オオセンチコガネ (センチコガネ科)
この時期、里山では、オオセンチコガネをよく見かけます。
「生きている大和川」の調査の際、奈良公園でシカの取材とともにおこなったのが、オオセンチコガネです。
奈良公園のオオセンチコガネは「ルリセンチコガネ」とよばれ、瑠璃色をしています。
奈良県若草山にて
瑠璃色をしてるのは、紀伊半島に分布するオオセンチコガネです。ほかに北海道と屋久島の一部でも瑠璃色をしています。
私たちの活動する里山では、オオセンチコガネは緑色をしています。近畿の中央部は緑色をしています。
そのほかの地域では赤色から緑かかった色をしています。
オオセンチコガネは動物のふんなどをえさにする「ふん虫」フンコロガシです。
ファーブルに出てくるフンコロガシは逆立ちをして後ろ足で糞玉を転がす姿を紹介していますが、日本の種類は前足でふんをちぎって運びます。ですので、正確には糞を転がしませんので「ふん虫」とよぶのが正確なところです。
分布は、北海道から九州まで広く分布しています。(海外では東シベリア、朝鮮半島にいます)
ちなみに「センチ」の名前の意味ですが「cm」ではなく「せっちん、トイレの古語」をさし、がなまったけっかセンチになったもの
奈良公園がシカの糞でうまらないのは、このきれいなルリセンチコガネのおかげです。
英語ではオオセンチコガネのことを「a jewel in a dunghill(糞の山の中に宝石)」といいますが、奈良公園のオオセンチコガネをみるとまさにそのとおりですね。