しおんの日記

愛犬しおん(ミニチュアダックスフント)の成長記を中心としたblogです。
04/12/24以前は旧サイトへどうぞ!

「デジタルネイティブ」について

2009-06-01 12:35:06 | books
やや仕事とも関係しているのですが、以前より「デジタルネイティブ」という言葉が気になっています。いろいろな解釈があると思うのですが、基本的な定義は「生まれながらにして、インターネットやケータイを使える環境にあって、使ってきた世代」でしょうか。

恥ずかしながら、自分は本格的にパソコンを使いだしたのは会社に入ってからですし、大学生の頃は「パソコン教室」で授業は受けたことがありましたが、訳もわからず呪文を打ち込んでいるだけでした。ワープロでレポートを出したら、珍しがられた世代です(おっさん言うな)

もちろん、今はネットやケータイを使うことに関してはかなりのもんだと思いますが、それでも、学生の頃からそれが普通だった世代とは何かが違うのではないかなと思っています。ネットやデジタルに対する基本的なスタンスが違うような気がするのですね。卑近な例だと、「楽天」は許せても「ライブドア」はうさんくさく感じる、とか。
#いつぞやのプロ野球オーナー連中みたいですが

そんな世代が社会の中核になると、何か大きな変化があるんじゃないかなと漠然と考えてたんです。ただ、最近はそれが思っていたのとちょっと違って来ているような気がするんです。まだうまく整理できないんだけど、少なくとも個人的には評価しにくい。デジタルを試行錯誤の上使いこなすのではなく、その便利な部分だけを掬い取ってるような人が多いのではないかなと。

そして、その大きな背景に「日本のケータイ文化」があるんじゃなかろうかと。

こんなことをつらつら考えてまして、関連する書物を読んでます。
まずはその一冊目で、NHK出版の新書「デジタルネイティブ 次代を変える若者たちの肖像」を読みました。残念ながら、僕の知りたい話はほとんどありませんでした。ネットを利用してビジネスやったり世界貢献をする恐るべき世代が出現している、という紋切り型の本でしたね。
筆者、若いはずなんですけど、自分でも書いているようにあまりネットに詳しくないから、踏み込みが甘いのかな。テーマは面白いだけに残念です。

「新聞社」河内孝

2007-09-25 00:24:25 | books
面白いです。新聞を産業/ビジネス的な側面から検証しているのですが、新聞の置かれている現状と将来展望、筆者の思う解決策まで述べられています。

日本の新聞は「インテリが作ってヤクザが売る」などとも評されますが、これまでの新聞ビジネスを支えてきたのが「宅配制度」であり、この「新聞拡張員制度」なんですよね。それが、過当競争と無茶なセールスによって危機に瀕している。
もちろん、その危機には読者数の減少やITサービスの発展など他の理由もあります。「押し紙」と環境問題の話は考えさせられますね。

で、筆者は再生への策として2点あげてます。一つは、「朝日・読売の二大巨頭に対抗するため、産経など他社が連携して第3極を作る事」。もう一つは、「ITの活用」です。

純粋ビジネス的に見れば、なるほど「三国鼎立」は面白いかもしれませんね。ただ、主義主張が全く違う(これが新聞の面白い所だと思うけど)各紙が、経営面だけで手を組めるかと言うとピンと来ないですね。もう一つのITについては、「Eペーパーへの配信」が肝になるとの事ですが、これも無理じゃないかと思うのです。新聞って、「紙」であることがとても重要で、だからこそ対価を払っている側面があるんじゃないでしょうか。もしも、電子配信で紙が置き換えられるようなら、すでにその流れが加速しているはずなのです(ケータイへのサービスを筆頭にね)。

個人的には「読者の減少」という点が、筆者が考えているよりも大きな問題ではと感じてます。「新聞を取る/読むのは当たり前」という感覚が薄まっているんじゃないでしょうか。もっと言葉を選ばずに言えば、「新聞は読まない。テレビもバラエティくらいしか見ない」って層が徐々に増えているんじゃないでしょうか。

どんな商品・サービスも、必ず「受け手」を考えて提供されているものだと思います。どうしたら買われるのか、手に取ってもらえるのかを心底考えているでしょう。新聞記者の皆さんって、そこまで考えて記事を作っているでしょうか?
#別に「商業主義」に徹しろ、とは言わないけど

「指導力」清宮克幸、春口廣 対論

2006-03-29 12:45:57 | books
これは掛け値なしに面白い本ですよ。ラグビー好きな方にはマジお勧め。

大学ラグビー界の両巨頭の対談をまとめた形式になっており、ぐいぐい引き込まれていく感じです。
たとえば、今年度のカントーとの決勝でのいくつかのプレイ。早稲田サイドからの視点としては見聞きしたものもありますが、それを春口・カントー側からはどう見たのか、という話は実に興味深いです。

もちろん、これ以外にも選手のスカウティングや指導、組織の作り方、そして、ジャパンのあり方など、両氏の思いが伝わってきます。(詳しくは書きませんよ...)

面白かったのは、清宮さんは「プロ監督・ビジネスマン」であり、春口さんは「教師」(そして、ギャンブルセンスがない)という対比ですね。「1年生と4年生が同じ力量ならばどちらをつかうか」という話とか。

関東学院は、横浜マリノスとの提携を進めているんですね。ラグビー強化には、人気回復にはどうすべきなのかと言う提言も深いです。また、次の次のW杯は本気で「清宮ジャパン」を狙っているみたいですね。

しかし、清宮さんと春口さん。タイプは違うし、最大のライバルと言う間柄ながら、お互いにリスペクトしあっていて、しかも強い結びつきがありますね。こういう関係、いいなあ。。。

「究極の勝利 ULTIMATE CRUSH」 清宮克幸

2006-02-26 20:06:56 | books
今日はラグビー日本選手権の決勝でしたね。東芝-NECは6-6の引き分けで両社優勝という結果になりました。実は試合を観ていないのですが、各掲示板などを読むとよろしくないゲームだったようですね。まあ、この天気のせいもあるんでしょうが...

さて、清宮前監督の新刊が出たので、さっそく読んでみました。「究極の勝利 ULTIMATE CRUSH」です。タイムライン的には、監督就任から大学選手権連覇までになります。

内容的には、やや故奥氏に関する話が多かったりもするのですが、ワセダラグビーをいかに建て直してきたかが綴られています。いい事ばかりではなく、あまり触れたくはないであろう部員のAV出演事件や、強制退部事件についても触れてます。

また、時折「ワセダのラグビーは決めごとが多い」という批判も聞かれるのですが、「システムとアドリブの融合」が重要であり、最後の2年くらいはこれができるようになった、とも。

そして、最後の項目が「日本代表監督への道」でした。いつの日か、「清宮ジャパン」を見たいなあ。
#やっぱり、世界で戦えないとスポーツは盛り上がらないと思うのですよ

今度は「ブックバトン」ですよ

2005-07-20 13:17:02 | books
スミレさんから「本のバトン」が回ってきましたよ。
これ、漫画とか雑誌の類いは入らないんですよね??

Q1:持っている本の冊数
これは難しいです。仕事柄会社に段ボールで3箱分以上あるし、自宅にもかなり...
#引っ越しで結構処分したんですけど

Q2:今読みかけの本or読もうと思っている本
司馬遼太郎の作品をもう少し読みたいですね。自分の興味が戦国時代中心だったので、その界隈のモノしか読んでないのです。腰を据えて、「翔ぶが如く」あたりも読み始めようかなと。

Q3:最後に買った本(既読、未読問わず)
改まって聞かれると困るものですね。なんだろう。
「逆説の日本史」の文庫最新刊かなあ。

Q4:特別な思い入れのある本,心に残っている本5冊(まで)

1.三国志:吉川英治
2.峠:司馬遼太郎
→daitenが生き様として憧れている人物が、諸葛亮孔明と河井継之助なのです。

3.ポーツマスの旗:吉村昭
→国を背負う政治家の皆さん、読んでください。国会でレベルの低い論戦をされている方々、国のために命懸けの外交交渉ができますか?あと、「交渉術」みたいなノウハウ本読むくらいならこれを読むべし。

4.監督:海老沢泰久
→野球関連の娯楽小説としては、最高ですね。何度読んでも最後の場面ではジーンと来ますよ。

5.情報通信アウトルック2000
→一般的な書籍としては、僕のデビュー作なので(共著ですけど:笑)

Q5:次にまわす人,5人まで
ayukawa17さん:前回に引き続きですが、本のカテゴリーもお持ちなので
kuniさん:今夜はよろしくお願いします、ってことで(笑)
テドさん:前回のお返しです。お体の具合はいかがですか?
ichikenさん:まだ回ってきてないよね?
たけちんさん:ラグビーblog仲間には本のカテゴリーを持ってる人が多いのかなあ

もしもご覧になっていたら、ご参加の程よろしくお願いいたします。
もちろん、ご興味がない・他からすでに回ってきている・面倒だ・忙しい..といった場合はスルーしてくださいませ。

「子どもが減って何が悪いか!」赤川学

2005-05-27 23:52:52 | books
先日、2004年の出生率が1.28と最低を更新したと報じられました。36歳独身、もちろん子なしの私にもその責任の一端があるような気がするのですが、常々「そもそも日本は人多すぎじゃないのか?」とも思っておりました。その理論武装のために、という訳でもないのですが、この本を手に取ってみました。

まず、国の少子化対策として取り上げられている「男女共同参画社会の実現」や「女性就業率向上」は、統計的に根拠がないことが書かれています(男女共同参画が無意味とは言ってない)。これはまさに、統計・調査数値のマジックだったりするのですが、興味深いです。
その上で、少子化は止まりようがなく、日本の制度を少子化に合わせるべきだと論じています。つまり、少子化によって行き詰まるであろう年金や医療、介護の制度を設計し直せ、と言うことです。

まったくその通りだと同感です。破綻しかかっているような制度を何とかしよう、とするところに無理があるんですよね。そもそも、年金制度に限らず、社会的な生活全般が「両親に子ども二人」のような家庭を“モデル”にして作られていると思うのです。自治体が行う補助や扶助、企業の手当て(家族手当とかね)などもそんな側面があって、そのモデルからちょっと外れている人は得られるものがぐっと少なくなってしまうのですよ。

確かに、制度や仕組み、サービスを決める時にはある程度の利用者像が必要なのですが、そもそもバッファを持たせておいたり、条件が違ってきたら変えていくような柔軟性がなくちゃダメですね。

しかし、それにしても出生率が1.28ですよ。人口の維持には、2.07が必要です。ごく簡単に考えれば、たいていの家庭は子どもが二人で、たまに三人いるような状況にならないと人口は減るわけです。
・・・ちょっとありえないかなあ。周囲を見ても、二人以上子どもがいる人はあまり見かけませんよ。

とは言え、自分の知ってる範囲では、ある属性の方々はきちんと子どもを作るケースが少なくありません。それは、地方の役所勤めの方、某大手電話会社の女性社員の方々です。
この辺りが、少子化対策のキーになるんじゃないでしょうか。共通していることは、将来への不安が少ないこと、ある程度の収入が保証されていること、そして、比較的時間に余裕があること、かなあ(笑)

「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」山田真哉:この本は面白い!

2005-03-31 13:06:42 | books
タイトルに魅かれて買ってみました。面白い本です。

「なぜ、さおだけ屋は潰れない?」「住宅街にある高級フランス料理屋が成り立つわけ」「在庫の山を抱えている自然食品店」などを題材に、ごくごく簡単な会計知識を説明している本です。

会計知識といっても専門用語や数字の説明ではなく、「利益」とか「回転率」「在庫」などの考え方が整理されてます。さらっと読めますし、本題の会計的な話だけではなく、引き合いに出されている事例も興味深いです。


個人的には、「町の自転車屋」がなぜ成り立っているのか不思議でなりません。そんなに自転車って売れるものではないでしょうし、パンクなどの修理もそうそうしょっちゅうあるようには見えません。どうやって儲けているんでしょうか??

#もっとも、自分の仕事も「なんでお金になるの?」と真顔で聞かれたりするのですが...

すべてのワンコ好きの方に:絵本

2005-02-27 21:17:46 | books
絵本です。「山古志村のマリと三匹の子犬」(文芸春秋)、ちょい話題になってますがお読みになったでしょうか。
新潟中越地震のまさに当日、被災地の山古志村で子犬を産んだ母犬マリの物語です。

やや涙腺の弱いわたくし、泣いてしまいました。いい話だ。
ぜひ書店でご覧ください。(あまり詳しくは書きません)

改めて、被害に遭った皆様の一日も早い復興をお祈りいたします。

「ジョーという名のロジック」マレー・ラインスター

2005-01-13 23:17:13 | books
コンピュータ社会への警鐘を鳴らすSFとしては、ジョージ・オーウェルの「1984」が有名です。ちなみに、アップルがMac発表時に制作したCF「1984」もこの作品をモチーフとしています(なお、CFの監督はあのリドリー・スコット)。

この「ジョーという名のロジック」も、進み過ぎた情報化社会を描いた短編小説です。
各家庭には、「ロジック」という"文明を変貌させた"機器があります。ロジックには「キイ」と「スクリーン」が繋がっていて、何か知りたいことがあればそのキイで入力すると、天気予報やニュース、お買い物情報まで教えてくれます。また、ロジック同士が繋がっているため、呼び出してスクリーンを観ながら会話をすることもできます。

それを可能にしているのは「タンク」というありとあらゆる情報を詰め込んだ物で、国中のタンクがお互いに「リレー」しています。

しかし、ある時検閲回路が壊れてしまい、ロジックは違法な情報まで提供し出します。バレない人の殺し方、偽金の作り方、他人の個人情報など。そして、主人公も昔別れた女性に個人情報を突き止められ...

と、まあこんな内容です。
まさに、現代のインターネット社会を描いているわけですが、この作品は1946年!に書かれているんですよ。60年近く前ですよ。読んでて怖くなりました。作者の想像力には脱帽するしかないです。
#仕事で客に「5年後のIT状況なんて、想像できませんよ」と言ってる自分が情けないです

本作品は、創元推理文庫の「SFカーニバル」に収録されています。この本、すでに刷られていないようで入手ができませんでした。しかし、今は中古書店がネットでサービスしてくれているんですよね。あっさり見つかり、通信販売で手に入れることができました。

・・・僕の「ロジック」はよく働いてくれます

「テレビの嘘を見破る」今野勉著、新潮新書

2005-01-11 23:09:04 | books
昨年の9月頃に出た本なのですが、結構売れていたようで一時期店頭にありませんでした。先日、ようやく見つけて読んだのですが...わざわざ探してまで読むんじゃなかった。

テレビ(主にドキュメンタリー)の制作にあたって、「やらせ」や「再現」はどこまで許されるのか、どの辺から「嘘」(たとえばNHKのムスタン)になるのかを書こうとしていたようなのですけどね。一応は書物なんで、それなりの結論が欲しいところです。それが「視聴者もテレビを見る目を磨け:メディアリテラシーが重要だ」ではどっちらけです。

そもそも、筆者のスタンスが「製作費とのバランスを考えればある程度"作り"は仕方ない」「ドキュメンタリーは再現でも事実」「社会風俗慣習の記録には、再現や虚構があっても良い」という作り手の都合を使い分けているため、受け手の側としては非常に勝手な主張に感じて仕方ありません。

確かに、その「線引き」は難しいのかもしれませんが、それが作り手の自由気ままでは困ると思うのです。「笑っていいとも」で登場する素人が実は仕込みだった(「キリンプロ事件」は可笑しかったですね)、くらいは洒落で済んでも、ドキュメンタリーと銘打たれた番組に取り上げられた人物が全部再現、ではやっぱり面白くないですよ。