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高樹のぶ子のSIAブログ

2008年07月07日 / 最近の出来事

ルチアーノ・パバロッテイ

 暑くて、夜も寝苦しいので、ついつい夜更かしをして保存ビデオなどを見てしまいます。
パバロッテイの人生を描いたドキュメンタリーは、さすがでした。
プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスと並んで、というか、そのなかでは抜きん出ていたけれど、ともかく三大テノールの一角であり、彼を越えるテノール出現はなかなか難しい人。
巨体と大きな目と、良く通る澄んだ声。
一流のアーテイスト以上の、超一流のアーテイストには、他のジャンルに与える影響があります。
藝術の本質を成す地下水脈を通って、私の世界にも・・・


 パバロッテイがなぜスゴイか。
声量、力強さ、安定感、表現力・・生来の明るい声・・
でも、彼だけのスゴさって、もっと別のところにある。
いきなり、その音のど真ん中、正確にど真ん中を、声が捉える。
他の歌手と聞き比べると判ってきますが、案外そんな歌手は少ないのです。
出すべき音はひとつですが、その音自体が一定の閾値をもっており、そのどこを突いても一応音階としては正しく音を出しているのですが、正確にその音のど真ん中を、いきなり声で出すのはかなり大変なのです。
もとろん、演歌歌手が良くやるように、うねるように、探るように、発声して、ようやくたどり着く・・それが味わいになる音楽ジャンルもあります。
そこに表情がある、味がある、という種類の音楽もあるのですが、クラシックの声楽では、そうやって音にたどり着くより、咽から出る声がいきなり音の中核をとらえる、これはとても難しいことなんです。


 パバロッテイの声の明るさは、実はその正確さから来ていると思うのです。
その真っ直ぐさが、聴いている人間にカタルシスを与えてくれる。


 彼の歌を聴くたびに、自分のことを考えます。
私も、瞬間の「思い」の中核を、これ以外にない、という first word で定着させたい。
いきなり、直接、まっすぐ、これしかない、とい言葉が、パバロッテイの声のように沸いてきて
くれたら・・・それだけで、小説が作れたなら・・・


 ああでも・・世の中、暑すぎ・・


                                             高樹のぶ子

コメント ( 7 ) | Trackback ( 0 )

« 昨夜は大雨と雷 瓶の中 »

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コメント
 
 
 
芸術の本質をなす地下水脈 (ビー玉)
2008-07-07 11:46:58
パバロッティ、私も大好きです。
観衆をとらえる黒い瞳、太い首、体が楽器の声楽家にとって都合の良い少し太めの体型、そして天性のやわらかく美しい声・・・。声が音の芯をついているのは、音楽家に絶対必須の絶対音感を彼が備えているからでしょう。

でも、彼の創り出す音楽に一番ひかれる理由は、聞く人の胸にすとんと響く胸ぐらをつかんで離さない高い精神性と芸術性にあります。私も「芸術の本質をなす地下水脈」を彼の音楽に感じるひとりです。

さっきNHKの某番組でグレングールドというピアニストの話題をとりあげていました。1932年、カナダに生まれこの人も「芸術の本質をなす地下水脈」に達する人かと思います。

ワタクシ、今から新幹線乗って福岡に帰ります。昨晩は、京都の長刀鉾のお囃子を子守歌にして眠りました。祇園祭のお囃子って調子がいいだけでなく、途中で変調があって妙に哀しい響きを持っている部分があることに気がついた次第。伝統芸能もまた、「地下水脈」に通ずる部分があり、理屈抜きで日本人の心に訴えかけるところがあるような気がします。

いきなり、直接、まっすぐ、これしかないという言葉・・・期待しております。
 
 
 
小説のヒロインは? (ISO)
2008-07-07 12:37:06
昨夜までの熱帯夜もしとしと雨で、いくらか凌ぎやすい空気になりました。
そちらは梅雨明けのピーカン晴れとか、これまた平年より二十日近く早いと云うニュース、夏バテ予防方法を考える必要が有りますね。
時々、涼しげなハズのコミカン草でも眺めてと、オススメしますが役立つかどうか・・(笑)

ルチアーノ・パバロッティの音感のように小説の企画からデティールまでと、ご希望のようですが果たして時代は流れていますし、どうなんでしょう?(笑)

小説については解りませんが、建築企画については時代の流れも有り、その手法は参考になるかも知れません。
先ずマスターのイマージュです。
そしてテーマ。
それから各セクションの導線と造形ですね。
これには最新の技術(アナログ的な開発も含む)を駆使します。

これを小説に置き替えて考えると・・。
イマージュについては、それまでの作家の文体でも有り、それほどの変更はないのでしょうかね。
テーマによって、多少の文体の再チェック?
次はテーマですね。
今、同時代に暮らしている人々が、最も気にかけていることの一つ。
新聞連載だと毎日のことですから、どんなテーマが好いのでしょう?
よく解りませんが読者も作家も、毎日リフレッシュできれば好いのでしょう、そんなテーマが好いです。
だって連載中、作家は地獄だなんて嫌でしょう?(笑)
僕だったら嫌ですね!
次を書くのが楽しくないとね。
国際的に食料とエネルギーと商品取引システムよる経済と自然環境の、問題を背負っているのですが。
デティールは取材力がいろいろと反映?
当初からの上海が主な舞台でしょうか?
今まで会った若い中国人の中では、北京出身の人柄が好みでしたから、僕は美人だった山口淑子さんと同じ北京派ですね。(笑)
美人と云えば上海は国際都市ですから、是非、若いマレーネ・デートリッヒを彷彿とさせる、気骨のあるヒロインを登場させて下さいよ!
ただし鈴の音の美声のデートリッヒでね。(笑)
そうなんだ、小説の世界はいろいろと勝手が出来て好いんだなぁ~!
ヒロインはデートリッヒが好いです!お願いします!
この前カフェでも飲んでいたら、僕と同じデートリッヒファンが居て、話が弾み聞くと僕と同じ年代でした。
会社役員仲間の間で、若い頃のデートリッヒや山口淑子の映画ビデオが出廻っていて、皆さんかなり熱心に廻し観をしてるそうですよ。
僕も若い頃、大きなデートリッヒのポスターを部屋に貼ってました。(苦笑)
彼女は日本人好みの、割合平面的な顔立ちだったからでしょうね。
それに高樹さんは他の作家の報告によると、多分ハイの時は、キリッとして語っているらしいので、デートリッヒ風のデティールも大丈夫でしょう?

山口淑子さんは母と同じ今年88才になるらしい、仕事でタクシーを乗り合わせたら未だに美人だったそうです。
これは我々世代はマザコン世代なのかな・・(笑)
ヒロイン談義になってしまいましたが、ヒーローはお任せ致し楽しみにしてます。
今日は七夕、サミットも始まり、今までよく七夕はいろいろ記憶に残る日にちで、何か特別な日なんでしょうかね?
懐かしいパバロッティの歌声は、余り男の耳には残らないものらしい。

 
 
 
芸の深み (いちいリンク)
2008-07-07 13:00:20
昨夜は寝苦しかった、というより、眠れない夜でした。
高樹さんの作品について、新聞の書評に書くスタンスで少しブログで触れました。
かつて、聖歌隊で歌っていた私は、自分の感性でその歌声を感じとります。快い響き、魂を揺さぶるもの。思わず泪する瞬間の訪れ。
何かをする時、全てのジャンルに共通な何か、があるのでしょうか。
スポーツにも、共通な集中力。爆発力。親戚にオリンピック三度目出場の女性がいるので、そのトレイニング方法、低酸素室での、高地での、とかを想像します。彼女の周囲は壮行会とか、知事と会うとか、新聞取材に応じるとか大変なものですが。何の世界でも、思うように力が発揮できると、充実感、歓喜を頂けます。

    乃阿一葦
 
 
 
ミスター・ハイC (yamanva)
2008-07-07 23:15:32
と呼ばれたパバロッティ。

その明るく輝かしい声は高樹さんの言われるように、
「出る声がいきなり音の中核をとらえる、
その真っ直ぐさが」声の深奥からのものであったかと。

日本でのリサイタルに2・3度行きました。
プログラムの最初の声楽をやり始めたものなら
誰でも知っているような曲を時々楽譜を見ながら
歌い(ほとんど発声練習)。

例の大きなハンカチ(どう見ても手拭)で汗を拭きながら、
歌うにつれ声がどんどん出て、本人もノッテくる。
アンコールなどというものでなくて、
プログラムが終了してからがメインのよう。


高樹さんの見たというドキュメントはDVDになっていますでしょうか?
観たい!

 
 
 
聴いてみました! (いちい)
2008-07-08 01:27:56
今はパソコンという便利なものが在るので、ネットに接続すれば、無料でいくらでも聴けますから助かります。
Pavarotti 聴いてみました!

どの辺の曲がお好みでしょうか?

Pavarotti - Nessun Dorma
Pavarotti - Ave Maria - Schubert⇒ 5,405,619 (再生回数)
Pavarotti & Barry White - My first, my last, my everything ⇒4,053,761(再生回数)
Nessun Dorma (Pavarotti, NY 1980)
Luciano Pavarotti Nessun Dorma (turandot) Torino 2006
Pavarotti Last Performance "Nessun Dorma" @ Torino 2006
Luciano Pavarotti - 'O sole mio
・・・・・・・・・・・・・
Ave Maria は、再生回数が多いので Pavarotti の中でも聴く人が多いのですね。。みなさんは、どんな曲がお好きでしょうか??
 
 
 
誰も寝てはならぬ (高樹のぶ子)
2008-07-08 09:53:39
プッチーニのオペラ「トウーランドット」のもっとも有名な曲が「誰も寝てはならぬ」つまりNessun Dormaなんです。
たしか、スケートの荒川静香さんがイナバウアー演技で、使っていたのが、この曲。
冷酷な中国の皇女が、花婿候補に次々と謎をかけて、答えられないと殺していく・・という話で、最後の候補(テノール)が
「答えは愛」と言い、初めて皇女の氷の心を溶かす・・ってストーリーです。この答えを発見したテノールが、「誰もねてはならぬ」と歌います。
もちろん、パバロッテイのお得意ですが、誰もが好きな曲ですね。日本では必ずといっていいほど、美空ひばりの「川の流れのように」を、ヘンな日本語で歌ってました。最後まで無邪気なイタリアの明るい男性でした。

誰も寝てはならぬ・・どころか眠れない事件がおきました。
恐怖のムカデ退治劇は、次のブログで。ふ~~~
 
 
 
え~っ?ムカデ! (ISO)
2008-07-08 14:30:19
誰も寝てわならぬ、は原稿の進行にご苦労されてのオチかな、と読み進めれば、ムカデ?!でしたか。
ムカデは高温が大好きですからこの季節は活動的です。
考えられるのは割合広いベランダの、植栽の湿った腐葉土から、サッシの網戸の隙間を通るか、ベランダ側の換気フード関連からの侵入でしょうか?
高層マンションでは珍しい事件ですね。
実家では戸口やサッシ廻りに石灰を撒いたりしてますが、今は余り汚れない便利な嫌避剤が有りますよ。
昨年、実家で二匹が連れだって侵入し、退治し焼酎漬けにしました。
本当かどうか知りませんが、この焼酎は刺された時に塗布するのか、劇的に薬効があるそうです。
そう云えば高樹さんの方が詳しかったでしょうか?
麦畑の中に家があったそうですから。
だと、失礼しました。
かなり昔、母は一度刺されました。
庭弄りに使う軍手の中に潜んでいたので、ヤラレてしまい、僕にどうしようと電話が掛かってきて、とりあえずタクシーで近所の病院へ。
大したことはなかったのですが、精神的ショックは大きかったようです。
外に置いている軍手やクツには気を付けましょう。

 
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