《「同じ」を育てると「違い」を育てる》
「違い」を育てる――
「同じ」を育てる――
この話は、ただの私のカンだ。
でも、わたしの経験と出会った子どもたちを…思い出す限り……、矛盾はない。
だから、きっと間違っていない。
それを、言葉にできるか?
◇
「専門性」とは、「違い」を見つけ、「違い」を育てることだった。
「障害のニーズに応じた教育」とは、「違い」を育てることだった。
そうであるなら、「特別」な教室が必要だろう。
確かにそうだ。
「特別な場所」、「違う子ども」だけを集めた場所。
「違う」しか見えない専門家。
「同じ」が見えない専門家。
「違い」を育てたいなら、「特殊教育」「特別支援学級・学校」が、順当な選択だ。
◇
だけど「同じ」を育てたいなら、「ふつう学級」しかない。
それは選択ではない。
選択の余地がないのだ。
なぜなら、この国では、子どもたちはみんなそこにいるから。
「同じ」を育てるなら、そこに「いること」からしか、始まらない。
だから、「いるだけでいいのか?」と、冷たい言葉を投げつけられても、
「いるだけでいいから、ふつう学級がいい」と、言えてきたのだ。
「同じ」を育てるなら、「いること」からしか、始まらない。
「いるだけ」は、スタートだ。
だから、「いるだけでいいのか?」という質問は、「スタートするだけでいいのか?」という意味になる。
「スタートするだけでいいのか?」
それも変な聞き方だけど、まあ、スタートしないと何も始まらない。
だから、「スタートするだけでいい」という。
そしてスタートすれば、たとえ先生が何もしなくても、
他の子どもたちがいっしょに走り出してくれることがある。
そこから育つ「同じ」がある。
◇
そこから育つ「同じ」ってなんだ?
それを言葉にしてみたい。
(つづく)
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