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高樹のぶ子のSIAブログ

2008年07月16日 / 芥川賞

受賞者と乾杯

 芥川賞受賞者、楊逸(ヤンイー)さんと、今乾杯してホテルの部屋に戻ったところです。


 受賞作「時が滲む朝」の最初のあたりに「汗玉」という言葉が出てきます。
日本語にはないけれど、感じわかります。この言葉が新鮮だったと選考委員が言ったことを伝えると、彼女はハルピンという寒いところで育ったので、汗をかかない生活をしてきたけれど、日本に来て、汗が玉になることを知った、それで「汗玉」という言葉を思いついた、とのことでした。
なるほど、ハルピン育ちの彼女にとっては、汗が玉になることが、珍しかったわけですね・・


 いま東京ですが、受賞者との対談という、あらたな仕事が加わり、家に戻るのが遅れそうです。


                                             高樹のぶ子

コメント ( 10 ) | Trackback ( 0 )

« モンゴルコン... 料理と受賞者 »

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コメント
 
 
 
それは好かったです。 (ISO)
2008-07-16 11:39:33
こんにちは。
前回に引き続き応援されていた作家が、しっかり候補作になり、小説のタイトルも好いし受賞されて良かったですね。
少ないチャンスを逃さなかった楊さんも流石でした。
海外の作家が受賞されたのは、初めてではないのでしょうが、新鮮な文章も読者にとっても楽しみの一つでしょう。
又、このような芥川賞のニュースを聞く度に、時代の流れを感じたりするのも楽しいことです。

巡回展も有るようですが、是非、コロー展にも。

 
 
 
☆「時が滲む朝」 (乃阿 一葦)
2008-07-16 12:59:57
受賞作、「時が滲む朝」That's a nice title!

Chinese 受賞ということで、このフィールドからも、激変している中国社会と日本社会、を思います。
高樹さんが、今、「SIA」を担当していることにおいても、大いに意味を感じます。ますます国際化が求められる日本。お相撲しかり。外国人の作品がどんどん受賞したらよいと思っています。
中国は、個人的にも身内がホンコン支店にいますし・親戚が中国で会社をやっていますし、古より良いにつけ悪いにつけ切っても切り離すことが出来ない大国です。
移り行く文化のグリンプス! 深くて味わいのある作品の誕生! 賞はその祭典ですから、多くの人に読まれることを期待しております。両国間の橋渡しにおいても、大いに意義あることです。

     
 
 
 
アラフォー+αの受賞 (ビー玉)
2008-07-16 13:20:28
選考、御苦労さまでした。タイムリーな御報告、ありがとうございます。

ヤンさんが受賞されて良かった!前回、高樹先生が推しておられることを知って、図書館で文学界を借り、彼女の前作を読みました。確かに、まだ日本語のたどたどしいところはあったかもしれませんが、生きている人間の姿がみてとれて好感を持った次第。次は、ヤンさんが受賞してくれるといいなぁと思っ
ておりました。
中国人初の受賞だそうですね。

受賞作は、既にブックサービスで手にはいるようです。文芸春秋の発売まで待てなくて、注文してしまいました。
1988年当時の天安門事件を扱った、学生二人が主人公の作品だとか。ほぼ同じ時期に青春時代を過ごした私としては、非常に興味があります。

直木賞を受賞された井上荒野さんも40代。御二人とも40代半ばで私と同世代であることが妙に嬉しかったです。もしかして、アラフォー+αの世代の女性が文学界を変えていくのかも?と興奮してしまいました。

汗玉?なるほど、面白い表現ですね。
今日は中国地方も梅雨あけした模様。九州はとうに梅雨あけしていますから、毎日、汗玉ながして仕事しています(日本人なら「玉のような汗」をかいて仕事をしている、と表現するのでしょうか)。

受賞者との対談、掲載号が決まったら、教えて下さい。
 
 
 
漱石講座 (ISO)
2008-07-16 16:51:21
前回は華やかな作家が受賞しただけに、今回の作品は作家の生い立ちからも、その粗筋からのテーマにしても、僕にとってはかなり地味なセピア色に感じます。
一般論として芥川賞は、政治的な判断で受賞者を決めて来た過程も有り、今回は中国への配慮が見え隠れし、僕にはどう考えても文学と政治の癒着は、思惑と違和感を感じさせます。
日本の若い世代や30~50才の世代は、いろいろと深刻な状況を抱えてます。

今日少しM翁とお会いしたのですが、文学講座(言語について)を請われこの十年、ある集まりでやられています。
先日の作家別講座で第一回は夏目漱石を取り上げ、準備して文学談義をしたのでうんと疲れたそうです。
平均受講者の年齢は還暦くらい、可能な限り文学講座でその概念や、文章の詩情についてを伝達しておられます。
評判は?と聞くと、よく判らないが十年続いているので、余程彼らは暇なんだろう、といたって謙虚。(笑) この方は勉強熱心な方で膨大な蔵書、余白のある人が好みですね。
一応、「自然科学と詩情」について質問してみようと思います。(苦笑)


 
 
 
各紙の反応と時代のながれ (ビー玉)
2008-07-17 11:57:32
ISOさん、今回の受賞者は決して地味なセピア色ではありませんよ。新聞各紙の取り上げ方は、前回の受賞作よりはるかに大きなものでした。また、政治的要素もないものと思われます

昨日は、すべての新聞に目を通してみました。
一番扱いが大きかったのは毎日新聞で、社会面トップ記事。各紙一様に、中国人作家が母国語ではなく日本語で小説を書き、その作品が芥川賞を受賞したことを、文学界における画期的な出来事として取り上げていました。高樹先生の講評も各紙に載っています。
九州の地方紙には、ヤンさんの妹さんが九州在住であることから、妹さんに受賞を電話で知らせた時のエピソードが載っていました。直木賞を受賞された井上荒野もお父さんが九州出身であり作品の舞台も九州であるため、これ又大きな扱いでした。

私は新聞各紙の評とは違って、ヤンさんの作品を外国人が書いた小説としてではなく、日本の作家が書く作品と同じように作品本位で読みました。
日本語を母国語としない作家が権威ある賞を受賞したことに意味があるのではなく、在日外国人(親の代から日本に住み本人は生まれた時から日本に住んでいる外国人の方々)ではない新来外国人(ヤンさんのように母国で生まれ、その後日本に住むようになった外国人の方々)が急増している社会背景のなかで必然的にヤンさんの作品が生まれたことに意味があるように思います。
新来外国人の作家が、母国に対するアイデンティティーを抱きながら、日本社会の軋轢のなかで生きることによって、日本人の作家にはない強い熱や「書くべきもの」を持って登場したのではないでしょうか。

でも、ISOさんの「日本の若い世代や30代~50代の世代は、いろいろと深刻な状況を抱えています」というコメントには、肯けるものがありました。新来外国人の方のみならず、生粋の日本人だって、現代の日本社会を生きることに強い軋轢を感じているはずです。それを文学のテーマにする作家が現われる日を願っています。

今の日本は豊かなはずなのに、ヤンさんと同世代の日本を支える私たちの世代は、なぜ毎日、絶望のなかで生きていかねばならないのでしょう。夜、日が暮れてから不安や絶望を感じるのは、まだわかるのですが、私は最近、朝、起きがけに深い絶望を感じます。それは私自身の生活に起因するものではなく、今という時代がもたらす不安のように思います。
この不安を乗り越えられる勇気を得ることのできる作品を読みたいものです。
 
 
 
政治的そのもの。 (ISO)
2008-07-17 15:31:52
こんにちは。
他紙も大きく取り扱っているのが、それがつまり政治的な証拠でしょう?
文春が企画し掲載された小説ですしね。(苦笑)
ストーリーとして短編小説のテーマではないし、自ずと文学の詩情なんて表現されてないと思いますよ。
もちろん僕は男性ですから、詩情とか言いますが、女性はそんなもんないほうがと。(これは暴言過ぎでした、笑)
毎日が一番大きく取り上げた?う~む?毎日は随分昔々から、与党の宗教団体の資本が入ってますから、僕は全く相手にしておりません。いえ、できません!(爆笑)

でも高樹さんが必死に生きてる手触りが在ると、受賞者を評価したのは好いことですし、この指摘は重要なことです。
書きたい事がはっきりしているだけでは、充実した年齢からしても、さぞや選考者様も困ったことでしょう。
僕が前コメントをした理由は、改めて購読している新聞の受賞者の「ひと」の欄を読むと、「在日中国人の中だけで生きるのではなく、日本の主流に入るには小説を書くしかなかった」の発言に、これでは文春の言いなりに沿った、小説しか書かないのかも、と思い、また「主流」の言葉に少し呆れた次第です。(苦笑)
石原さんは欠席???、今回は高樹さんが代表選考委員でしたね。出世だ!(笑)
まあ、お子さんのためにも楊さん頑張って下さい。
短編には詩情を!

 
 
 
この上のコメント (トマト)
2008-07-17 15:56:34
夢のないひねくれた人。文学なんて分からない人のようです。
政治を持ってきても来なくても、そのようなものの中にあるのが文章表現ですよ!
 
 
 
ISOさんへ (ビー玉)
2008-07-17 18:09:26
私は以前、全国紙の記者をしていた(毎日新聞ではありません)のですが、毎日は最も公平中立な立場で報道してくれる新聞だったのではないかと思っています。

文春が企画し掲載された小説・・・というならば、それは前回の受賞作も同じことでしょう。

ヤンさんのデビュー作(文学界新人賞受賞作)が掲載されている「文学界」には、ISOさんが支持される前回の受賞作も同時に掲載されています。ヤンさんの小説を一度でも御読みになったことがありますか?あるいは「文学界」を読まれたことがありますか?批判をされるのは自由ですが、ちゃんと作品を読んでから、意見を書いて下さい。コメントする側にもルールは必要かと思います。
尚かつトマトさんの御指摘にもあるように、ひねくれず、もう少し客観的にコメントして下さい。
 
 
 
ご指摘、失礼しました。 (ISO)
2008-07-17 19:51:30
「文學界」が文藝春秋社発行とは知らなかったのと、早稲田文学から「乳と卵」は発表されたと勘違いしていました。
「文學界」は戦時中に軍部の圧力で文藝春秋社が関係し、その後文藝春秋社の発行になったそうです。
道理で単行本は何故か文藝春秋社だったわけです。
重ねて失礼致しました。

なるほどあの時書評で、文芸ジャーナリズムのいろいろについてを高樹さんがコメントしたわけでした。あれ?何言ってんの?と思いました。(苦笑)
ふ~っ!(冷や汗)

また今回の、20年間もこのようなテーマが日本の作家が書いて来なかった、の高樹さんのコメントもその通りでしょう。

前コメントを全面的に撤回するわけでは有りません。
人それぞれですから。

 
 
 
訂正、早稲田文学 (ISO)
2008-07-17 23:29:19
前回の受賞者は早稲田文学の掲載で、やはり前々回に候補になっていますから、文藝春秋社が発掘した作家では無いです。
訂正迄。

 
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