではないでしょうか。 ゴグルはホームセンターなどで安価なものは300円程度で購入できますが、やはり「安物買いの銭失い」なんてことが考えられます。 このゴグルですが、レンズにグレードがありますので、1,300円前後の普通グレードのものもあります。 冬場ですとレンズ内側が曇ることも考えられますので、地域・状況に応じたものをお選びいただくのがベストです。

 

 上の画像は災害時支援ボランティア活動時の装備ですが、災害発生時に個人の装備としても使えます。 ボランティア活動時に無線を使うことは少ないです。 というか、無線を使える人があまりいないのと、アマチュア無線を開局されている方はいらっしゃいますが、特定小電力とデジタル簡易無線をお持ちの方はいらっしゃいません。

 画像の装備は左からグローブ・ポーチ・CPR用ポケットマスク・デジタル簡易無線です。 この装備は災害時に個人としても十分役立つものです。 無線はぜひお持ちになられた方がよいでしょう。 

~~このような想定ができます。~~

 1.自宅から避難所へ避難をしました。 

 2.避難所に掲示板が用意されました。

 3.家族の誰かが情報の確認に向かいます。

 4.新しい情報が出ていました。

 5.しかし、携帯電話回線は基地局の破損・

  電源喪失・輻輳などで機能していま

  せん。

 6.そのため情報の伝達に家族のいる場所に

  戻ります。

 7.その情報は何らかの配布の情報ですでに

  順番待ちが多く、情報伝達と家族への確認

  のため複数回の往来が発生し列に並ぶまで

  までに時間を要した。

 上記のようなケースでもし無線機を家族間で装備していれば、短時間で情報が伝わりますしあえて戻る必要もなくなります。 たびたび言われますが、無線をお使いになられたことがない方は「そんなもの。」という考え方です。 上記のケースなら特定小電力無線でよいでしょう。 狭い範囲の中に家族全員がいますので!! 重要なのは短時間に情報を正確に伝えることです。

 1.自宅は木造2階建て 2.避難所まで1km 3.住宅密集地で中層マンションも複数ある という、ケースを想定してみましょう。 特定小電力の0.01Wですと密集地では100~200mですので、当然通信成立しません。 1Wのデジタル簡易無線ですと外部同士の郊外の密集地で1,700m程度は可能でした。 このケースでは使い慣れないと自宅内でかつ1階から送信することが見込まれますので、1Wでも届かないのではないでしょうか。 自宅2階の見通しの良い位置なら1WでもOKかも。 と考えますと無線を使い慣れない方ですとデジタル簡易無線の5Wが必要でしょう。

 「携帯電話があるからいいや」なんて安易な考え方をされますが、携帯電話・インターネットは機能しないでしょう。 電話局内の交換機等の耐震強度と非常電源容量が増えたとしても、通信量増大による非常電源の機能停止と、東京電力送電鉄塔倒壊での送電停止での電源喪失という隠れた要因で、結局はガラクタになるのではと思っていますので、基地局依存型の通信インフラと切り離せる通信手段の確保を。

 避難所と言えば川崎市中原区の分譲マンションで、マンション防災対策構築で川崎市から避難所受け入れ拒否を受けたケースがありました。 そこまでの人数を受け入れるのは困難なので!ということでした。 発災後、避難所へ皆さんが集まってくるのは想定できることです。 東京の人口からして、これだけの人数を避難所が受け入れられるわけもないですね。 平成23年東北地方太平洋沖地震(いわゆる東日本大震災)では、年齢層が高いほど自宅避難が多く(2~3日分の食料備蓄あり)、年齢層が下がるほど(20~30代・備蓄なし)避難所に駆け込んだとのことです。 避難者の実に1/4は避難の必要がないのに避難した。 これでは避難所も受け入れできないですね。 避難するための訓練はやめましょう。 防災のための訓練をしましょうというのがこれからの流れです。  

 しかし、情報が集まりやすいのはやはり避難所でしょう。 いくら自宅避難だとしてもごく一部は頼らざるを得ないのではないでしょうか。 ですので情報収集のために自宅避難者は自宅と避難所を往復するケースが多発するのではないでしょうか。 情報のやり取りのために無駄に時間と労力を費やすことは、二次災害ともなるでしょう。

 ”情報を制する者は世界を制する”ではないですが、家族3人なら3台、4人なら4台。 全員が同時に情報を受け取れることが災害時には必要でしょう。 ちなみに私の住まいは分譲マンションの6階で、避難所まで直線で600m程度ですので、特定小電力では力不足ですがデジタル簡易無線の1Wで十分機能するでしょう。 特定小電力・デジタル簡易無線ともにあと1台ずつ欲しいですね。 アマチュア無線という最大の武器がありますが、無線従事者免許・無線局免許を要しますので家族には進めるのは好ましくないです。 運用も慣れるまでは難しいですし。

 1.無線機を買いました。 

 2.災害まで物置に置いておきました。

 3.災害時に使用したら混信で使えません

  でした。

 ここでの問題です。 結局「無線は使えないじゃないか!」となりそうですが。 実に災害時に落ち着いて取扱説明書を読む時間なんてありません。 設定していたチャンネル(周波数)が混信していただけで、他のチャンネルは空いていた。 ということも考えられます。(実際の災害時は本当に全チャンネルが混信するかもしれませんし、特定小電力の出力の低さが奏功し混信しないかもしれません。) ですので、日常のレジャーの中で。 地域の防災訓練時に。 使用してみてください。

 防災訓練時に←「なにそれ、そんなの必要ないじゃん。」という言葉が返ってくると思います。 その時には「こんな考えのブログもあるんです。」と言ってみてください。 特定小電力無線局は免許不要です。 ですので災害対策に各戸で装備している地域もあるようです。 購入するときは、価格重視はしないでください。 アンテナの長さ(長いもの)・防水性・電池1本で運用できるもの・国内の無線機メーカー製(ICOM等)、の順で無線機を選んでください。

 特定小電力と称して「電波が飛びます」は電波法違反(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)になります。 無免許で非常通信のためにアマチュア無線を装備しますと、やはり電波法違反になります。 非常通信という言葉に騙されるかもしれません。 電波法の目的外通信での非常通信で、免許を付与されている無線局に対する認められた事項です。 免許がない=目的外通信(非常通信)も認められません。

*****無線のところだけ異様に長くなりました。*****

 

 ポーチ内の備品です。 左からN95防塵マスク(排気弁付き)・スーパーにある薄い袋・ウエットティッシュ・ボールペン・メモ。 下は手袋。 手袋はゴム・シリコンなどいろいろあります。 アレルギーの方は素材にご注意ください。 ご用意されるときは、できれば医療従事者(医療現場)向けの使い捨て手袋が良いですが、1箱100枚等と量が多いので、躊躇されるならスーパーの薄い袋をお勧めします。 1箱150枚等と平常時の自宅のキッチンでも使えますので。

 情報収集にはメモも必要でしょう。 私なんて5歩歩いたら忘れちゃいますので(酉年ですが、なにか!)というわけではありませんが、情報の歪曲(不正確な情報)も危険です。 トラブルの原因です。 メモに残すことも重要です。 

 グローブは登山用の革製・作業用の革製・救助活動用のケブラ繊維などが良いでしょう。 画像のグローブは作業用の単なる滑り止めグローブにすぎません。 隣の木造住宅が倒壊しました。 倒壊建物の中に居住者(所有者)が逃げ遅れで、救助を求めています。 この時点で公助は到達できませんので、共助での救助となるでしょう。 そこまで?と思われますが、隣人から救助されるケースは複数にのぼるはずです。 木造住宅では折れた木材・釘などで負傷することが想定できます。 素手では救助するにも限度があります。 

 

 個人の災害用装備とボランティアの装備はほぼ共通です。 が、使用するヘルメットを変えるごとに装備し直すのは手間がかかりますので、二重の装備となっています。 個人の装備=登山でも使用可能です。 登山用品のモンベルさんも防災を手掛け始めています。 登山と防災は実に装備を共通で使用できます。 御嶽山のあの状況を考えると、装備引き上げは必然でしょう。 さすがに噴石が体に直撃すれば、生存できない可能性は高くなるとは思いますが、「最悪の想定」と「最善策」に対する対策は重要です。 あえて二重装備にしているのはJR東日本E233系の考えと同じです。 過剰装備とも思えますが、一方の装備がダメージを受けても他方でリカバリー。 ですので保管場所も変えています。(どちらもダメージを受けたらあきらめるしかありませんが。)

皆さま、日ごろからの備えを。

 

 アマチュア無線からの災害対応という考えから、レピーターの電源喪失を考慮すると、都内レピーターの電源喪失による停波の可能性は想定しておかないとなりませんね。 停電対策の取られているレピーターでも、外部電源の復旧がないと2~3日が限界でしょうか。 東京都内の災害を想定すると埼玉県下のレピーターであれば電源喪失の可能性は低くなりますので、仮にゲートウエイ喪失でも有効性はかなり高いでしょう。 しかし災害はどの程度の規模で発生するかはわかりません。 臨時レピーターを設置するのであれば、被災エリアとエリア外を1局でカバーできるのがベストなのでしょう。

 レピーターに依存しない通信手段の確保と訓練も良いかもしれません。 須走五合目・吉田五合目・渋峠・八溝山など関東をカバーできる高所で、自動車で直接行ける高所にキー局を設置。 情報を被災エリア外に伝達することも、情報伝達の手段としては良いのでしょう。