〈川俳会〉ブログ

俳句を愛する人、この指とまれ。
四季の変遷を俳句で楽しんでいます。「吟行」もしていますよ。

拾い読み備忘録(178)

2017年02月05日 16時33分19秒 | 小説
   和布刈神事(めかりしんじ)
 早鞆の潮薙ぎの藻に和布刈(めか)るかな    雲屏(うんぺい)
 その年の、旧暦元旦は二月七日に当たった。
 その前夜、午後十一時ごろから、門司市内のバスが臨時に動いて、しきりと、客を北西の方にある和布刈岬(めかりのはな)に運んだ。霙(みぞれ)でも降りそうな寒い晩だった。
 バスは三十分かかって狭い海岸通りを走り、海峡へ少し突き出た岬で客を降ろした。岬は関門海峡の九州側の突端である。
・・・・・・
「時間の習俗」松本清張 新潮文庫 昭和47年
                   富翁
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする