〈川俳会〉ブログ

俳句を愛する人、この指とまれ。
四季の変遷を俳句で楽しんでいます。「吟行」もしていますよ。

拾い読み備忘録(112)

2016年05月20日 18時20分39秒 | 哲学書
自由というただひとつの言葉だけが、いまも私をふるいたたせるすべてである。思うにこの言葉こそ、古くからの人間の熱狂をいつまでも持続させるにふさわしいものなのだ。それはおそらく私のただひとつの正当な渇望にこたえてくれる。私たちのうけついでいる多くの災厄にまじって、精神の最大の自由がいまなおのこされているということを、しかと再認識しなければならない。それをむやみに悪用しないことが、私たちの役目である。想像力を隷従に追いこむことは、たとえ大まかに幸福などとよばれているものがかかわっているばあいでも、自分の奥底に見いだせる至高の正義のすべてから目をそらすことに等しい。想像力こそが、ありうることを私に教え、またそれさえあれば、おそろしい禁令をすこしでもとりのぞくのにじゅうぶんだ。………
(「シュルレアリスム宣言」より)
「シュルレアリスム宣言 溶ける魚」アンドレ・ブルトン著 巖谷國士訳 岩波文庫
1992年
                                富翁
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