フタツメカワゲラのなかま(フタメカワゲラ科)
幼虫
体長20mm前後。
オレンジがかった明るい色の体に、長く伸びた触角と尾がよく目立ちます。単眼が2つなので「フタツメ」カワゲラと呼ばれています。
川の上流から下流の流れの緩やかなところにいます。
水の底に沈んだ落ち葉や砂のたまったところにかくれて生活しています。
水生昆虫などをつかまえて食べます。
成虫は
体長15㎜、体色は黄色で、脚に黒い紋が特徴的。
灯火に集まるので、観察するのは日が落ちてから。
フタツメカワゲラのなかま(フタメカワゲラ科)
幼虫
体長20mm前後。
オレンジがかった明るい色の体に、長く伸びた触角と尾がよく目立ちます。単眼が2つなので「フタツメ」カワゲラと呼ばれています。
川の上流から下流の流れの緩やかなところにいます。
水の底に沈んだ落ち葉や砂のたまったところにかくれて生活しています。
水生昆虫などをつかまえて食べます。
成虫は
体長15㎜、体色は黄色で、脚に黒い紋が特徴的。
灯火に集まるので、観察するのは日が落ちてから。
タマムシ(ヤマトタマムシ)
タマムシ(ヤマトタマムシ)は体長で、本州、四国、九州に広く分布し、成虫は盛夏の日差しの強い昼中にのみ活発に活動し、エノキ・ケヤキ等の広葉樹の梢の上を飛翔しているものがしばしば観察されます。タマムシの幼虫はエノキ、ケヤキ、サクラなどの衰弱・枯死木の中で材を摂食し、成虫になるまで材内で2~3年過ごします。
タマムシの翅がきれいなのは
もともとタマムシの翅には緑の地色が着いています。
そこに幾重の透明な層が表面を覆っているので、様々な色が出せるのです。(構造色)
CDが光るのとおなじなのはこれも構造色のしくみです。
タマムシは昼行性、夏の天気のいい昼間に、日の当たる高い所で活動します。
めだって鳥に食べられないのかしらと思いますよね。
実は鳥はタマムシ色が苦手だということがわかっています。不思議ですね
そして、交尾するために目立っています。
奈良県の法隆寺にある国宝・玉虫厨子は、タマムシの翅鞘(外ばね)が装飾に使われていることでも有名です。
2m以上ある玉虫厨子はもともと推古天皇の愛用品であり、仏像を安置するための厨子をタマムシの光輝美しい羽で装飾したことからよばれるようになりした。
厨子は宮殿を模した最上部は黒の漆喰で仕上げた木造で、飛鳥時代の建築様式をそのままに伝えています。
玉虫細工がほどこされているのは柱や宮殿入り口部分で、虹色の縞模様を見せる玉虫の羽が入れられており、それを唐草模様の透かし彫りの金具で重ねてあります。
これも、長年の研究によってわかったことなのです。調査によると4000匹以上の玉虫の羽が使われていると言われています。
玉虫厨子を実際みにいってもどこにタマムシの翅がつかわれているのかよくわからないようで、マニアは見に行くときは懐中電灯と双眼鏡をもち、じっくり眺めて探す必要があります。
複製品だが、身近で見られるのは高島屋資料館(髙島屋東別館 3 階2020 年 1 月にリニューアルオープン)で常設展として展示されています。うれしいことに見学料は無料です。
10:00~17:00(入館は16:30まで)休館日:火・水曜日、年末年始、展示替の期間
最後に「タマムシ」はコガネムシ?
「童謡"黄金蟲"はタマムシだ!?」(枝 重夫;『月刊むし』2010年6月号(472号))
野口雨情の「コガネムシは金持ちだ・・・」のコガネムシは野口雨情の出身地茨城県磯原町ではタマムシをコガネムシというところから枝氏は考察した。ところが石原保博士がコガネムシはチャバネゴキブリ説をとなえた。(コガネムシは金持ちではない話@『虫・鳥・花と』築地書館;1979年)
理由は群馬県高崎地方では、チャバネゴキブリをコガネムシとよび、この虫がふえると財産家になれるといわれていたところからだが、
さて、どっち 夏の自由研究によいテーマかも
スイレン
里山の水草であるヒツジグサを取り上げたが、外来種のスイレンは同じ仲間です。
国内のスイレン属はヒツジグサ以外、外来種・園芸品種です。
お盆の花の一つハス(蓮)はスイレンを混同された歴史があります。
エジプト原産のスイレンとハスをヨーロッパ人が混同したのです。
そのため、英語では蓮もスイレンもロータス(Lotus)ですが、植物の分類としては別種類です。
植物分類としては、睡蓮(Nymphaea)と蓮(Nelumbo nucifera)になります。
・睡蓮(水面近くに花が咲くものが多い。葉も水面に浮く。)(Nymphaea)(スイレン科)
・蓮(水面から高く咲くものが多い。葉も高さがある。)(Nelumbo nucifera)(ハス科)
「就眠運動」
植物の現象で、花が昼に開いて夜に閉じる現象のこと。
タンポポ、チューリップなどで観察できます。
スイレンも就眠運動をします。
エジプトのスイレンは、花を昼に開く青いスイレンと、夜に開く白いスイレンがあります。
古代エジプトの壁画に描かれている「聖なるハス」は熱帯スイレンです。
それらから多くの園芸品種が作られました。
昼の花は朝開いて夕方には閉じる就眠運動を3日間繰り返し、4日目に開いてその後水没します。
一つの花の寿命は4日と短いですが、開花期は5月下旬~10 月と長いので、この時期ため池などで水面に花を次々と咲かせる人々を楽しませます。
スイレンはエジプトの国花です。四千年も昔から生命の河ナイルの水辺に白と青のスイレンが咲き、古来より「聖なる花」として尊ばれてきました。白のスイレンは「ナイルの花嫁」とも呼ばれ、青のスイレンは、髪飾りなどのアクセサリーとして愛用されました。
蓮の原産地については、エジプト説、インド説、中国説などあります。それを特定できる遺物が発見されていないからです。
里地里山の1年 8月上旬の里山
連日暑い日がづづく。
里山に入ると木陰はうんと涼しい。
神社を過ぎたところで倒木が道をふさいでいました。
早速リュックからノコギリを出してきて右側をカット。
まずは、道の左側に寄せて障害物撤去作業終了です。
松枯れにつづき、ナラ枯れも多くなってきました。
草は20cmぐらいしか伸びていませんでした。
7月に草刈り機で刈り取ったあと、日照りが続きまだ草は短い状態でした。
暑いので、作業は早めに切り上げ、生き物の観察で本日は終了です
ため池ではチョウトンボが飛んでいるのを発見!
残暑はまだ続きます
里地里山の1年 8月上旬の里地
稲の花が咲き、早いものでは穂に実が入り始めた。
水田の周りにはシオカラトンボに、アカトンボのなかまが飛び回り始めた。
この暑い時期に蜜を吸える花は少ない。
畦にハッカが生えている。
ハッカの蜜をもとめて昆虫がやってくる。
畦は山と里とつなぐ回廊になっている。
蟻地獄―ウスバカゲロウー
アリジゴクはウスバカゲロウ類の幼虫のことです。
雨の当たらない、乾いた細かい砂のある場所に好んで穴を作ります。
すり鉢状の穴(巣)は、アリなどの小さな昆虫が巣に落ちると逃げられない。
落ちてきたところを捕食します。
蟻などが穴に落ちると2本のアゴでくわえて捕まえます。
捕まえたときに唾液が蟻の体に入ると動かなくなります。唾液には毒がふくまれ、フグの毒の130倍も強いとか。
そして、体液を吸い取り、かすは穴の外へ放り出します。
幼虫時代は2~3年です。その間、ウンチはしません。
小動物の体液だけを吸っているため、ウンチをしなくてもよいようです。
しかし、長い間にはさすがにウンチがたまるので、成虫になったときに、はじめてこれを出します。
名前の由来は、アリがよく穴に落ちるのをみてアリ地獄となったのでしょう。
蟻地獄は小学生から大学研究者まで研究の材題になっています。
成虫のウスバカゲロウ
カゲロウはよくはかない命といわれますが、たしかにクサカゲロウの仲間は成虫になってからの寿命が数日です。
しかし、ウスバカゲロウは比較的ながく、成虫で1ヵ月以上生きます。
カジカガエル
渓流で、フィー、フィーという鹿のような美しい鳴き声を聞くことがあります。
知らない人はカエルの鳴き声だと知らない人も多いです。
清流で見られるカエルです。
古来より日本人に愛され、鹿に似た声で鳴くことから河の鹿、カジカガエル(河鹿蛙)と名付けられました。
兵庫県内では、ほぼ全域でみることが出来ます。
大きさは、4~8cm。メスはオスの1.5~2倍くらい大きいです。
アオガエルの仲間ですが、体の色は背中がこげ茶色でお腹はまっしろ。
流れの速さに負けないように、指先にある大きな吸盤で石にしっかりと貼り付くことができます。
鳴くのはオスだけです。
オスの声に誘われてメスが現れ、オスはすばやくメスの上に乗っかります。
一緒に川底の石の下にもぐり込んで、卵を産むのです。
たまごを産むときやオタマジャクシのころは、流れのある川に、それ以外はまわりの森で暮らしています。
繁殖は、おもに5~8月にかけて渓流沿いで行われます。そのころにオスのきれいな鳴き声を聞くことができます。
メモ
万葉集に出てくる「かはづ」、「古今和歌集」の「かはづ」。この「かはづ」は、「カジカガエル」。
川の清流にすみ、初夏から秋にかけ、多くは夕方から夜中・朝にかけて、澄んだ美しい声で鳴くことをうたっていることから古くから注目されたカエルなのです。
カエルのことをか松尾芭蕉は「古池やかわず飛び込む水の音」と詠みましたが、このカエルは「カジカガエル」ではありません。古池にはカジカガエルいないので。
いつの間にか、カジカガエルをしめす「かはづ」とその他の「カエル」を区別しなくなったようです。
トンボの王様 オニヤンマ
日本最大のトンボ、体長9~11cm。 眼は緑色(複眼)、黄色と黒の模様が等間隔にはいるトンボです。
北海道から沖縄まで広く分布しています。
きれいな流れる川で自分の縄張りを往復しながら飛翔しています。
獲物を捕まえる時は、時速70kmのスピードを出します。
他に飛び回るのはなわばりを守ることとメスを見つけるためです。
オスは羽ばたくものはすべてメスとみなし、追いかけまわすそうです。
往復時々、川の近くの草地や樹林につかまって休息しています。
オニヤンマのヤゴは砂泥にもぐって生活しています。
体の表面はザラザラで毛深く、頭部は角ばっています。
幼虫期間は3~4年といわれます。
アライグマ(アライグマ科)
夕方里山からの帰り、道を横切るアライグマを見つけた。
姿を見失ったが、山の斜面を登った様子がないので、車を降りて道路の側溝を除いた。
えさを求めてアライグマが側溝を移動しているのが見えた。
このアライグマだろうか
畑のトウモロコシを食べ、スイカやカボチャの中身だけうまく食べてしまうのは。
兵庫県でも、農作物の被害は毎年すごい量になっている。
アライグマを観察していると獲物を水中で転がしている姿がよく見られる。おなじみの姿だが、アライグマは食べる前に食べ物を洗わない。
生物学者らは最近、この行動を洗うというよりも感じるためにしているという。
研究者らは、アライグマの前足は濡れているとさらに敏感になるという。
足を濡らすと、手に持っている物体が食べ物であるかそうでないかをよりよく識別することがでるのだという。濡れた手は口よりものを知るということだ。
アライグマを英語では「raccoon」というが、イギリス植民地時代にバージニア地域に住んでいた先住民部族の言葉が由来だ。先住民もアライグマを「手でこすったり、こすったり、ひっかいたりするもの」としてアライグマを表していた。
アライグマをリンネはクマのなかまとして分類した。
そのため、ヨーロッパにアライグマが入るとクマのような外観と、食べる前に食べ物を洗うように見える習慣から「洗濯熊」を意味する言葉としてさすようになった。
いずれの国も、ドイツ語ではWaschbär、イタリア語ではorsetto lavatore と
でも、フランス人はラトン・ラヴール(「洗濯ネズミ」)と名付けました。これは、カナダフランス語でも使用されています。
当然、日本語ではアライグマとなりました。
今アメリカではアライグマは 1940 年代から個体数が増加しはじめ、それに伴って分布も増加しました。現在では、以前は稀であった、山地や砂漠でも見られるようになっています。
増えたのはアライグマは非常に知的で、複雑な問題を解決する能力があるからです。
知能のレベルは、アライグマは霊長類にやや劣る程度といわれています。また、アライグマは並外れた記憶力を持っており、最大3年間は忘れないといいます。(寿命が5年といわれているので、一生おぼえているということになります。)
また、アライグマは高い好奇心を持つことを知られており、これらがアライグマが広く分布している理由の一部であると考えられています。
アライグマは現在ヨーロッパ大陸全域、特にドイツとフランスで見られるようになりました。
日本には1970年代後半からやってきます。人気テレビ番組に触発されたからです。
家族は若いアライグマをペットとして飼い始めましたが、成長して扱いにくくなったアライグマを野生に戻すことがよくありました。アライグマは現在、日本において侵略的な脅威とみなされています。
アライグマは雑食性なので、肉も野菜も食べます。 カエルやバッタなどの昆虫、木の実、ネズミ、鳥の卵を食べます。 夜行性で夜に餌を探します。
都市部では公園や近所のゴミ箱から巧みに食べ物を盗むこともあります。
それで、アライグマが食べ物を求めて屋根裏部屋やガレージに入り込み、家財を傷つけることがあります。
アライグマのメスは通常、年に1回の出産を行い、1回の出産で3~7頭の子供を産みます。生まれた年の子どもは最初の冬は母親と一緒に過ごし、春になって独立します。
アライグマの顔をみると目の周りは黒い毛があります。目の周りの黒い毛は、それがまぶしさを軽減し、夜行性動物の夜間視力を高めるのに役立つのではないかという仮説があります。
胴体は灰褐色の毛でおおわれ、尻尾には5~8個の明暗の輪が交互に並んでいます。
アライグマは前脚よりも後脚が長いため、歩いたり走ったりするときに猫背に見えることがよくあります。
アライグマの前足の 5 本の指は非常に器用で、ドアノブ、瓶、掛け金などのさまざまな物体をつかんだり操作したりすることができます。
アライグマの最も優れた感覚は触覚です。前足は非常に敏感で、水中ではその感度が高まります。
以下の研究があります。
アライグマの鍵を開ける能力に関する一連の実験をまとめた1908年の研究では、アライグマが簡単な留め具を開ける技術を1年以上維持できたことが判明した。
アライグマの記憶力に関する他のいくつかの研究では、アライグマは少なくとも 3 年間は課題の解決策を思い出すことができることが示されています。
肉食動物の脳のニューロンの数を測定した2017年の研究では、アライグマの脳は比較的小さいが、霊長類で予想されるニューロンとほぼ同じ数のニューロンを持っていることが判明した。
現在日本ではアライグマが防除の対象になっています。
兵庫県アライグマ防除指針(令和3年2月より)
アライグマは北米原産で、本来日本には生息していませんでしたが、1970 年代から愛玩動物として大量に輸入され飼育され始めました。しかし、飼いきれなくなり途中で捨てられたり、逃げ出したりして、野生化し繁殖を続けるようになりました。こうして野生化したアライグマは、深刻な農業被害や生態系被害をもたらす動物として外来生物法に基づく特定外来生物に指定されました。
アライグマ問題の発生
兵庫県では、平成 10 年頃から神戸市を中心に生息が確認されていましたが、その後、阪神、北播磨、中播磨、丹波地域などに生息域が急速に広がり生息頭数も増加していると予想されます。
ヘビトンボ(ヘビトンボ科)
ヘビトンボは、成虫は大きな羽をもちトンボのようで、大きなあごでへびのようにかむからヘビトンボ。
ヘビトンボは完全変態をする昆虫ではもっとも原始的なグループに属す。
世界におよそ300 種が記録されており、日本には 20種が生息している。
よく似た種にクロスジヘビトンボがいる。これらは腹節側面の付属器に細毛を持たず、第1~7腹節下面にも総状鰓を持たないため容易に区別できる。
ヘビトンボの幼虫は、川や渓流の石の下などで見つかる。
幼虫は肉食で、ユスリカなど水辺に住む小さな昆虫類や小動物を食べる。
4年ほどかけてゆっくり育ち、6㎝ほどの大きさになり成虫となる。
陸地に上がり地面に穴を作りその中で蛹になり、成虫に生まれ変わる。
成虫は初夏に多く見られ、灯火にも良く飛来する。夜を待つ間日中は水辺の石の下や木の上で過ごす。
とくに活発に動くのは日没後から数時間。
成虫の寿命は数日~10日。
雑木林などでヘビトンボの成虫を見かけるのは、水分を補給するために樹液を摂るからと聞く。
オスはメスを見つけると、精子入りの大きなゼリー状の物質をメスの腹端に付着させる。
そして,メスは腹部を曲げて精子入りのゼリーを食べている間に精子がメスの体内に入って行く仕組みになっている。
卵は水際の石や植物上に数千個産みつける。
きれいな水にしか住まないので、水質を示す「指標生物」。
かつては、子どもの疳(かん)を鎮める効能のある民間薬。
とくに有名なのは宮城県産の奥州斎川孫太郎虫。
日本で作られた民間薬で「和漢方」と呼ばれるなかまに分類される。
「孫太郎」の名前の由来は、仇討ちをする孫の名前が孫太郎、病弱だったのがこの虫を食べて元気になり無事仇討ができたという伝説による。
埼玉県のある地方ではではかむところからか「かわむかで」という呼び方をしている。
昆虫食の先進県長野県では、ヘビトンボやトビケラ、カワゲラをふくめて「ざざ虫」と呼んでいる。