和布刈神事(めかりしんじ)
早鞆の潮薙ぎの藻に和布刈(めか)るかな 雲屏(うんぺい)
その年の、旧暦元旦は二月七日に当たった。
その前夜、午後十一時ごろから、門司市内のバスが臨時に動いて、しきりと、客を北西の方にある和布刈岬(めかりのはな)に運んだ。霙(みぞれ)でも降りそうな寒い晩だった。
バスは三十分かかって狭い海岸通りを走り、海峡へ少し突き出た岬で客を降ろした。岬は関門海峡の九州側の突端である。
・・・・・・
「時間の習俗」松本清張 新潮文庫 昭和47年
富翁
早鞆の潮薙ぎの藻に和布刈(めか)るかな 雲屏(うんぺい)
その年の、旧暦元旦は二月七日に当たった。
その前夜、午後十一時ごろから、門司市内のバスが臨時に動いて、しきりと、客を北西の方にある和布刈岬(めかりのはな)に運んだ。霙(みぞれ)でも降りそうな寒い晩だった。
バスは三十分かかって狭い海岸通りを走り、海峡へ少し突き出た岬で客を降ろした。岬は関門海峡の九州側の突端である。
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「時間の習俗」松本清張 新潮文庫 昭和47年
富翁