高樹のぶ子のSIAブログ
御船山に朝日
新年明けて、しばらく経ってしまいましたが、お正月に出かけた手近な
温泉で撮った写真です。背景の山は御船山。
手前のミヤマキリシマは朝の霜に覆われています。ここで、本当に数十年ぶりに
霜柱を踏み敷きました。場所は武雄温泉です。
福岡から車で2時間弱です。お天気も良くて助かりました。
ところでその後、ブログはインドの風景を連続アップいたしました。
アーグラではほとんどインド病状態でグッタリ、久しぶりに情けない自分を
露呈してしまいました。
その疲れは、年末年始を通して未だ残っています。
けれど明日は芥川賞選考会です。
今日から用事があって上京しています。
今回の候補作は5作で、その中の4作は作者が男性です。
去年の中堅ベテランによる文学的な実り(いくつかの文学賞受賞作)もまた、
男性がほとんどでした。
それも、社会性、歴史、時代をしっかりと意識した「男らしい」大作が並びました。
これは、女性の「ニュアンス」「気配」「感覚」小説が姿を消しつつあるという
ことかな。
それだけ現実社会が逼迫していることの証で在るのかも知れません。
昨年のこの充実ぶりと、今回の男性中心の芥川賞候補との関係は、ぼんやりと
ですが関連づけられます。ただし、新人男性候補が、従来からの女性の感覚に
近づいてきてはいますが。
さて、今回の芥川賞はどうなりますが。
京都の下賀茂神社で、雑誌の取材があり、週末に戻ってきますが、ブログは毎日
拝見します。
高樹のぶ子
コメント ( 10 ) | Trackback ( 0 )
« ◆トークブログ... | 紫式部に祈る » |
※ | ブログ主の人格、活動、作品を貶めるコメントはご遠慮ください。 |
明らかに事実と異なる事柄や個人への誹謗中傷が著しい場合、運営側の判断でコメントを削除する場合がございます。予めご了承ください。 |
ここ数年踏んでません。
食するものがない世界。
激しい貧富の差。
子供の頃、食物にハエが飛んできて、という風景はごく自然でした。現在その生家へ行ってもハエの姿はどこにもありません。インドは、ハエで真っ黒くなっている食べ物も普通なのでは。ハエを追い払ってから、食する情景。
「人間は死ぬものであることを銘記せよ」挨拶の言葉(カトリック修道院)―『光あるうちに』三浦綾子著を読みながら・・
高樹さん!『白い光の午後』読みましたよ。名前リンク先で少し触れましたのでのぞいてみてください。
武雄にいらしたんですね。どういうきっかけでみえたのか、お聞きしたいな。ご案内もしたかったな。子供のとき御船山周辺出遊びまわり、最近また、武雄で暮らすようになりました。今日は、御船山に朝日ではなく、御船山は雪景色です。なかなかいいですよ。またお越しくださいね。
こちらは、三瀬から、また唐津から、またまた、高速で福岡に出かけますが・・・。九州はいいとこばかりです。ん、日本はいいとこばかりです。ん、世界はいいとこばかりです。って言いたいものですね。
SENSE OF WONDER.
インド病でしたか・・
プロジェクトであるが故に本音を語れない歯がゆさみたいなものが伝わってきました。
逆に凄く勉強になりましたがw
四時五分事件の時の写真の顔に似てると思いました^^;
又新しい時代を担う作家の誕生ですね。
私も女性の、気配・・・好きです。
寒い日々、ご自愛下さい。私もちょっとバテ気味です。
トークブログ、残念ながら拝見できておりません。
インド病を患ってしまったとのこと。
どっぷりとインドというカルチャーに浸かっていらっしゃる先生の生のお声が拝聴できず、残念です。
フォスターの『インドへの道』を思い出しました。
気がつくと、また彼の地踏んでいる。。。
それが例の病がもたらす作用らしいですが、かの地を舞台とします作品の誕生、お待ち申し上げます。
年末は思い切って帰国、田舎に戻っておりました。
私の年齢で既に伴侶を病気で失い、3人の子供を抱え、事業を引き継いだ母。
『高樹のぶ子の日経連載が終わってしまって残念よね。あれは、とっても面白かったわ。』と母。
親子って、それだけで通じ合ってしまえるところがあって、不思議ですよね。私が帰国した時の為に、と読み終えた単行本が山積みされてあり、嬉しくなりました。
超人的なスケジュールをこなされていらっしゃる先生。
どうぞご自愛くださいませ。
寒いですね。
本日の芥川賞は、受賞作なしでした。
私が文学賞の選考をした最初はすばる文学賞だったかと思いますが、それもずいぶん昔です。
以来、三島由紀夫賞、朝日新人文学賞、大佛賞、野間賞、島清恋愛文学賞、日経文学大賞など・・いろんな賞の選考に関わってきましたが、受賞作なしは、今回が初めてです。
けれど、やむを得ないこともあります。
どうにもならないことも、ありますね。
いつもわたしの隣で選考なさる小川洋子さんが、このブログを読んでおられて、明日は京都なんですね・・と。
古都も寒いのかしら・・
該当作なしはさぞかしお疲れだったでしょう。
夏樹さんのコメントでは仕方ない結果だと思いました。
これに懲りず頑張って下さい。
今朝の朝日新聞に芥川賞関連の記事が載っておりましたが、
選考委員のおひとり、池澤夏樹さんの、
「小説は作者が何かを偏愛するところから始まるのに……」
というコメントが深く心に残りました。
読者の心をとらえる小説とはそうやってできていく。あらためて感じた次第です。