時々眺める富士山

話が聞き取りにくくなる

父の声の大きさは少し小さくなったが、それ以上に舌の周りが悪くなったようで、話が聞き取りにくくなった。

一方、音声は聞き取れるが画面は見えなくなったとのことで、父はあれだけ好きだったTV視聴をやめた。、

腕は上がり、盛んに上下させているが、足を上げることは難しくなっている。

首を上げる力も弱まってきた。

父の体を持ち上げられない母が、浴衣の寝巻を前後逆に着せたところ、脱がせるように指示され、自分で本来の向きに着なおした。そして、浴衣の背中を下におろしてくれと頼まれた。

これは、このように着るものだという。

背中が痛いというのでさすると、もっと上、もっと上といい、肩をもむような感じになってしまう。すると、もっと下という。

50年も前に、背中を掻いてくれと頼まれ、指示された場所を掻くと、もっと上、もっと上といわれ、背中全体を掻くことになったことを思い出した。

その後、ぐっすり眠ってしまった。
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